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【完結】善人のおっさん、冒険者を引退して孤児院の先生になる 〜 エルフの嫁と獣人幼女たちと楽しく暮らしてます  作者: 茨木野


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20.善人、一仕事終えて、大賢者と酒を飲みに行く

いつもお世話になってます!




 それは前世の記憶。


 俺がまだ大学生だった頃の話しだ。


【先輩、俺と付き合ってください】


 当時俺は北海道にある国立大学に通っていた。


 地元の都会を離れやってきた北の大地で、俺は先輩と出会ったのだ。


【私と? 物好きだねジロー】


 大学から車で少し離れた、夜景のキレイな公園にて、俺は先輩に告白した。


【私のような色気のない実験だいすき女に惚れるなんて、きみ、そうとうかわりものだよ】


【……先輩には負けますよ】


 先輩は俺の3つ上の上級生だった。


 当時先輩は大学院生で、大学教授の手伝いをしながら自分の研究をしていた。


【そうかしかしジローが私のことを好き……ふむ】


 うつむく先輩は実に美しかった。


 この世界とは違って、前世での先輩は、背が高く、ボディラインにメリハリがあり、まさしく大人の女という見た目をしていた。


【先輩、どうでしょう?】


【そうだな、】


【いや返事はわかってますって。先輩美人だしもう彼氏いるんでしょう?】


 結構ダメ元なところがあった。


 なにせ先輩は研究にストイックではあるものの、大変な美人だ。


 道をすれ違う10人中、8,9人は絶対に振り返る。


 それほどまでに、先輩は、阿澄加奈子あすみかなこ先輩は美しいのだ。


 だからまさか、先輩からオッケーをもらえるとは思わなかった。


【ジローといると楽しいからね】


 交際しだして1ヶ月位した頃だろう。


 大学近くのホテルで一夜をともした後、先輩に尋ねたのだ。俺のどこが良いのかと。


【ジローは鈍感すぎてなんか見ていて面白いんだ。こう、動物を見ている気分になるんだよ】


 ベッドでうつぶせの体勢になっている先輩が、楽しそうにそう語った。


【そんなかわいいジロー、キミが大好きだよ】


 とまあ交際は順調に思えた。


 大学を卒業し、俺は都会に戻った。


 先輩はそのまま北海道の大学に残り、そのまま大学教授を目指して、研究と実験、そして教授の手伝いに邁進した。


 先輩が忙しいのは知っていた。


 けど先輩は俺との時間を大切にしてくれた。


 俺も週末になると北海道まで行って、先輩に会いに行った。


 あまり金はなかったが、特に趣味等はなかったので、飛行機代は捻出できた。


 まあ、バカにならないくらいの出費ではあったが。


 そんな日がだいぶ続いた、社会人になって数年した、ある日。


【ジロー。別れてくれ】


 その日も俺は北海道にいる先輩のところまで行き、彼女とデートをした。


 奇しくも俺が告白した場所で、先輩は俺に別れを告げてきたのだ。


【もうキミといるのが辛いんだ。とても、とても……辛いんだ】


【そんな……】


 原因は今でもよくわからない。


 ただ北海道にいる彼女の元へいくたび、先輩はいつも辛そうな顔をしていた。


 俺が何か不快にさせるようなことをし続けたのだろうか。


【ちがう、そうじゃないんだよ……。キミの優しさが……辛いんだ】


 優しいことがどうつらさにつながるのだろう。


 俺にはよくわからなかった。


 ただ彼女の負担になりたくなかった俺は、結局、先輩と別れることにしたのだ。


 これが、前世でできた唯一にして最後の、恋人との苦い失恋の記憶だ。



    ☆



 先輩と水洗トイレを作ったその2時間後のことだ。


「できたな」


「できましたね」


 俺たちは孤児院の裏にある【竜の湯】にて、上水道のテストを行っていた。


 色々試行錯誤を繰り返した結果、やっと満足のいく結果を得た。


「実験は無事成功。あとは台所に取り付けるだけだね」


「ですね」


 俺はついさっき作ったばかりの【それ】を持って、孤児院へと戻った。


 孤児院の出入り口を開けて、廊下を歩いていると、


「すげー!」「すごいのですー!」「すごいのりゃー!」


 わいわいわい、と廊下の奥、トイレ部屋の前で、子どもたちの声が聞こえてくるではないか。


