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エセ勇者は捻くれている  作者: 星長晶人
第一章 最初の街

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白い悪魔は執念に燃ゆる

約半年振りの更新……遅くなってしまい申し訳ありません。

先々週には更新する予定だったんですけどね。なかなか上手くいかないものです。

 白い悪魔が獣じみた姿へと変貌を遂げた次の瞬間。


 俺がミスティにさせていた強化の呪術が解けてしまった。


「……勝手に満足してないでさっさと続けろ。まだ切れるような時間じゃないだろ」


 満足そうに空中で寝転がっている彼女に言うも、


『もう無理だって。大体あんな量の感情食べ切れないわよ。容量オーバーだから。ストックしておくからまた今度使って』


 そんな勝手なことを言われてもな。


「オォ!」


 目の前の獣が俺を殴ろうとしてるんだが。


 解除された反動でまともに動けない俺を、太い腕が襲う。呻きながら他のヤツがいる近くまで吹き飛ばされた。……ギリギリで『液体化』と『硬化』を併用して受けたが、残った全身が衝撃で麻痺してやがる。これだとしばらく動けないな。


「クレト! だ、大丈夫ですか」


 煩いのが呼んでくるが、地面に倒れ込んだ俺は強化の疲労とダメージで口を利けない。


「……どうやら、仕切り直しのようだな」


 色々な衝撃から立ち直ったらしい勇者様がそう言って聖剣を構え直す。……お前がもっと早くにそう思ってくれていれば、俺ももっと楽に倒せただろうに。


 まぁ俺も、まだまだ甘いというかなんというか。一瞬で首斬り落とすだけの作業すらできないとは。倒すべき敵に対して生きる余地を残すなんて。


 ……とりあえず疲れたから休みたいな。


 買ったPCでアニメでも見ながらのんびり過ごしたい。このメンツなら俺がいなくてもこいつ倒せるんじゃないかと思うし、俺もう帰っていいか?


「灰原君、いくよ」


 ……イケメンが逃がしてくれなさそうです。


 俺がよっこらせと立ち上がったところで、聖剣を構えた勇者様が俺の隣に並んだ。……なにこれ、協力して悪魔倒そうぜ的な流れなの? いやいや、人生の先輩方に任せようぜ。


「グルラアアアアアァァァァァァァァァ!!」


 獣のような体躯になった白い悪魔が咆哮した。姿が一瞬消えたかと思うと、俺の目の前に白い体毛に覆われたムキムキな胸板が見える。遅れて風が巻き起こった。

 ……速すぎんだろ!

 俺が回避する間もなく、咄嗟に『液体化』を使うしかない速度だった。ごぉ、と振り下ろされた拳によって『液体化』した俺の身体が四散する。勇者君にくっついたのはちょっと気持ち悪かったが、そんなことを気にしている暇はない。両拳を振り上げて特大の『白魔球』を形成する。うん、それはまずい。蒸発させられると死ぬからな。

 しかし、びちゃびちゃと飛び散った身体を集めることしかできず死を待つだけの俺を助けた影があった。


「ふっ!」


 白い獣の鳩尾を寸分違わず膝蹴りして吹き飛ばしたのは、金色の体毛を持つ誰かだった。俺の『観察』でも一瞬誰かわからないくらいに変わっていたが、全身の造形から鑑みるにメランティナだ。

 全身の体毛が金色に変化しているのだろう。産毛も金色に変わっているせいか、光り輝いているようにも見えた。……あれがなにかはわからないが、白い獣が一撃で怒って咆哮するくらいには強いみたいだ。獣人特有のスキルかなにかだろうか。


「らぁ!」


 気合いの声と共に、咆哮する獣を真横から蹴り飛ばしたヤツもいた。前に見た時よりも随分髪が伸びたというか、量が増えたというか。獅子の鬣みたいになっていた。頬が銀の体毛に覆われていて、爪が長くなっている。尻尾もよりふさふさになったような気がするが、獰猛な獣そのものといったような風貌に変わっていた。

