好感度アップをめざしましょう。
「ありがとうございました。」
無事僕たちは職員室にノートを届け終わり、彼女に礼をいわれた。
「いや、別にたいした事じゃいし・・・それにいろんな話を聞けて楽しかったよ。」
「でも・・・やっぱり何かお礼がしたいです。そうだ、駅前のケーキ屋にいきませんか。おごりますので。」
その気持ちはありがたいがやっぱり残りHPを考えると気が進まない。
そのとき、またもや選択肢が現れた。
1、「わかった。じゃあ、いこうか。」と素直に答える。
2、「そんな、おごりなんて悪いよ。」と断る。
3、「今日用事あるからごめん!明日でいいかな?」と嘘をついて明日にする。
4、「おごる代わりに僕と友達になってくれないかな。」と別の提案をする。
1はHPの事さえなければ一番いい選択肢だ。
2はこれでもいいのでは、と思う人がいるかもしれないが実際は駄目。相手に、手伝ってもらったのになにも返せなかったと罪悪感が残るだけだ。
3は嘘をつきはするが、嘘も方便。この問題も僕のHP問題も解決するすばらしい方法だ。
でも僕はそれのどれも選ばない。僕が選ぶのはもう決まっていた。
「おごる代わりに僕と友達になってくれないかな。今日君と話していてとても楽しかったから。」
そう4番だ。僕は彼女ともっと話したい。単純にそう思ったのだ。
「わ、分かりました。友達になりましょう。」
彼女は照れくさそうにもじもじしながら答えた。
「でもやっぱりおごらせてください。今日は私にとっての友達記念日ですから。」
「お前の記念日ならおごるのは僕じゃないの?」
「細かい事はどうでもいいんです。」
彼女は少し怒ったように先に行った。だが彼女の顔に笑みが見えたのは気のせいだろうか。