 リビングへ行く前にそっちへ軽く立ち寄ってみる。


 そこにはキャニス、コン、ラビ、そしてレイアがいた。


「あ、にーさんっ!」


 ラビが俺に気づくと、パァッ……! と喜色満面になって、俺に近づいてくる。


 てててっ、と歩いてきて、俺の足にしがみつく。


「にーさん、聞いたのですっ! トイレがすごくすごいことになっていて、すごいのですっ!」


 まだ幼いラビは、持っている語彙をつくして、必死に何かを表現しようとしている。


「ラビ、トイレを見たのか?」


 俺はしゃがみ込んで、ラビと目線を合わせて言う。


「はいなのですー! ヨーシキトイレってゆうのですよね?」


 俺はうなずいて、ラビをひょういと抱き上げて、トイレへと行く。


 コンが便器の隣に立ち、キャニスたちがそれを見ている。


「コンっ! もっかい! もっかいやってるところみせやがれですー!」


「れいあもみちゃいっ! みちぇなちゃいっー!」


 わいのわいの、とはやし立てる犬っこと竜人。


「すていすいてい、あせるなみなのしゅー」


 コンがびしっ、と手をあげて制する。


「あれは何をやってるんだ、ラビ?」


 キャニスたちを遠目にみながら、俺はラビに尋ねる。


「コンちゃんからトイレのやり方を教えてもらっているのですっ!」


 ラビがうさ耳をピクピクさせながら言う。


「転生者のコンが、現地人たちに水洗トイレの使い方を教えてやってるんだろうね」


 先輩が状況を見てそう言う。


 コンは便座のふたを下ろして、その上にひょいっと乗る。


「よいかみなのもの、しーしーしたら、まずはふたをおろす」


「「ふんふん」」


「そしたらここ、このればーをさげる」


 ここだ、とコンがタンクについているレバーを指さす。


「あとはじどーでみずがながれる。いとたやすき。だれかやりたいものはおるかね?」


 コンが先生っぽく、キャニスたちを見やって言う。


「はいはいっ、はいっ! ぼくがやりてーですー!」


「よかろう、がんばりたまへ」


 コンが便座から降りる。


 キャニスが入れ代わるようにして便座の上に乗って、


「ここをっ? ここをっ? なあコンここを?」


「ちがう、それは手をあらうとこ。そのタンクのでっぱり」


「これでやがるなっ! よーしっ、ていーっ!」


 キャニスが勢いよくレバーを下げる。

  

 するとじゃぁあああ……! と激しい水流の音がして、


「うきゃぁーーー!!」


 キャニスが驚いて後に転げ落ちそうになる。


「きつね、きゃーっち」


 俺が走って抱き留める前に、コンのふかふかのシッポの上に、キャニスがぽすんと落ちる。


「せつめいしよー、きつねきゃっちとは、きつねがきゃっちするわざのこと。あいてはしなぬ」


「たすかりやがったのですっ! コン、さんきゅーです!」


 ぺろぺろ、とキャニスが感謝の意を込めて、コンの首筋を舐める。


 コンは「らめぇ、おっとがみてるのぉ」といつもの調子で、てれてれと頭をかいていた。


「そしてみなのもの、ふたをあげるのです」


 きりっとした顔にもどり、コンがキャニスたちにかっこつけて指を指す。


「それはれいあがやりゅのー!」


 今度はレイアの番らしい。


 トイレのふたを「んーっしょ」と持ちあげる。するとーー


「「おおー!!」」


 キャニスとレイアの歓声があがる。


「すげーですっ! しーしーのおみずが、とーめーできれいになってやがるですー!」


 すげー! と目を輝かせるいぬっこ。


「にーさんが作ったトイレ、本当にすごいのですー!」


 ラビが俺の胸の中で万歳している。


「これならといれがこわくなくて、おもらししなくてすむのです!」


「トイレが怖くない?」


 どういうことだろうか。


 しかし俺以外の子どもたちは、


「言われてみればそうでやがるなです」


「それはある。ありよりの、あり」


「うみゅ、あの穴はこわかったりょ」

 

 うんうん、と全員が同意していた。


「どうやらぼっとんトイレの穴が怖かったのだろう。夜中とかは特にな」


「あー…………」


 言われてみれば落とし穴みたいで怖いもんな。


「これでおねしょしなくていいのですっ! にーさんほんとうにありがとーなのですっ!」


 1番おねしょの回数の多いラビが、俺に感謝の言葉をつげる。


 なるほど……。


 ラビは夜中、漏らす前にトイレに起きてるのか。

 

