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【完結】善人のおっさん、冒険者を引退して孤児院の先生になる 〜 エルフの嫁と獣人幼女たちと楽しく暮らしてます  作者: 茨木野


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15/189

15.善人、3人で話し合い、ふたりめの嫁を得る

お世話になっております!




 猫獣人のアムが家出し、魔法で改造した車で彼女を追いかけ、家に帰ってきた。


 その10分後。


 俺とコレットの部屋である物置小屋には、家主ふたりに加えて、アムもいた。


 彼女たちは俺の出したイスに座っている


 俺の正面には、ふたりの美少女が腰を下ろしている。


 ひとりはハーフエルフの金髪美女、コレット。


 そして彼女の右隣には、くせのある短い赤髪がキュートな猫娘、アムがいる。


 どちらも同じくらいの美少女だ。


 コレットはその豊かな尻と胸が男の目を引く。


 服の上からでもはっきりとわかる膨らみ、処女雪のように美しい肌。


 儚さの中に隠しきれない肉感的なエロスを感じさせる、そんな美少女。


 一方でアムは体つきは未成熟だが、つり目ガチなぱっちりと大きな瞳、びっくりするくらい小さな顔。


 整った顔のパーツだけでなく、体つきはきゅっと引き締まっていて、無駄な肉が一切ついてない。


 にもかかわらず、胸や尻はぷりっとしていて、実に柔らかそうだ。


 赤色の猫耳とシッポは、ぺちょんと垂れ下がている。


 アムは肩をすぼめて、まるで死刑宣告を聞く受刑者のようにしていた。


「…………」


 俺はどうしてこうなっているかを思い返す。


 アムを回収して孤児院へ戻ってきた後。


 彼女を心配して集まってきた年少組を、先輩であるピクシーに任せ、俺はコレットに軽く事情を説明。


 コレットはしばし沈思黙考したあと、アムの手を引いて、こうして俺たちの部屋に来た。


 アムはコレットの目を見ながら、自分の胸の内を打ち明けた。


 俺に好意を抱いており、さきほど俺に告白したことを、改めて自分の口から話したのだ。


 コレットはアムの言葉に、じっと耳を傾けていた。


 アムは話している途中で恥ずかしくなったのか、声のトーンが徐々に落ちていき、最終的には下を向いて黙ってしまった。


 アムが事情を説明し、それをコレットが把握。話しはそこから始まる。


「……ごめんね、コレット」


 長い沈黙を破り、口火を切ったのはアムだった。


「ごめん? アム、どうしてあなたが謝るの?」


 コレットはアムの手に自分の手を重ね、猫娘の金色の目をのぞき込む。


 アムの、普段気が強そうにつり上がっている目は、今は悲しそうに垂れ下がっていた。


「だって……だって……コレットはジロの奥さんなんでしょ? それを知らなくて……なのに……ジロのこと好きになって……告白までして……ごめんね……」


 どうやらアムはコレットに対して負い目を感じているようだった。


「アム……」


 眉を八の字にして、コレットの笑顔が悲しそうに歪む。


 アムはコレットから目をそらして、早口で言う。


「あたし、あきらめるよ。コレットはジロと幸せに暮らして」


「……アム」


「それにほら、あたしもう15じゃん。いい年だもん、でてくよ。もうひとりで生きてかないといけないとしだもんね。ちょうど良かったわ。最後に好きな人に好きって言えて、うん。良い経験になったわ。だから」


「アム」


 アムの長いセリフを遮るように、コレットが彼女の頭を抱く。


「ごめんなさい、アム」


 コレットはアムのくせっ毛を撫でながら謝る。


「コレット……?」


 アムはエルフ少女が何を謝っているのかわからず、目を白黒とさせていた。


「あなたの気持ちに気づけなくて、ごめんね。辛かったわね。苦しかったね。気づいてやれなくて……ごめんなさい」


 好きだと思っていた人に、恋人通り越してすでに婚約者がいたら、それはとてもツラい思いをしただろう。


「うん……辛かった。辛くて苦しくて、でもどうにもできないから……飛び出しちゃった」


 アムが先ほどの家出に込められていた思いを、心の中を明かす。


「コレット……心配かけてごめんね」


「ううん、アム。わたしこそあなたの思いに気づけなくてごめんなさい」


 きゅっ、と抱き合う少女たち。


「コレット、あたしのこと、許しくてくれるの? 友達を裏切ったあたしのことを?」


「許すも何も、最初からあなたはわたしの大切なお友達よ。それに裏切ってなんかないわ。たまたま好きな人に奥さんがいたってだけよ。それでその奥さんがわたしだった。それだけ」


