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現実ゲーム  作者: フリー88
出会い編
2/43

説明書をお読みください

 『ゲームを起動しています。しばらくおまちください。』

 僕の目の前にはその文字が浮かんでいた。何かのゲーム機の画面に表示されているわけでもなく、それは文字通り浮かんでいるだった。


 何が起こっているのか検討もつかないまましばらく唖然としていると、先ほどの画面は消え、今度は

『新しいデーターを作っています。』

と現れ、数秒後にはこの家のマップと『どこにいきますか?』の文字。

 左側にあるメニューボタンを押すとプレイ時間や僕の名前が見られるようになっていた。(このときの僕にはどうしてこのゲームが僕の名前を知っていたのかということにさえ、このゲームが一体何なのかで頭がいっぱいになり気づかなかった。)


 ためしにマップでリビングを押す。もしかしたらリビングにワープできるのかと思ったがいっこうに何も起こらない。じゃあ、これに逆らってトイレに行ってやろう。そう思ってリビングに向かう階段とは逆方向の左側に行こうとしたときだった。

『目的地方向と違います。行き先を変更しますか?』

 画面はマップの画面からこのメッセージの画面に切り替わり、トイレに進もうとする足も不思議と進まなくなった。

 なるほど。設定した場所と違う場所に行こうとすると無理やりにでも目的地に行かせるのか。そしてそれから導き出された結論はめんどくさいだけだということだ。

 

 そのほかの機能についてもいくつかは試してみる事で少しは理解できた。といっても分かったのは今から説明する2つのことだけだが・・・。


 まずはじめに、ときどきギャルゲーのように選択肢が発生することだ。

 例えば行儀の悪い妹に対して何か言おうと思ったときに

1「女の子なんだからちゃんとしろ」と叱る。

2ほっておく。

3「そんなんだったら嫁にいけないぞ。」と軽く注意する。

とかだ。ちなみに今日3と答えたら「お兄ちゃんがもらってくれるからいいもん。」というブラコン発言がかえってきた。


 そしてもう一つ特殊なことといえばいろんなところでバトルが始まることだ。これだけではわかりにくいかもしれないが例えば宿題を例に出そう。


 数学の問題1問につき30秒。それをクリアできなかったら1問につきHPが減っていく。ただしクリアできたならそれに応じて経験値が手に入りレベルがあがっていく。つまり結構楽しい制度だ。

 もっともレベルが上がったからといって何かご褒美があるわけでもないし、HPがなくなるとどうなるのか(僕の頭を考慮すれば時間の問題である)が恐ろしかったりするが…。


 さて、この機能についての考察は以上とするが、大事な事は何も分かっていない。どうしたらこのゲームをやめられるのかという事などだ。画面のどこを探してもそれらしきものは見当たらなかった。

 ということでまだまだ調べるべき事はたくさんある。今日はまた夜更かしになりそうだ。

 

 

 

 

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