瀕死状態です。回復しますか。
「パ、パーだと!?」
その瞬間、僕の負けと人生の終了(?)が確定した。
「毎度あり。また焼きそばパン買いにきてね。」
結局、石動に頼まれていたメロンパンと自分用のあんぱんを買って石動と合流した。
「いや~おしかったな。まさかじゃんけんにまでなるとはなー。」
「・・・・・・」
「おーい、大丈夫か?」
「・・・・・・」
「メロンパン、サンキューな。まあ、また明日きてとればいいだろ?」
「明日じゃ意味がないんだよ。今日じゃないと。」
「なんだよそれ。あと10分以内に焼きそばパン食べないと死ぬ~とかか?」
「あながち、間違いじゃないかも。」
「まじか!冗談のつもりだったのに。で、どういうことだ?」
「え~っとね・・・」
僕はここまでの経緯(現実ゲームについて)を彼に説明した。
「なるほど、面白そうだなそれ。」
「人事みたいに。けっこう面倒だしつらいんだよ。それにHPがなくなったときになにが起きるか分かったもんじゃない。」
「例えば本当にお前の命がなくなるとかか?」
「ありえるかもね。」
「考えすぎじゃねえか?」
正直そうであってほしかった。いっそのことゲームオーバーでこのゲームをやめられるのならもっといいのだが。しかしこのなんとも奇妙なゲームでなんともないとは信じがたかった。
「ま、とりあえず、食べようぜ。どうする?屋上にでもいくか?」
「うん。」
場所は屋上、本来立ち入り禁止の場所なので周りにはだれもいない。どうして僕たちがここに入れているのかというと石動がどこで手に入れたのか屋上の鍵を持っているからだ。
「いや~やっぱうまいねえ、ここのメロンパン。メロンパンの中では一番だよ。」
たかが購買のパンが他のちゃんとしたパン屋に負けるのもどうかしているとは思うが、パンが大好きでこのあたりのパン屋については熟知しているこいつがいうのだから間違いないのだろう。
「そういえばクエストって俺とかが何かお前に頼みごとすれば発生するのか?」
「さあ?クエスト自体はじめてだがらよく分からない。」
「試してみようぜ。じゃあ~俺の肩をもんでくれ。」
「何も起きないよ。」
「じゃあ、I LOVE YOUといってくれ。」
「変態ですか?」
「それならハグしてくれ。」
「だから変態ですか?」
「じゃあ最後だ。キスしてくれ。」
「だーかーらー・・・って」
そうふざけあっていたときまた急に画面が切りかわった。
『クエスト発生!石動充とキスをせよ。クリア報酬:HPの全回復』
別にボーイズラブにするつもりはありません。