「コレットぉ……」


 ぐすぐす、とアムが鼻を鳴らす。


「あたしね……すごく怖かったの。ジロに拒否されるかもってことももちろんだけど、コレットに、友達に嫌われるかもってことも、すごく……怖かったの……」


 コレットはアムの目に手を伸ばす。


 大きな金の目に浮かぶ涙を、指でぬぐってやる。


「嫌いになんてなるわけないわ。だってあなたはわたしの大切なお友達だもの」


「コレットぉ……ぐすっ、これっとぉ……」


 わんわんと泣く猫娘の頭を、コレットがよしよしと撫でる。


 それは仲の良い姉妹にも見えたし、親子にも見えた。


 どうやらコレットとアムに遺恨はなくなった、というかそもそもなかったらしいことが判明した。


「さてジロくん」


 コレットがアムを、その豊かな胸に抱きながら、俺を見て言う。


「あなたはどうするの?」


 しばし傍観者であった俺に、コレットが問うてくる。


 どうするのとは、アムの告白をどうするのか、ということだろう。


 アムも俺の答えが気になるのか、コレットに抱かれながら、俺に目を向けてくる。


「…………」


 正直アムは俺たちの娘だと思っていた。

 

 年端のゆかない子どもだと、恋愛対象として見ていなかった。


 だが改めて気持ちを伝えられた。気持ちを知ってしまった。


 好きだと言われ、好きかと問われている。

 ここでどうするのが最良なのだろう。


 どうしてやるのが大人として、男として、正しいことなのか。


 ……たぶん、気持ちを飾らずに伝えるべきだろう。


 たとえ傷つくことになってもだ。


「アム。正直に言うと、俺はおまえのことを、よくできた娘だと思っていたし、申し訳ないが今現在もその気持ちは変わらない。おまえを異性とは、現状見れてない。だからおまえの好意に誠実に応じることができない。すまん」


 すっ……と俺は頭を下げる。


 アムの好意は素直に嬉しい。だがここではい喜んでと受け入れるのは誠実じゃない。

 だって俺は、アムを知ってはいるけど、それは子どもとしてのアムでしかなく、女としての彼女のことは、何も知らないのだから。


 アムはさみしそうに、けれど、淡くわらった。


「うん、知ってる。そうよね、さっきあんたそう言ってたもん。ジロは大人で、あたしは子ども。女っていうふうに、見られてないって。……うん、しょうがないよね」


 声のトーンは低い。今にも泣き出してしまいそうだ。


「アム。でも勘違いするな。俺は別に嫌いって言ってるわけじゃない」


 一拍おいて、続ける。


「どうしていいか、わからないって思ってるだけだ。困惑しているだけだ。拒絶してるわけじゃない」


 俺の言葉に、アムが「えっ……」と顔を上げて、俺を見やる。


「うそ……好きじゃないから、遠回しにそう言ってるだけかと……」


「違うぞ。言葉通りの意味だ。今は好きじゃない。それは単に好きでない状態であるだけであって、嫌いってわけじゃない」


 俺は立ち上がり、そしてアムのそばによると、彼女のくせっ毛に頭を乗せる。


「アム、俺と付き合ってくれ」


「っっ!!!」


 アムの顔が、真っ赤になる。猫耳とシッポがピンとたち、ぷるぷると震えていた。


「俺はおまえのことをもっと知りたい。お互いを知るために付き合おう。それでおまえが俺に失望するか、俺がやっぱりおまえを女として見られなかったら、そのときは別れて別々の道を歩こう」


