ここら辺は敵が多くなってきているようです。
結局学校に着くまでに5回の選択肢に出くわした。しかもそれらは単純なものばかり。
僕は学校について昨日から今日にかけてのことを石動に報告した。
「察するには1回死ぬとライフポイントが減って3回なくなれば終わりという事だな。」
そして返ってきた答えがこれ。こんな単純な事をどや顔でいわれても困る。
「すまん、お前に頼った僕が馬鹿だったよ、本当にごめん。」
「はっはっは、やっと自らの愚かさに気づいたのか。」
さらに自慢げに言う回答。もう親友でいるのをやめようかとさえ考えた。
「それはそうと大庭、昨日女子とケーキ屋にいったというのはほんとうか!」
なっ!それをどうして知っているのだろう。誰にも言ってないはずだが・・・。
「ああ、だけどどうしてそれを?」
「何を言っているんだ?さっき自分で言ったじゃないか。」
なるほど親友が馬鹿なのは僕も馬鹿だからか。数分前に報告の時その事も言ったのをすっかり忘れていた。
「で、本当なんだな。」
「ああ、なりゆきでな。」
「くっそー、どうしてだ。どうしてこんなゲーマーなんかが女の子と一緒に!」
それが冗談ではなく本気で泣いているように見えたのは気のせいだろうか。
「ま、まあお前もスポーツ得意なんだったらいずれ女子の友達ぐらいできるって。ほらスポーツ万能はもてるだろ?」
「そ、そうだな。俺だっていずれ!」
彼はガッツポーズをした。どうやら僕の言った事を真に受けてくれたようだ。つくづく彼の事を単純だと感じてしまう。
授業も無事終わり放課後となった。そしてもう一つ分かった事がある。それは選択肢だけでなくバトルも確実に増えているということ。つまり僕の命の危険性がさらに上がったという事だ。これはいつか勉強合宿でもやる必要があるだろうか。そのときは学年トップ5に入る神春さんも誘おうか。
「大庭さーん、今帰りですか。」
「ああ、うん。」
神春さんのことを考えているとちょうどきてしまった。
「なら途中まで一緒に帰りましょう。」
「あれれぇ、女の子といっしょに下校ですか。これはいけませんな~。」
前を見ると北条琉璃がいた。さすが神出鬼没の北条、まったく気づかなかった。
「ところで大庭さん。現実ゲームについての情報欲しくないですか?」
それはあまりにも唐突だった。
「えっ今なんて。」
「だから現実ゲームについての情報欲しくないですかといっているのです。」
そう彼女は確かにそういったのだ。
新しく書き始めた「未来って思いの他大変でした。」もよろしくお願いします。どちらも1日1回以上は更新する予定です。