 でもトイレが怖くて、いけなくてがまんして……というわけだったか。


「ごめんな、ラビ。もうちょっと早く作っておけば良かったよ」


 そうすればラビがおねしょして、嫌な思いを繰り返さずに済んだろうに。


 しかしラビは明るい笑顔で、


「そ、そんなにーさんが謝る必要ないのですっ! むしろにーさんがつくってくれたことに、とってもとっても、かんしゃしているのですっ!」


 ぐっ、とラビが胸の前で両手を握り、俺に何度もありがとうと言う。


「コンっ、もう一回! もう一回トイレじゃーさせろやですっ!」


「あー、ずりゅいっ! つぎはれいあのばんりゃもんっ!」


「あわてなくてもたくさんあるよ、たぁんとおたべ」


 感謝するラビとは違って、他の子たちは新しくできた水洗トイレに興味津々らしい。


「み、みんなもにーさんにありがとーって言うのです~」


 目を><にしてラビがキャニスたちに言う。


 だがトイレを流すのが楽しいらしくて、キャニスたちは聞いちゃいない様子だった。


「実に子どもらしいね」


 先輩が慈愛に満ちた目で子どもたちを見て言う。


 先輩は子ども好きなのだ。


「にーさん、ごめんなさいなのです。あとでみんなでありがとーしにいくのです」


「いいって。それよりラビ、ちゃんとコンにトイレの使い方を聞いて覚えておくんだぞ」


「はいなのですー!」


 ラビは元気よく手を上げると、コンたちのもとへとかけていく。


「おー、つぎはらび、いっぽんいっとく?」


「やるのですっ! コンちゃんおしえてほしいのですっ!」


「みーのしどうはきびしい、はたしてついてこられるかね?」


 きらん、とコンがかっこつけて言う。


 ラビは「がんばるですー!」と元気よくあいさつをする。


「コン。遊んでいいけど、あんまり水出し過ぎてあふれさせるなよ」


「いさい、しょーち」


 まあ転生者(自覚はないようだが)がいるのだ、誤った使い方はしないだろう。


 俺は先輩とともにその場を離れる。


「いいのかい、監督役してなくて」


「いやまあそうなんですけど、あいつらの楽しい時間を邪魔しちゃいけないかなって」


 背後で「「「おー!!」」」とまた歓声が上がる。


「すげーなこん! おめーこんなことできるなんて知らなかったですっ!」


「コンにこんりゃとくぎがあったんりゃなんて! ろーしてだまってらの?」


「すごいです、コンちゃんっ!」


「がっこーではひょーかされないかもくゆえ、いままでかくしてたのだぜ」


 ふふん、とコンが得意げに言う。


 わいわいと楽しそうな子どもたち。


 大人が水を差しては、野暮という物だ。


「ふふっ、すっかりジローも先生になったんだね」


 トイレを離れながら、先輩がくすりと笑う。


「まあ、ここ来てからそこそこ立ちますからね」


 先生の動き的なものは、ぼんやりとだがわかるようになった。


「それは……あの子のおかげかな?」


 先輩がややトーンを落として言う。


 あのことは……コレットのことだろう。


「ですね」


「…………。そうか。そうだよな」


 先輩はぴたりと立ち止まる。


「先輩?」


 どうしたんですと振り返ると、先輩はいつもの調子で、こう言った。


「ジロー」


「はい」


「一仕事終えた打ち上げに、今夜街で1杯のみにいかないか?」



    ☆



 ソルティップの森から車で数十分。


 ズーミアの街。


 商業都市マシモトや、観光名所ワーズ湖に近接した、わりと大きめの都市だ。


 あの後俺はみんなと夕ご飯を食べた後、コレットに先輩と飲みに行っていいかたずねた。


 先輩には今日たくさん世話になったからな。


 酒くらい奢るし、酒の席で先輩のぐちを聞く役をかっても罰は当たらない。


 そのことを告げると、コレットは「いってらっしゃい♡」と快くうなずいてくれた。

 