 俺はしゃがみ込んで、アムに目線を合わせる。コレットは俺たちを見て微笑んでいた。


「それまでは、少しの間、一緒に、俺のとなりを歩いてくれるか?」


 これがベストな回答とは思わない。思ってない。


 けどアムからの誠実な好意に対して、何も知らない状態で拒絶するのは、不誠実だと思った。


 なら彼女と特別な関係を結んでみて、恋人として彼女と同じ時を過ごしてみて、女の子ではなく女としての彼女のことを知って、


 それから返事をした方がいいと、俺は思ったのだ。


「ウソ……いいの? ほんとに……いいの?」


 童女のようにアムが俺に尋ねる。


「あたしのこと……好きじゃないのに、付き合ってくれるの……?」


 アムが俺と、そしてコレットを見て言う


「もうしわけないよ、ジロにも、それに、コレットにも……。あたしだけが好きってだけなのに……」


「…………」「…………」


 コレットと目が合う。彼女は微笑んで、こくりとうなずいた。


「そんなもん気にすんな」

「そうよ、気にしないで」


 よしよし、と俺とコレットが、アムの頭を撫でる。


 その図は、端から見れば、今までと同じ、親と子の姿であったろう。


 だが今日からは違う。


 コレットは俺の奥さんで、アムは俺の恋人となる。


「…………」


 アムはじわりと目に涙を浮かべて、小さく「ありがと」とつぶやいた。


 そしてもじもじとしだす。


 ちらちらと俺のことを、上目遣いで見てくる。


 俺はアムの意図を汲んで、彼女の小さな顔を持ちあげた。


 アムは恥ずかしそうに、しかし目を閉じて、「んっ…………」っと唇を自分からつきだしてくる。


 俺はコレットをちらりと見やる。彼女はどうぞとばかりにうなずいた。


 俺はアムの小さな唇に自分のものを重ねる。


 アムは自分から俺の首に腕を回し、唇を押しつけてくる。


 南国の果実のような、甘いにおいを鼻腔に感じながら、俺は少女のキスに応えた。


 こうして、俺はエルフの奥さんの他に、猫獣人の少女を恋人に迎え入れたのだった。



    ☆



 翌朝目覚めると、甘くていいにおいが、両隣から、至近距離からただよってきた。


「すぅ……すぅ……」


「んっ………………」


 右隣には豊かな胸の美しいエルフ少女。


 左隣には、未成熟な体つきのかわいらしい猫獣人の少女。


 ふたりともが俺の出した男物の寝間着を来て、安らかな寝息を立てていた。3人お揃いのパジャマだ。


「んっ…………。くぅー…………」


 アムは俺の左腕を枕にして、うつぶせに眠っている。


 アムのシッポが俺の腹の上に乗っており、それがときおりぺしっ……ぺしっ……と俺の腹を軽く叩く。


 まるで眠りながら、シッポで俺の存在を確かめているようであった。


「ん…………。んぅ…………」


 右隣にはコレットが、俺の胴体を枕にして抱きついて眠っている。


 彼女が呼吸するたび、その大きくて柔らかな胸が体に押し付けられて、実に気持ちが良い。


 ふたりの美少女が、俺と同じ柄のパジャマを着て、川の字に眠っている。


 前世ではふたりの女をめとることは、法律上無理だった。


 だがここ異世界でそのルールは適用されていない。


 だからこうして、ふたりの美少女と特別な関係を結べるのだ。


 異世界での生活は、日本のそれと比べてあまりに不便で不自由が多い。


 けどこうして、美しい少女を複数自分のものにできるという意味においては、異世界は日本に勝っていると思う。


「んー…………」


 俺が目覚めてから少しして、アムが目を覚ます。


「おはよう」


「んー…………。あー…………♡」


 寝ぼけた眼でアムが俺を見やる。


 アムはよいしょっ、とあおむけに眠る俺の体の上に乗っかってくる。


 そして正面から俺のことを、ぎゅーっと抱きしめてきた。


「じろー……♡ すきぃー……♡」


 すりすり、とアムが目を細めて、俺の胸板に頬ずりしてくる。


 パジャマ越しに彼女の胸の感触が伝わってくる。寝起きにこれはまずい。


「じー」


 アムに抱きつかれていると、今度は隣から気配を感じる。


 コレットが俺の胴体に巻き付きながら、俺を見上げていた。


「おはよ、ジロくん♡」


 ぐりぐり、とコレットも俺にだきついてきた。す、すさまじい……。


「やっぱり若い子のほうがお好みなのかしら♡」


 にこにこにこーっと良い笑顔のコレット。


「じろー……♡ ぎゅってしてー……♡」


 寝ぼけ眼の猫娘が、俺におねだりしてくる。いかんってこれは。


「そんなことないって。コレットは十分若いし、コレットは俺の奥さんで特別な存在だってば」


「ふぅんだ。どーせ人間換算で18ですよ。もう年増ですよ。15歳のかわいい猫ちゃんには勝てませんよーだ」


 どうやらちょっと拗ねてるみたいだ。


 昨日順番を2番目にされたことを、ちょっと根に持っているらしい。


 いやお先にどうぞって言ってなかった、きみ?