 ……一応『観察』しておいて、後でどういうスキルなのか教えてもらおう。


 メランティナとギルドマスターは知り合いだそうだが、実際こうして共闘しているのを見ると幾度となく死線を超えてきた戦友というところだろうか。抜群のコンビネーションで白い獣を圧倒していた。


「はっ!」


 雷と共に緒沢が駆け抜ける。白い獣の身体が煙が出ていた。


「はあああぁぁぁぁぁぁ!!」


 三人が攻撃を加えた後に、肉薄した青年が大上段から聖剣を振り下ろす。閃光が斬撃に呼応して軌跡の周囲を飛び散り追撃していた。その勇者っぽさたるや、俺の出る幕がもうなさそうだ。


「グ、ラァ……ッ!」


 四人の攻撃によろめく獣だったが、傷が段々と治っていく。自動再生機能でもついているのか。便利そうだな、じっくり『観察』しておこう。


「そんなこと、させるわけないでしょ」


 しかし傷口が冷気に覆われて凍っていき、再生が封じられる。右手を突き出す格好で『絶対零度の視線』を発動させたのは、紫園だった。


「オレも戦わせろ!」


 嬉々として戦闘の輪に混じるのは、黒魔人のナヴィ。両手に『黒魔導』を宿し、力任せにぶん殴る。


 こちらが持ち得る戦力を総動員して戦っているような状態だ。


 ――だが、倒せない。


「ガアアアアアァァァァァァ!!」


 傷だらけになりながら、多勢に無勢の不利な戦況でありながら、全く怯む気配がない。むしろダメージを与えれば与えるほど攻撃が苛烈になっていくようだった。……『観察』してもスキルの気配がない。ただの意地、悪魔が持つ信念とかそんなものか。


 そういうモノは、俺にはない。


 技術はあっても心がない。だから心あるお前らと違って、俺は偽物なんだ。


 俺に感情がないわけじゃない。だがこの世界で言うところのスキルに対して心を込めていない。

 現代に例えるとだが。プロ野球選手になりたくて一生懸命努力して手に入れた技術があるとしよう。俺がそれを『模倣』して使ったとして、そこにそいつほどの結果が出ると思うか? 答えは否だ。

 俺は技術を道具のように使う。ただ使うだけだ。だからプロ野球選手と同様の技術を持っていたとしても、その人と同様の気迫や執念がなければ結果が伴ってこない。


 結局、所詮は偽物と切り捨てられるだけのことだ。


「大丈夫ですか、クレト」


 すっかり蚊帳の外になった俺の下に、クリアがやってきた。心配そうに人の姿を形成した俺の顔を覗き込んでくる。

 今は戦いに集中しろよ、と思わないでもない。


「……邪魔だ」


 クリアの身体を押し退けると同時、獣に吹き飛ばされたメランティナを抱き止める。と言っても一緒に吹き飛ばされてから、勢いが弱まって踏ん張ったような形だったが。


「クレト、ありがと」


 メランティナは頭から血を流しながら礼を言ってくる。……今の状態のメランティナはかなり強いと思うんだが、それを超えてくるか。


 戦っているメンバーが一人減ったことで有利だった状況も変わってきた。一人また一人と吹き飛ばされ、残った白い獣が天に向かって咆哮する。


 ……これはまた、面倒そうだ。


 この街の最強戦力を相手に一歩も引かない膂力に加え、獣と化した故に強くなった本能と悪魔自身の持つ執念が折り重なって強敵となっている。

 厄介極まりない相手だ。しかし、俺がつけた傷跡が残っている。どうやら再生は獣前の傷を元に戻せないようだ。

 俺が斬った左腕は生えてこず、俺が抉り取った右目はないままだ。袈裟斬りした傷は塞がっているので、部位欠損させれば再生できないようだ。だが獣の状態ではそれが可能かすらも怪しい。