 先輩のおかげで生活が便利になったことを、コレットは感謝しているみたいだった。


 大衆酒場へとやってきた俺と先輩は、端っこの方の席に座り、注文をする。


「先輩、酒を飲むのは良いんですけど、その……ノンアルコールにしておきません?」


 俺は過去の経験から、先輩にそう助言する。


「? 酒を飲みに来たのに、どうしてノンアルを飲まないといけないんだ」


 真顔で首をかしげる先輩。


 このひとの厄介なところは、飲んだ後の記憶がさっぱりないところだよな……。


「アルコールは体に毒ですし、それに先輩はまだ子ども……」


「違うよばかだなジロー。私は妖小人ハーフリング。見た目は子どもだが中身は大人だよ。酒くらい飲めるさ」


「いやまあ、ええっと……」


 どういったものか。


 しかし本人が酒を楽しみたいと思っているのを、じゃまするのも悪い気がする。


 かといってこの後起こる厄介ごとは、想像に難くないし……。


 言いよどんでいるとジョッキに入ったエールが運ばれてくる。


 ビールよりも発泡に乏しく味もいまいちだが、この世界では一般的な酒場での飲み物だ。


「うん、来たね。それじゃ、ジロー。水洗トイレと、上水道の設置、お疲れ様」


「はい、先輩もお疲れ様です」


 きん、とジョッキを打ち付け合う。


 先輩がエールをくいっと一口飲む。


「~~♪」


 先輩はうまそうに、こくこくと喉を鳴らす。


 子どもがビールを飲んでいるようにしかみえなくて、犯罪臭がすごい。


「ふぅ……。味はいまいちだけど、やっぱり定期的に飲みたくなるね。ひっきゅ」


 先輩が笑いながら、そう言う。


「ええまあ……」


 だいじょうぶかな、と思いながら、先輩の様子をうかがう。


「ん? どうしたジロー。そんなジロジロと見て。なんだ私に気がうつったのか? かわいい嫁がいりゅくせに。ひっく」


 い、いかん……。


 先輩の顔が、すさまじい速度で真っ赤になっていく。


 先輩がジョッキに手を伸ばそうとしたので、俺はそれを奪い取り、いっきに飲み干す。


 先輩は不服そうにほおを膨らませる。


「他人のジョッキを取り上げて、ひっく、飲むとか、ひっくっ、マナー違反じゃないか……? ひっくっ」


 ぐわんぐわん、と先輩の体が前後左右にゆれ始める。


 ああもう、だからノンアルにしとけって言ったのに……。


「しかしジロー……。きみもすごいやつだよなー…………。………。…………あー…………。上水道を、ひっく……あんなに簡単に作るなんて……」


 俺は水洗トイレを作ったあと、上水道に着手した。


 と言っても基本は水洗トイレの時と同じだ。


 水道の蛇口と水魔法とを複製合成させ、【抵抗レジスト】で威力を調整する。


 トイレの時と違って、ひねったときに微調整ができるよう、【動作入力プログラミング】の魔法をハンドル部分に付与した。

 