「わたしなんて無駄にお肉がついてるだけの女ですもの。ひきしまって健康的なからだのアムにはかなわないわ」


「そんなことないって。おまえも十分、いや十二分に魅力的だってば。むしろ俺は大きい方が好きだ」


 俺がそう言った、そのときだった。


「えっ……………………………………」


 アムが完全に覚醒したらしい。なんというタイミングだ。


「そう、なんだ……」


 ずーん、とアムが落ち込む。


「やっぱり大きい方がいいのね、あんた……」


「あ、いやいや小さいのも」「へー」「ああもう、どっちも好きだってば」


 俺は左手でアムの頭を、そして右手でコレットの頭をさわり、そして抱き寄せる。


 アムが気持ちよさそうに目を細めると、すんすんと俺のにおいをかぐ。


 コレットは「むぅ……」とほおを膨らませたけど、最終的に「しょうがないなぁ♡」と許してくれた。


 やれやれ。


 しかしコレットって結構、子どもっぽいところあるよな。ヤキモチ焼いてな。かわいいもんだ。


 大人の女性だと思っていたんだがな。


 よしよしとコレットたちの頭を撫でていたそのときだった。


 ばーんっ!!


 と出入り口のドアが開いたではないか。


 アムが「!!」光の速さで俺からどく。


「朝でやがるーっですっ!」


「きぼーのあさてきな、あれがきたー」


「ま、ままっ。おはよーなのですっ」


 やってきたのは獣人年少組だった。


 3人は一斉にこっちにやってくると、キャニスとコンが俺に、そしてラビがコレットに抱きつく。


「もー仲直りしやがったのです?」


 キャニスが無邪気に、俺とアムを見ながら聞いてくる。


 どうやら昨日のアムの行動は、俺と彼女とがケンカしたものだと、キャニス以下年少組は思っていたらしい。


「もーなぐりあったか、かわらとかで?」


 コンがいつもの平坦な口調で聞いてくる。


「殴り合ってないよ」


「ではこーらくえんで、あくしゅ?」


「それもしてない。でも仲直りはしたよ」


 俺の言葉に、キャニスとコンが首をかしげる。


「ンじゃどーやって仲直りしやがったです? ケンカもあくしゅもせずに?」


「げんなま、げんなまなのか?」


 仲直りの方法を聞いてくる。


 アムは顔を真っ赤にして、もじもじとした。


「まあ色々あるんだよ、大人の仲直りの仕方には」


「んだよー、秘密とかけちくせーですー。ねーちゃんおしえろやーです」


 キャニスがアムにしがみついて、ねえねえと聞いてくる。


 アムは顔を真っ赤にし、耳をぴくぴくと羽ばたかせながら、「な、ないしょ」とだけ答えた。


「しーくれっとめいくす、うーまんうーまんてきな?」


「なにそれ?」


「きぎょーひみつ、ねたばれえぬじーゆえ」


 ふふふのふ、とコンが意味深に笑う。


 一方でラビがほっとしたように、安堵の吐息を漏らす。


「良かったですアムねーさんとにーさんがなかなおりして」


 コレットに頭をよしよしされながら、ラビが安堵の表情を浮かべていた。


「アンタたち…………。ごめんね、心配かけちゃって」


 アムが謝ると、


「まー、ケンカしたいときもあらーなーです」


「そうなのですよ。らびたちもしょっちゅうケンカしてるのです。でもさいごにはなかよしでおわるのですっ」


「さんじとぞろてきなあれよ、じつはなかいいあれ」


 ねー、と年少組がうんうんと共感している。


「で、おにーちゃんとおねーちゃん、結局どっちがわるかったんです?」


「さんぞろ? ぞろさん?」


 子どもたちが純粋な目で聞いてくるので、答えに困る。


「俺だよ」


 と俺はコンを抱き上げて、よしよしとふわふわの髪の毛を撫でる。


「アムは悪くない。俺がアムを怒らせたんだ」


「ほー、げきりんにふれたてきな?」


「まあそういうことだ」


 俺が撫でるとコンは気持ちよさそうに目を細めて、ふわふわのしっぽをくねらせる。


「ジロ……」


 アムが申し訳なさそうに眉をひそめる。


「別にアンタは」


「いや、俺が悪いって。な」


「ジロ……」


 アムを娘と決めつけて、彼女の好意にまったく気づかなかったのだ。


 どう見ても俺に非があった。


「なんだおにーちゃんがわりーのかーです」


「しゅじんこーがはんにんとか、じょじゅつとりっくやん」