 なんにせよ、獣の再生力とあいつの執念を上回る強烈な一撃を叩き込む必要がありそうだった。


「……メランティナ。少し時間を稼げ」

「クレト?」

「……お前もだ、クリア。さっきから参戦しないでのんびりしやがって」

「むっ。わかりましたよ、やってやりますよ」


 不思議そうに首を傾げるクリアに指示し、時間稼ぎを頼む。……頼むのは苦手だが、この程度なら借りにもならないだろう。この街の危機だしな。


「……メランティナ、いけるか?」

「ええ、まだ大丈夫よ。……信じてるわ」


 メランティナは自分の脚で立ち、そう言って再び獣の方へ向かっていった。

 随分と簡単に言ってくれる。俺には到底、口にすることはできない。口にされるようなことをしてきたとは思わない。


 だがまぁ、どちらにしろ俺がやるべきことは一つだ。


 他のヤツに時間稼ぎを任せ、戦闘中にも関わらずステータス画面を開く。……他のヤツが使っていた強そうなスキルを並べてみる。


 『勇者』。これは言わずもがな、イケメン勇者が持つスキルだ。どうやら世界中に散らばる聖剣を一時的に借りることができる能力を持っているらしい。

 『昇華』。俺の『模倣』で入手したスキルには説明がないのでわからない。『液体化』などのスキルと同じ分類で、その中に技や魔法があるわけではないようだ。

 『獣人覚醒』。メランティナかギルマスのどちらかが持つスキルだろう。


 他にも『模倣』できたスキルはあるが、今使えるのはこれくらいか。ということは『昇華』と『獣人覚醒』がメランティナかギルマスのスキルとなるわけだ。他のヤツからはスキルを『模倣』してしまっているので、消去法で。

 おそらく、それら二つのスキルは獣人でないと使えないスキルなのだろう。一旦『獣人化』を挟んでからその二つを使うようにしなければ。


 まずは『獣人化』。


 獣耳と尻尾が生える。この間試した通り狼の獣人だ。窮屈だったのでふさふさの尻尾をズボンから外へ出す。


 次は『獣人覚醒』してから『昇華』させるか。


 『獣人覚醒』をすると爪が鋭く伸び、髪が長くなる。尻尾も大きくなり犬歯が肉を噛み切れそうなくらいに伸びていた。頬の辺りも毛で覆われる。ギルマスの方のスキルだった。

 『昇華』させると、全身の体毛が金色に変わる。メランティナが使っていたものだ。


 力が沸き上がって留まることを知らない。


 この感覚は優越感が湧いてくる。強大な力という麻薬のようなモノだ。一度味わったら二度と戻ることはできない。……まぁ俺は主人公気質じゃないし、こんな金ぴかの状態真っ平ごめんだった。とっとと終わらせて日常に『同化』したい。


「……来い、聖剣・アロンダイト」


 俺の声に呼応して、閃光と共に両刃直剣が降臨する。まるで抜けと言わんばかりに、眼前に突き刺さった。


 輝く青と銀の刀身は美しく、柄の端に至るまで細かく意匠が施されている。


 ド派手な登場に、白い獣がこちらに気づいてしまった。そこを余所見するなとばかりに他のヤツらが攻撃し、注意を反らす。


 アロンダイトを手に取り、『黒魔導』や『絶対零度の視線』による冷気を付与し、全身から雷電を迸らせた。


 ……準備完了。こういう「皆の力を集めて!」みたいなのは俺じゃなくて勇者様の役割だろうに。


 本物には決して及ばず。


 しかして偽物故に全てを丸め込み。


「……吹っ飛べ」


 大上段に振りかぶった剣を、ただ『模倣』した膂力に任せて渾身の力で振り下ろした。


 その破壊力たるや、一振りで周辺の地形が変わるほどだ。


 俺の足下から前方の地面が三メートルほど下がっていた。草木の一本も残らず消し飛んだらしい。どこまで地面が下がっているのか、俺の『観察』を以ってしても定かではない。『観察』は別に眼が良くなるわけじゃないからな。