 ハンドル部分が右周りに30度ずつ回転するたび、【抵抗】の魔法の数を増やしていく、という動作命令プログラムを組んだのだ。


 これにより蛇口を出た【水流アクアストリーム】の威力が、複数の【抵抗】を通過することで、微調整されるという機構を作ったのである。


「あんなさー……。いっしゅんでさー……。よくもまぁー……。よくおもいついたもんだねー……」


 えへへぇ、と先輩が妙な笑い方をする。


「ほんとさぁ……。むかしからじろーはさー、できるやつだったくせに、じこひょーかがひくいやつだったなぁー……。なぁーじろー?」


 先輩が据わった目で俺を見てくる。


「先輩、いま水を頼んでますので、追加でエールを頼もうとしないでください」


 けち、と先輩が毒づく。


「しかしさぁ……ジロー。おめーさぁー……ひっく……」


 先輩は立ちあがると、俺の隣に腰を下ろす。


「おめーよぉー……。どうしてさー……。ずっとこっちきてから、敬語なんだよぉー……なぁー……?」


 先輩の酒気を帯びた呼気が顔にかかる。


 どう見ても先輩は酔っ払っていた。


 先輩は酒好きだが、すさまじいほどに下戸げこなのだ。


 しかもだ。


「昔みたいにさぁー……。ひっく。敬語やめて加奈子ってよべよぉー……。なぁー……加奈子って呼べってぇー……」


「先輩、ほら水が来ましたよ。飲みましょう、ね?」


 給仕の女の子から水をもらい、先輩に突き出す。


「あー? なんで私が水飲まないといけないんだよぉー……?」


「いやだから酔っ払ってるから」


「酔っ払ってにゃーっ! 私はよっぱらってないのりゃーっ!」


 あかん。


 完璧に酔っ払っていた。


「つーかジロー。今またおまえさぁ、敬語になってたのよなぁー? なぁやめろってさっきいったのに、ど~~~~~して敬語になるわけぇ?」


 ぎろ、っと先輩がぐでんぐでんになりながら、俺にしなだりかかってくる。


 手に持った水のグラスをテーブルに置いて言う。


「前みたいに言えよぉ。加奈子ぉ、愛してるってさぁ」


「いや、ここ地球じゃないし、先輩は今大賢者ピクシーじゃないですか」


「ピクシーってなにだよ、あほみたい。ポケモンかよ。私は加奈子だっつーのぉっ! ジローの女の加奈子だよっ! なぁジロー!」


 先輩が俺の首に腕を回し、ぐいっと抱き寄せてくる。


 周りが奇異な目で見てきた。


 先輩は今、コレット特製の【魔法薬】を飲んでいる。


 先輩はこの世界では有名人だ。


 余計な混乱を招かないようにと、街に来る前に魔法薬を飲んだのである。


 先輩の髪色は俺と同じで黒になっている。

 顔つきも微妙に変化しているが、子どもっぽい容姿はあいかわらず。


 おっさんの俺が子どもに絡まれているような図だ。


「離れてくださいって」


「ほらぁ、おめーまた敬語つかったぁ!」


 先輩が真っ赤な顔で、指を突き立ててくる。


「ふたりきりのときは敬語やめろよぉ。加奈子ってよべよぉ。昔みたいにさぁ」


 昔……とは、地球で俺たちが付き合っていたときのことを指して言っているのだろう。


「加奈子って呼ばねぇと、おまえが私とえっちしたとき、どの体位が好きかってことおめぇの大好きな嫁たちにバラすぞ?」


 マジの目で先輩がそう言ってきた。


「…………わかったよ、加奈子」


「んー。それでいいー」


 満足そうに先輩がうなずく。


 どうやらいちおう一息ついたみたいだ。


「ほら、先輩」「ア゛?」「……加奈子、水飲めって」


 俺は先輩の腕をとくと、グラスを先輩に手渡す。


 先輩は「水なんて……」とつぶやいたあと、こくこく、と水を飲む。


 グラスをどんっ! とテーブルに置いて、俺を睨みながら言う。


「つーかよ、ジロー。おまえ、なんで正座してねえんだよぉ、あぁん?」


 今度は説教モードに入ったらしい。


 そう、俺がこの人と飲みたくない理由はこれだ。


 先輩は酒が弱い上に酒癖が悪いのである。 


 しかもたちの悪いことに、翌日きれいさっぱり、昨晩のことを忘れてるのだ。


「せーざっ、せーざしねぇと嫁にちくるからな。私がおまえの前世での恋人で、おめぇの童貞を奪った女だってことをよぉ」


「やめてくださいわかりました」


 俺は正座して、先輩の顔を見やる。


 まあ、うん。童貞を奪われたのは、前世での話しだ。


 ロリボディの先輩とは、1度たりとも肌を重ねたことはない。


 正座になった俺を見て、満足げにうなずいて先輩が言う。


「おめぇさぁ……。おめぇにさぁ……。言いたいことあってよぉ。聞いてくれるか?」


「はい、なんでしょ」「敬語-!! みなっさーん! こいつはねー! 後から動物みたいにするの」「わー! やめろ加奈子ばか!」


 先輩の口を慌てて抑える。


「ったく、聞かれてやなら最初から敬語使うなっつーの。おまえの脳みそからなの? なぁジロー」


 なあなあ、と絡んでくる先輩。


「いいかー、ジロー。おまえはなぁー」


 その後は先輩のグチが続く。


 だいたいこんな感じだ。


「私という元カノがいる家で、よく女ふたりとやりまくれるな」


「毎晩毎晩やるな。音が聞こえる。もう少し自重しろ」


「胸の大きな女が好きなのか?」


 とまあだいたいこの3つについてを、ループして俺に語ってくる。


 特に胸の話しについては、しつこく俺に聞いてくる。


「なぁジロー。やっぱり巨乳の女じゃないと抱けないのぉ? なぁ、私が巨乳じゃないからもう抱いてくれないのぉ?」


 いつの間にかグスグス……と先輩が泣き始める。


「いや巨乳とか関係ないって……」


「でもコレットは巨乳でしょう!!」


「いやそうだけど……ほら、アムは巨乳じゃないぞ」


「でもアムは今の私より巨乳でしょ!!」


 め、めんどくさい……。


 という気持ちをグッと堪える。


 今日は先輩にたくさん世話になった。


 水洗トイレは、先輩の付与術がないと完成しなかった。


 上水道だって、あれは俺の手柄とはいいにくい。


 俺の出した未完成な案を、先輩がブラッシュアップしてくれて完成したのだ。


 今日だけじゃないが、特に今日は先輩にお世話になったのだ。


 多少のグチは甘んじて受け入れる。


「ねぇーえぇ、ジロー。なぁ正直に言ってくれよぉ」


 先輩がグラスの水……と思ったらエールだった。おい。


 エールを片手に、俺の首に腕を回す。


「巨乳だろ? どーせおまえは巨乳好きなんだろ? なあ怒らないからさぁ、前世で私に告ったのって、私が巨乳だったことも理由に入ってるんだろ? 怒らないから言ってみ? な?」


 出た。


 俺はこれが地雷だと知っている。


 前世で何度も、先輩にこの質問をされた。


 付き合ったのは自分が巨乳だからだろうと。


 俺は何度もこの地雷を踏み抜いてきた。


「そんなことないよ」と答えると、「じゃあ私のどこが好きなの?」と先輩が納得するまで追求される。


「そうだよ」と素直に答えると、「やっぱりそうなんじゃないかっ! 所詮むねかよばかぁっ!」と切れられる。


 よって最善手は、


「それより加奈子ってこっちの世界に来て長いんだよな。来てからどれくらいたってるんだ?」


 話題をそらす。


 これが1番だ。


 相手は酔っ払いなので、すぐに前の話題を忘れる。


 現に先輩は「あー……そうだなぁー……」とすっかりさっきの巨乳うんぬんはわすれているようだ。


 セーフ。


「なんだろうねぇ……500年くらいかなぁー……」


 先ほどまでの興奮から一転して、先輩がイスの上で、三角座りする。


「最初はね、何もわからなかった。キミと違ってさ、異世界転生とか知らなかったし、慣れるのにすっごく苦労したよ」


 先輩のトーンが、いつも通りに戻っている。


「女神からもらった特殊技能スキルのおかげでなんとかなった。なかったら、死んでたよ。魔王退治なんてほんと、無理だったし、それに本当はやりたくなかったよ」


 よっているからだろうか、先輩がとりとめなく、思いを口にする。


「争いごととか嫌いなんだよ。でも力ある者は正しくチカラを行使しないといけない。結局魔王を倒したけど、そのせいで無駄に有名になってしまった。名声を得たと言えば聞こえは良いが、ようするに要人という色目で見られるようになった」