「で、でもでも仲直りしたのですよねっ。ならなら、いいと思うのですっ!」


 ラビの言葉にキャニスとコンがうなずく。


「そうだなー、昔のことをいつまでもごちゃごちゃゆーのはかっちょわりーです」


「おわったことは、しまながし」「水な」「そうともゆー、はやみゆー」


 きゃっきゃ、と年少組が楽しそうに笑う。

 するとまた来客があった。


「なんだ、ちゃんと仲直りできたみたいだね」


「先輩」


 子どもかと見まがう少女、大賢者ピクシーがそこにいた。


 寝癖がついてメガネがズレていたが。


 先輩は俺たちに近づいて、ベッドに乗ってる俺と、コレットと、アムを見て、意味深ににやりと笑う。


「なんすか?」


「いやべつに。ただ昨日の今日でってさ。まあいいや」


 やれやれ、と首を振るう先輩。


「それよりキャニス、コン、ラビ、ここへは何しに来たんだっけ?」


 先輩が年少組に言う。


 獣人たちはぴーんっとシッポを立たせると、


「そーだおねーちゃんっ! はらへりやがったですー!」


「あいむはんぐりー、じょーかー」


「あうあう……おなかすいたのです……」


 ぐーっと大きな腹の虫を立てる子どもたち。


 コレットは苦笑して、「ごめんね、すぐに用意するわ」


 そう言って立ちあがろうとする。


 ひとりで飯の支度をしようとする彼女に、俺は立ちあがって言う。


「俺も手伝うよ」


 そう、昔と違って、今は俺もいる。


 それに……。


「あたしも当然手伝うからね」


 にこやかに笑ってアムが言う。


 コレットは俺とアム、そして子どもたちを見て、最高の笑みを浮かべた。


「それじゃ……みんな。ちょっと待っててねっ!」


「「「はーい!」」」



 今日も孤児院の1日が始まろうとしてる。

 コレットは飯を作り、俺とアムがそれを手伝う。


 昨日までとまったく同じ光景。


 ただ昨日までと違うのは、俺たち三人の間に、昨日よりも強固で、そして特別な関係の糸で結ばれたと言うこと。


 そんなふうに日常は、昨日とまったく同じように見えて、しかし翌日には新しい変化をもたらして、


 そうやって続いていくのだ。


 この先ずっと、ずっと。




 



お疲れ様です!これにて3章終了となります!


三章ではアムが恋人になったり大賢者が居候になったりと人間関係の変化を描きたかったので、書きました。


ただそのせいで複製スキルの活躍とか、あとは子供達や嫁との日常(日本のものに驚くとか)が少なくなってしまったかなと反省してます。


4章ではもうすこし孤児院の中のことに焦点を当ててきたいです。あと車やら便利グッズを作りすぎたので、さすがにクゥが黙ってない(金の匂いをかぎとってくる)と思いますので、その辺も触れようかなと。


あと天竜さまが出せなくてすみません。4章で出せる……といいなぁ。


マチルダの再登場とか、コレットとの間に子供ができるとか、書きたいことがたくさんありすぎて、予定通りいかないことが今後もあるかと思います。


なるべく予定通り進ませるつもりですが、いかなかったときはすみません。ただ口に出したことは時間がかかっても実行してこうと思います。天竜さま出すから絶対!


以上です。最後にお礼を。


5月頭に始めたこの連載も、気づけば2週間が経過してました。


皆様のおかげで日刊ランキングの上位に乗れたし、週間ランキングでも2位なることができました。


ここまでこれたのは、本当に皆さまの応援とご支援があったからだと思ってます。


本当の本当にありがとうございます!


至らない部分が多い作品と作者ではありますが、読者の皆さまから受けた恩にしっかりと報いていけるよう、これからも日々努力していくつもりです。


これからもこの作品、そして未熟な作者のことを、どうぞよろしくお願いいたします。


最後になりますが、よろしければ下の評価ボタンを押してくださると、とても励みになります。


以上です!

ではまた!

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― 新着の感想 ―
コンは転生の異世界人? >「そうともゆー、はやみゆー」 って、今の若い子にゃ、分からんよね。
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