 しかしあの白い獣に直撃したのは確かだろう。


 ……巻き込まれて吹っ飛ばされたヤツが何人かいたが、まぁ大丈夫だろう。皆強いし。


 砂煙が敵の行方を隠していたが、徐々に風で流されていく。


「……が、ぐ、ぁ……」


 しかしと言うべきか、やはりと言うべきか。獣は生きていた。熊のようになった顔の半分が元の悪魔の顔に戻っていたが。そろそろ肉体が限界なのだろう。四肢は消し飛び、誰から見ても満身創痍だ。獣になった後の再生力も今やほとんど機能していない。


「……ちっ」


 トドメの一撃とはいかなかったようだ。だがここまで瀕死にできれば後は他のヤツが倒してくれるだろう。……俺も、そろそろ限界だしな。

 アロンダイトが消え、『昇華』や『獣人覚醒』、しまいには『獣人化』まで解けて通常状態にまで戻ってしまった。


 全身が怠い。身体が重くて動く気にすらならない。家に帰ってもう寝たい。


「ふザけ、るナ……っ! ここマデやって、獣風情ト契約しテ、ようヤくここまデ来たってのに、てめえらなんかに……っ!」


 残った左目に執念を宿し、瀕死になりながらもなお俺達に屈することはないようだった。


「――ええ、ええ。だから貴方を選んだのよ」


 ぞっとするほど冷たい女の声が響き、悪魔のすぐ傍に黒い渦が現れる。渦はやがて人のような姿を形成した。


「め、メフィストフェレス様、……」


 悪魔は左目だけで崇拝する御方を捉えると、その名を口にした。


 突如この場に現れたのは、自身のプロポーションを最大限に見せつけるような露出の多い漆黒の服を着込んだ美女だ。

 蝙蝠のような漆黒の翼、頭には真っ直ぐに伸びた漆黒の角、先が刃のような形をした漆黒の尻尾が生えている。漆黒の髪に紅い瞳をした絶世の美女だった。


 ……聖女に化けて暗躍するようなヤツが、今更この場に出てきてなんの用だ?


 訝しむが、蠱惑的に微笑む彼女の顔からはなにも読み取れなかった。こいつが被る仮面は俺の『観察』に対抗し得るようなスキルが由来になっているのかもしれない。『隠蔽の仮面』とかそんな感じのヤツ。


「その執念、その能力。流石、私が見込んだだけはあるわね」


 突如現れた女に誰もが驚きを隠せない様子だった。俺すらもそうだった。……俺がこいつの正体を知ってるってことは知られてないと思うんだが。

 わからないな。ここで姿を見せる必要があるのか。


「メフィスト、フェレス様……っ。申し訳ありません」


 醜態を晒したことを謝罪するが、女の笑みは揺るがない。


「いいわ。彼がいる時点で貴方が負けることは想定内だもの。貴方のその執念を見込んで、今回の負けをいつか取り戻してもらおうぐらいで考えてたし」


 相変わらずの適当な物言いだった。しかしこれもまた相変わらずと言うべきか、こっちの視察と味方の強化を見越して行動を起こすとはな。用意周到というよりは一気にその二つをやってしまいたいというめんどくさがりな精神のような気はした。まぁどっちにしろ、ここで白悪魔を逃すのは後々の脅威となりかねないってことだな。


「逃がすと思うのか?」


 勇者様が勇者らしく聖剣を悪魔に向けて、厳しい視線を送っている。


「もちろん、そう言うでしょうね。でも私だって逃げる算段がないと出てこないわよ」


 どこか嘲るような笑みを浮かべて勇ましい彼を見据えながら、付け加える。


「それに――」


 言った次の瞬間に、メフィストフェレスの身体から膨大すぎる魔力が噴き出した。


「「「っ!!?」」」


 ただでさえ疲労感で重い身体がさらに重くなったように感じる。重いモノを背負っているような、上から押さえられているような感覚だ。威圧感、というのはこういうモノを言うのかもしれない。