 先輩が、ぽすん、と俺の肩に頭を乗せてくる。


「みーんな、大賢者大賢者って私を呼んでくる。なんでもできる大賢者だって、みんな思ってる。……違うよ、私はそんなたいそうなやつじゃない。でも、みんな私を大賢者だと呼んで、大賢者だと思い、そして相応の態度で接してくる。正直、疲れた……」


 先輩が目を閉じて、ぐりぐり、と頭をこすりつけてくる。


「だからね、ジロー。キミとこっちで再会したとき、私はすっごく嬉しかったんだよ」


 先輩が手を伸ばしてくる。


 顔に手をやって、近づけてくる。


 小さな顔が、瑞々しい唇が、近づく。


 ……コレットとアムに、申し訳なさを覚えて、すっ……と顔を引きそうになる。


 先輩は強い力で俺を引き寄せて、強引に唇を奪った。


 ややああって、唇を離す。


 距離を離して言う。


「……キミは昔と変わらず、キスの仕方が下手だね」


「加奈子と違って経験値が足りないもんでね」


「おや、心外だ。私はキミとするまで初めてだったよ」


「そのわりにはキス上手だったよな」


 練習したんだ、と先輩が恥ずかしそうにつぶやく。


「妄想の中でさ、キミを相手に何度も練習をしたんだ。キミは私にほれていたように、私も実はキミに惚れてたんだよ」


 そうだったのか。


 気づかなかった……。てっきり俺の片思いと思っていた。


「バカだな。片思いなら交際を承諾するわけないだろ?」


「言われてみればそうだな」


 苦笑し合う俺たち。

 

 そこにあったのは、ジロと大賢者じゃなくて、治朗と加奈子の空気だった。


「これだよ、この空気感だ」


 先輩が嬉しそうに笑う。


「ここでは私は大賢者だった。けど再会したキミは、地球の頃と変わらず、同じ態度で接してくれた。この空気感がたまらなく、好きだったし、好きだ」


 先輩がずい、と身を乗り出してくる。


「なぁ、ジロー」


 潤んだ目で、先輩が俺を見上げてくる。


「なぁ…………ジロー」


 女の顔で、俺の体にしなだれかかる。


「なぁ、…………………………ぐぅ」


 そして、そのまま、先輩は眠ってしまった。


「…………」


 先輩は安らかな顔で眠っている。


 俺の胸の中で、すうすうと寝息を立てていた。


「お開きだな。すみません、お勘定をお願いします」


 比較的酔っ払ってない俺は、先輩の代わりに会計を済ませて、外に出る。


 先輩を背負って夜道を歩く。


 街を出て、車のところまできて、気づいた。


「やべ、酒気帯び運転になる」


 そう言えば先輩のエールを飲んでしまった。


 帰りの運転があったので、飲むのは控えておくつもりだったんだが。


「んん……。ジロー……」


 先輩が背中にしがみつきながら、俺に言う。


「歩いて帰るのは、無理だ。おんぶしながらだと、なおのことな」


 もう二日酔いになっているのだろう、辛そうな声で先輩が言う。


「無論、酒気帯び運転は、御法度だ」


「わかってるよ」


 いくらこの世界に道路交通法がないからといって、酔った状態で運転は危なすぎる。


「だから……さ。だから……ね?」


 先輩が耳元に口を寄せて、つぶやく。


 熱っぽい吐息が、耳元にかかる。


「ホテルに、泊まろうよ。たまには一緒に、寝たい」


「いや……でも……」


 この状態で一晩をともに過ごすのはまずい。


 先輩と酒場で飲んだことで、昔のことを思い出してしまった。


 そして、先輩と昔のようなやりとりをして、かつての雰囲気を取り戻しつつある。


 俺は先輩を、大賢者でも先輩でもなく、加奈子として見てしまっている。


「お願い……私も、女なんだ。性欲も、ある」


 懇願するように、先輩がしがみついてくる。


「頼む。一晩だけでいい。そうすれば、もうキミに負担をかけない」


「加奈子……」


 先輩は、わかっているのだ。


 前世と今世は違うと。


 今俺には、嫁と恋人がいることを。


 ちゃんと分別がついているのだ。

 

 ついている上で、頼んできている。


「頼むよ、ジロー。なんか今日は、特にさみしいんだ」


 ぐっ……と強くしがみついてくる。


 まな板のような胸が、当たる。しかし本当にうっすらとだが、脂肪が乗っていた。


「…………」


 俺は、2人に悪いと思いながら、うなずく。


 すまん。あとで謝る。謝りまくる。


 罵倒の言葉は受け入れよう。


 今は先輩を、放っておけないのだ。



    ☆



 翌朝。


 俺は先輩とともに孤児院へと戻ってきた。


 朝帰りの俺をコレットとアムが出迎える。

 

