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現実ゲーム  作者: フリー88
出会い編
7/43

神春憂菜ルートを攻略しますか。

 放課後となった。

 HPはもはや限界ぎりぎりといった値だがなんとか学校は乗り切れた。なんとかして今日これ以上バトルに遭遇したくはないがいつ起こるかわからないのがバトルである。おかげでさっきから緊張しまくりだ。


「すまんが神春、このノートを職員室までもってきてくれないか?」

「はい、わかりました。」


 そそくさと帰って安静にしておこうと思っていた僕だったが教室を出ようとしたときにふとそんな声が聞こえてきてしまった。僕の良心としては手伝わなければ気が済まないのだが今日はあきらめて帰ろうか。そんな事を考えているときだった。


 またまた画面が切り替わる。


1、「重そうだね。半分持とうか。」と軽く彼女に言う。

2、「誰も持ってくれないとか友達いないの?」とちょっかいをかける。

3、「僕を倒すまでここは通させないよ。」とかっこよくいう。


 久しぶりの選択肢がきた。

 1はおいておくとして、2はちょっかいというよりは、いじめだ。3はもはやどこがかっこいいのかすら分からない。僕に言わせりゃただの痛い子だ。

 そしてもう一つ。何もせず帰るという選択肢がなぜないのだろう。このゲームくんはとことん僕をいじめたいらしい。


 しょうがない。これしか、もうないではないか。

「重そうだね。半分持とうか?」

「え、はい。ありがとうございます。」

あまり喋りなれていないせいか、それともいきなり話しかけられたのが意外だったのか、いつもおちついた感じの彼女が慌てていたがすぐにいつもの彼女へと戻った。


「いつも大変そうだね。」

沈黙というのも気まずかったのでこちらから笑って話しかけた。


「そんなことないですよ。誰かの役に立てるって嬉しいじゃないですか。」

その言葉は彼女の本心に違いなかった。正直僕は彼女がそういう役(委員長だったりおとなしめで真面目な性格なので任務を押し付けられる役)なので仕方なく雑用を引き受けているのだと思っていた。


「何か、意外だったって顔してますよ。でも大庭さんもそうじゃないのですか?ほら、今こうして手伝ってくれてるじゃないですか。」

まさか選択肢のせいとは言えない。


 それにしてもまた彼女の意外なところを発見できた。それは結構喋るということだ。さっき沈黙で気まずかったのが嘘に思えるぐらい。おかげで職員室に着くまで彼女は喋りっぱなしだった。

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