「私一人でも、今の消耗した貴方達くらいなら倒せるもの、ねぇ?」


 メフィストフェレスは勇者様に妖しく微笑みかける。当の本人は強大な威圧感に動けなくなり、冷や汗を掻いているようだった。


「でも折角だから、貴方くらいは倒しておくべきよね」


 彼女はそう言うと俺の方を見つめてきた。……いやいや、勇者様の方が成長率高いって絶対。俺なんか関わらなかったら別にお前倒そうとか思わないから。


 まぁそれを偉大なる悪魔様がわかってくれるはずもなく。

 若干健康的な人よりも白い右の細腕を伸ばし、細長い人差し指を俺に向ける。


破滅の波動ノヴァ・ファンクション


 その指先からドス黒い波が放たれた。……俺の『観察』がヤバいと告げている。だが疲れ切った俺に避ける術はない。


聖なる防壁(セイント・プロテクト)!」


 しかしそれが俺に当たる前に、白い半透明の壁が行く手を阻んだ。……は?


 俺の驚きっぷりは、誰よりも大きかっただろう。流石にそれを思い切り顔に出すほどバカじゃないつもりだが。


「……皆様、遅れて申し訳ありません」


 俺をメフィストフェレスから守ったのは、いつかの聖女様だった。……余計にわからん。同一人物じゃねぇのかよ。『観察』で見てみても聖女様の方は偽造がないという結果だった。

 段々考えるのが面倒になってくる。だがここはファンタジー世界。しかも相手は勇者を騙そうとしているようなヤツだ。ここで同時に現れてしまえば、聖女=メフィストフェレスという図式が成り立たなくなる。俺がどう主張しようが信じる者はいなくなる。


「……ちっ。いいところで。まぁいいわ、今回は見逃してあげる。……なにか言っておくことはある?」


 忌々しげに舌打ちし、メフィストフェレスは屈んで白い悪魔の身体に触れる。


「……そこの地味なてめえ!」


 地味とか言うなよ失礼なヤツだな。


 悪魔が執念でギラギラした瞳を俺に向けてくる。


「待っていろ! てめえは必ず俺が殺す! てめえの前で仲間をズタズタに引き裂いてやるから覚悟しろ!」


 負け惜しみもいいところだが、こういう執念深いヤツは本当にやりかねない。……こんなのは俺のセリフじゃないんだが。


「……好きにしろ。お前が俺に勝てるんならな」


 あえて挑発的に返してやった。


「ふふふ。それじゃあまた会いましょ」


 メフィストフェレスは最低限の目的は果たしたとばかりに笑って、現れた時と同じ黒い渦の中へと消えていった。


「ふぅ。なんとか、なりましたね」


 突如現れた聖女がほっと一息ついた。臨戦状態だった他のヤツもひとまず危機は去ったと見たのか肩の力を抜き始める。


 ……『観察』で色々『模倣』できるスキルも増えたが、そう素直に喜べたもんじゃないな。


 厄介な敵に目をつけられたことは確かだった。


 だがまぁ、今回はこれで終わりだ。俺ももう……限界、だしな。


 やっと敵がいなくなった安心感で気が抜けたのか、どっしりと身体を重くなる。瞼を持ち上げる力すらなくなっていく。

 俺は立っている力もなくなって倒れ込む。。


 ……元の世界なら、多分そのまま放っておかれるんだろうが。


 今回はないだろう、きっと。善人ばかりだし。


 そんなことを思いながら、後のことは任せて意識を手放した。

次は後日談挟んでやっと次の話に移るかな、

といったところです。

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