 俺は昨日あったことを正直に話した。


「すまん」


 コレットたちの部屋にて、俺は腰を折って深く頭を下げた。


「いやジロー。キミが謝るな。コレット、アム、説明させてくれ」


 先輩が自分の事情をかいつまんで、ふたりに話す。


 自分が転生者であり、かつては俺と恋人だったこと。


 昨日は人恋しくなり、俺に抱かれたこと。


「本当にすまない、完全に私の過失だ。ジローは悪くないんだ。私が人恋しさに負けたのがいけないんだ」


 女に謝罪させているのが、たまらなかった。


 俺は先輩の細い肩を抱き寄せる。


「じ、ジロー?」


「すまん、先輩」


 ぐっ、と先輩を下がらせて、俺はコレットとアムに言う。


「すまん、ふたりとも。聞いてくれ」


「…………なに、ジロくん?」


 俺は目を閉じて、意を決して、言う。


「俺は先輩、ピクシーとまたヨリを戻したいと思っている」


 つまり、


「ピクシーとも付き合わさせてくれ。頼む」


 困惑する嫁と恋人に、頭を下げて頼む。


「じ、ジローっ? キミは一体なにをばかなこといってるんだっ!」


 うわずった声で先輩が言う。


「私は一晩限りの関係でいいと、キミたちの邪魔をするつもりは一切ないといったじゃないかっ!」


 それはそうだ。


 けど……俺は、そんな中途半端なことはできなかった。


 俺は弱い。


 先輩といると心が安らぐ。


 かつて地球にいた頃の、あの安らぎを、あの酒場の席では確かに感じていたのだ。


 意志の弱い俺は、きっとまた先輩を抱きたくなる。


 隠れてこそこそ何度も抱くくらいなら、こうして先輩に交際を申し込んで、恋人関係になりたい。


 どうどうと、加奈子を抱きたい。


 複数の女を抱くなど、地球では非難の対象でしかなかった。


 だがここでは、異世界では違う。


 重婚が認められているのだ。


 ここならば、先輩をどうどうとめとることができる。


 先輩に気を遣わせて、ふたりに弁解などしなくていい。


 俺が望んだと。


 俺が3人目の女が欲しくなったから抱いたと。


 そうふたりに、告げた。


「違うよジロ-。私が……」


 遮るように、俺は「すまん。俺は元カノとヨリを戻したいんだ。許してくれ」


 とコレットとアムにふたたび頭を下げた。

「ジロ」「ジロくん」


 ふたりが俺に声をかける。


「少し……3人でお話ししても、いい?」


 コレットが俺とそして先輩を見て言う。


「ああ」


 と言って俺はうなずく。先輩も同様。


 俺は一旦部屋の外に出て、時間が過ぎるのを待つ。


 ややあって扉が開いた。


 そこにはコレットとアム、その間に先輩がいた


「ジロくん」


 コレットが代表するように、一歩前に出る。


「ジロくん。……。…………。………………わかりました。認めます」


 コレットが複雑そうな表情でうなったあと、観念したようにそういう。


「いいのか?」


「ええ。事情はわかりました。ピクシーさん」


「ピクシーで良いよ、コレット」


「では……ピクシー」


 先輩とコレットとの間に、険悪なムードはなかった。


 アムも「やれやれ」と呆れてはいるものの、そこまで嫌な顔ではない。


「あなたが辛い500年間を送っていたのを、聞きました。孤独のなかでジロくんに安らぎを見いだしていたんですね」


「……そうだよ。昨日はそれが爆発してしまった。だから私が彼を誘った」


 俺を指さして先輩が言う。


「あなたの気持ちは、理解できます。わたしも……孤独を抱いてましたから」


 コレットはハーフエルフという身分を偽って生きていた。


 俺の村にいたとき、ずっとそうだった。


「孤独でした。そんななか、ジロ君は違いました」


 にこり、とコレットが微笑む。


「ジロくんはハーフエルフじゃなくてわたしが好きだと言ってくれました。孤独を抱いていたわたしに、ジロくんが光りを灯してくれたの。……だから、ピクシー。あなたがジロくんに惹かれてしまう気持ちは、よく理解できます」


