過酷な選択肢はやめてください。
僕は約束どおり神春と一緒に帰っていた。彼女の昨日と同様弾丸トークを浴びせられ5分ほどたったときだろうか。まさか彼女のあの一言であんなことがおきるとは思ってもいなかった。
「そういえば今週の日曜日はお暇ですか?もし暇ならいっしょに遊園地にいきませんか。親戚から無料券を2枚もらったので。」
「うん、行かせてもらうよ。」
まさかのサプライズだ。こうしてデート?をする日が来るなんて。
「大庭さんならそういうと思いました。なにしろ彼女さんはいませんから。」
痛いところをつかれた。神春には彼女がいないとは一切言ってないのでおそらく決め付けだろうが、それが事実だとよけいにだ。
そのとき本日9度目となる選択肢が出現した。
1、「じゃあ、お前が俺の彼女だ。」といって突然キスをする。
2、「あ、ごめん。その日彼女とデートの約束あったんだわ。」と冗談を言う。
3、「そうやって決め付ける人間俺マジ嫌いだから。」とマジギレする。
なんという選択肢たちだ。1番いいのは明らかに2番だ。だが僕は2番を選んではいけない。なぜなら抗わなくちゃいけないから。
となると、選ぶのは1か3。1は人間的にしてはいけないと思うし、3も神春さんを泣かせかねない。そしてもしどちらかを選ぶなら3番。彼女なら謝れば許してくれるだろうから。だから僕はこっちを選ぼう。
「そうやって決め付ける人間俺マジ嫌いだから。」
しまった!1を選ぶつもりが僕の良心によって3を選んでしまった。
「えっ。」
案の定顔はこわばって半泣き状態だった。
「ち、違うんだ。今のは選択肢のせいで・・・。」
「だと、思いました。」
神春はいつの間にかにっこりと笑っていた。今のが冗談だったというのか。どっからどう見ても本気にしていたようにしか見えなかったのだが。
「それで選択肢はなにがあったんですか?」
「え~っと、彼女がいるって言う冗談をいうかキスをするかだったよ。本来キスをするを選ぶつもりだったんだけどやっぱ人間的にいけないと思って。」
「そうですね・・・私的にはそれでもよかったんですけど。」
「えっなんて言ったの?」
そうですね、の後が小さな声で聞こえなかった。
「べ、別に何でもありません。」
どうして顔が赤いのだろう。
「そ、それでは私は駅なので。また明日。」
「あ、うん。また明日。」
なぜだか彼女はそそくさと帰ってしまった。やっぱりさっきの選択肢の回答は彼女を怒らしてしまっただろうか。




