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現実ゲーム  作者: フリー88
出会い編
4/43

クエストをうけますか。はい。

 この日の午前の授業は危機以外のなにものでもなかった。特に数学の時間は問題を解くことが多いのでよけいにだ。


 ともあれ、無事に(多少のダメージはもちろんうけたが)昼休みへとたどり着いた。学校のマップを開いて購買に行くボタンを押す。


「大庭はこれから購買にいくのか?それならいっしょにいこうぜ。」

「ああ、うん。」

彼は僕の友達の石動允。インドア派の僕とは違いアウトドア派の彼とが友達となったのはちょっとしたわけがあるのだがこれについてはまたいずれ話そう。


 さて購買部についたがいつもどおりの込み具合だ。なかでも超人気の焼きそばパンはどんどん売れてゆく。


「あ、そうだ。お前あの焼きそばパン買ってきてくれないか。」

「でも、買えるかな?」

「もし買えなかったらメロンパン頼むわ。な、いいだろ?」


 そのとき、急に画面が切り替わった。


『クエスト発生!焼きそばパンを買え。クリア報酬:HPの全回復』


 クエストとはなんだとかいってる暇なんかない。これはやるしかない。なんとしてでもとってやらなくては。なんたって僕の人生がかかっているのだから。焼きそばパンを買うというどんなに困難なことにでも決して屈しなかった。


「わかった。いって必ず取ってくるよ。」

 拳を握り締めながら力強く答えた。

「どうしてそんなに燃えてるんだ?」

「それは僕の人生だからさ。」

「お、おう。」


 僕は人ごみの中へ向かって歩き出す。この際割り込みとかそんなのは関係ない。とりあえず目標は焼きそばパンのみだ!


 焼きそばパンが見える位置までくるともう残り5つだった。と思っている間にどんどん売れてゆく。4個、3個、2個。


 目の前に来ると残り1個だった。よし、きた。ぎりぎりではあったがこれはいけるぞ。そう思って焼きそばパンに手を伸ばした。

 あれ?もう一つ手がある、だと?見るとそれは同じクラスの高山明久の手だった。


「ふっふっふ。そうかお前もこれを求めていたというのか。ならば仕方がない。悪いがここは勝たせてもらおう。」

「僕だって譲らないよ。なんたって僕の人生だからね。」

「そうか、そうか、人生か。お前なかなかいいことをいうではないか。いいだろう。この勝負受けてたとう。」


この購買にはいくつかのしきたりが存在する。その一つが最後の一つのパンを同時に手にしたときについてだ。そのときは二人は勝負をして決着をつけなければならない。その勝負とはなにか。なんとも単純じゃんけんだ。


「それではいこうか。じゃーんけん…」

 この勝負を大勢の観客が勝負のゆくえを見守っている。中には高山を応援する声も聞こえる。それもそのはずかもしれない。高山は購買においてじゃんけんの神と評される人物でじゃんけんになったときなぜか全勝だという。

 だが、そんな記録もこの僕が打ち破ってやろう。気合の入った僕はそのことができる気がしてしょうがなかった。


『ほい』


その言葉と同時に僕たちは手を出す。

僕の手はグー。じゃあ、相手の手は?



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