 コレットがピクシーの手を掴む。


「だから……ジロくんのそばに、これからも一緒にいましょう」


 承諾の意を、コレットが示していた。


 アムとの総意であるらしく、彼女も近づいてきて、先輩の手を取る。


「いいのか? 私を、受け入れてくれるのかい?」


「ええ♡」


 先輩はぐっ……と目元をぬぐうと、「ありがとう、コレット、アム」と晴れやかな表情を浮かべた。


 先輩が俺を見やる。


「ジロー」


 先輩が俺に近づいて、俺の前で立ち止まる。


「いいのか? ほんとうに、私を……

いいのかい?」


 普段大人の余裕を感じさせる先輩。


 その彼女が、今は恋に悩む乙女のごとく、儚げで、そして美しかった。


「ああ」


 俺は先輩の細く小さな体を抱き寄せる。


「よろしく、先輩」


 加奈子、とは言わない。それはふたりきりのときだからな。


 ただ……敬語は控えよう。


「……嬉しいよ、ジロ-。ありがとう、みんな」



 こうして。


 俺の嫁に、またひとり、女の子が加わったのだった。



    ☆



 翌朝。明け方のこと。


「なあ加奈子」


「なんだ、ジロー?」


 4人で同じベッドに眠っている。


 アムとコレットは疲れて眠っている中、俺は先輩と話す。


「どうして加奈子は、俺を前世で振ったんだ?」


 先輩に俺を想う気持ちがあったことを知った。


 ただそうなると、前世で振られた理由がわからない。


「ああ、簡単だよ。毎回北海道までキミに来てもらっていたことが、申し訳なかったんだよ」


 俺と先輩は、遠距離恋愛になってしまっていた。


 そのまま疎遠にならないよう、頑張って毎回北海道へ足を運んでいた。


 それを先輩は申し訳ないとおもっていた、というわけか。


「優しさが辛いってそういうことか」


「そう。きみってバカがつくほどお人好しだからさ。私がやめてっていっても、どうせずっと北海道まできてくれていただろ?」


 何を当たり前のことを言っているのだろうか。


 俺のその気持ちを汲んだのか、先輩が苦笑する。


「あの遠距離恋愛は、確実にいつか破綻していた。破綻する前に別れを告げたというわけさ」


「そうだったんだな」


 先輩がうなずいて「でも……」と続ける。


「あのときと今は違う。今度は、キミをもう絶対に離さない」


 子どものように小さな体で、先輩が言う。


「キミの体は、もう私の物だ。そして私の体は、もうキミの物。この先、ぜったいに離さないでくれよ。だんなさま♡」


 ちゅっ♡ と額にキスをされた。


「ジロくーん♡」「ジロ……」


 気配を感じて背後を見やる。


 にこやかな表情のコレットと、不機嫌そうなアムがいる。


「ピクシー。協定を忘れたの? 抜け駆けは禁止」


「わかってるって。ただちょっとくらいいいじゃないか」


「よくないですっ。もうっ! ジロくんのバカッ! 意志薄弱のすけべっ! でもそんなとこだいすきっ! ふんだっ!」


 コレットは立ちあがって、俺の体にのしかかってくる。


「あ、アタシもっ……!」


 と言ってアムが俺の体に抱きつく。


「大人気だね。では私も」


 3人の美少女に抱きつかれながら、俺は思う。


 思えば遠くに来たものだと。


 あこがれの先生と再会して、


 孤児院で可愛い恋人ができ、


 かつての恋人とヨリを戻した。


 冒険者だった頃は、こうなるとは一切想像してなかった。


 あのとき。


 コレットと森で再会してなかったら。


 森を通らずにいたら、俺は一体、どんな人生を送っていただろう?


 ただ、ひとつ言えることは、こんなにも幸せな状態になることはなかっただろうなということ。


 嫁がいて、可愛い子供たちと楽しく過ごすことは、できなかっただろうと。


 だから本当、あのとき、森の中でコレットと再び出会えて、良かったと。


 俺の心と先生の教えに従って、コレットを助けて良かったと。


 心から、俺はそう思ったのだった。



お疲れ様です!


これにて4章終了となります!お疲れ様でした!


水道を作る描写より、先輩加入と、あと水洗トイレを作ったあとの描写に力を入れてみました。


水道は水洗トイレとほぼ原理が一緒でしたので、それを作る作業は19話と同じだったので最低限にしました。


上水道を作ったあとのリアクションは21話で。21話は18話と同じで孤児院で働く話になるかなと。そのなかで便利になったことを描写しようと思います。


さて次回5章ですが、次はほかの孤児院を出してこうと思ってます。


本編でちょいちょい触れて来た、コレットが手伝いにいっているという孤児院。


そこも人間じゃない種族の集まりでして、そこの孤児院のひとたちが5章で出て来る感じになるかなと思います。


コンちゃんの過去は……様子見つつ挿入します。


5章の内容はこんな感じです。また新しい女の子たちが出ますので、お楽しみに!


最後になりましたが、4章までお付き合いくださり、ありがとうございます。


連載も投稿してから3週間が経過して、たくさんの人がよんでくれる連載にまで成長できました。


感想での応援やご指摘、そしてポイントでのご支援によって、ここまで大きくなることができました。


皆様のおかげです。ほんとに感謝しています。


皆様から受けた恩を忘れずに、これからも全力で書いていきます!


以上です!

よろしければ今日も下の評価ボタンを押していただけると嬉しいです!


ではまた!

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― 新着の感想 ―
この1話で先輩の好感度を下げるだけ下げて、そして結婚Σ(゜д゜;) いや無理だよ(´∀`*)ケラケラ
裏側にからコンが出てくる冷蔵庫。 座ったままレバーを捻る様式便器。 タンクがあるのに後ろに転げ落ちそうになれる様式便器。 だめだ!この家の家具の配置がデタラメすぎて分からん(´;ω;`) 家具の置…
[一言] 主人公がクズすぎるな
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