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最強の勇者と最弱の勇者の物語!!  作者: 双月キシト
第1章 異世界者、再来!?
4/33

双子の魔法使い

魔法使い登場(^-^)

一体どんな魔法使いなのか?


誤字脱字があればコメント下さい。


8/7に改編しました

 ◇ ◇ ◇



 出来事が起こる十日前


 迷いの森  



 “迷いの森”


 名前の通り一度入ると必ず道に迷ってしまう森……ではない。大抵の場合は森に入るとすぐに森の入口に戻ってしまい、森に入ることが出来ないのだ。だからこそ近くの村人や無知な旅人が誤って入っても迷うことはない。

 しかし、熟練の冒険者や迷宮系をかじった程度の知識を持っている者は森の中に入ることが出来る。力を持った者が腕試しにと、知的好奇心から森の中を探索したい者など数多くの者達が迷いの森に挑戦する。だか森に入った者達はすぐに自身の考え方を後悔し、必死になり森を出ようとする。


 なぜなら、この森に住む魔物は最低でもBランク、普通に出会う魔物はほぼAランクの魔物が出る。さらに運が悪ければこの森にはSランクを越えるSSランクの強大な力を持つの森の主がいる魔窟の森なのだ。

 

 まず大抵の者達はAランクの魔物の群れに戦意を亡くし森を出ようとする。


 だが、この迷いの森はある程度の力や知識があれば入ることは出来るが、森を出るには森の構造を深く知っていなければ森を出ることは難しく時間が掛かる。

 しかし、そんな迷い子の事情など魔物の群れは知るよしもなく、ただ今日の獲物を狩り続けていた。戦意を亡くした者達は逃げて疲れたところを魔物が襲い、戦意を失っていない者達は最後まで戦うが力尽き魔物の餌になる。それがこの迷いの森の日常風景だった。

 今日も森では冒険者達の阿鼻叫喚が森中に響き渡り、血の匂いが漂っていた。



 ◇  ◇  ◇



 そんな迷いの森の最奥には綺麗な泉があった。泉は底が見える程に澄みきっており、その水は聖なる力を秘めていた。


 そして、泉の隣には小さな家があった。家の中では魔物の雄叫びや冒険者の叫び声でなく、慌ただしい物音が鳴り響いていた。


 「レン! レイナの杖、何処か知らない? 昨日から見当たらないの」


 「昨日、魔法の練習して縁側のところに置いていただろう。だから昨日うちに分かるところに置けば良かったのに」


 「そうか。縁側に置いたんだった。忘れてた!」


 「早くしなよ。マスターを待たせているんだ。モタモタしてると置いて行っちゃうよ」


 「ああっーー待ってよ、レン! 置いて行かないで」


 綺麗な長い金髪を腰まで伸ばした、碧眼の女の子は急いで杖を用意し大きなカバンに旅に必要な荷物を詰め込んでいた。そんな様子を旅の準備が出来ている同じ金髪碧眼の男は退屈そうに準備が終わるのを見ていた。


 「レイナ、そんなに荷物いるのか?」


 「当たり前だよ。長旅になるのだから必要な物はアイテムボックスに入れて持ち歩いてなきゃいけないんだよ」


 「それにしては服やら靴やら小物やら化粧品やら余りにも多くないか? 旅だからってそんなに要らないだろ」


 「甘いよレンは。女の子にとってはこれでも少ない方だよ。女の子は何時だってオシャレに気を配らないといけない生き物なんだよ」


 「じゃあ、その大量のお菓子はなんだ?。絶っ対に要らないだろ、それ」


 「これは非常食なの。大丈夫、レンの分もあるから安心して……よし、終わりっと」


 全ての荷物をカバンに入れ込み、それをアイテムボックスにしまい込む。そして杖を持って扉のところに待っている彼に近づく。


 「お待たせ」


 「遅いよ、マスターが待ってる。早く行こう」

 

 金髪の男は扉に手をかけようとする。後ろにいる彼女はあることに気付き、近くにあったローブ掛けから深い青色のローブに手をかけ彼に投げつける。


 「レン、忘れもの」


 「うん? ああーごめん、ありがとう」


 彼はローブを受け取りローブを羽織った。彼女も明るい水色のローブを手に取り、彼と一緒に家を出た。




―――――――――――――――――――――




 「支度は済んだかい?」



 家を出ると二人の頭上にある木の枝から声が聞こえた。黒いローブと黒いズボンを着て、頭の上に古めかしい黒い帽子を被った怪しい男がいる。男は木上から二人を見下ろし、口に笑みを浮かべ10メートル以上ある木の枝から飛び下りた。


 普通なら地面に叩きつけられ怪我をしそうな高さだが、男は重力を無視したようにゆっくりと降りてくる。男は神秘さ溢れる光景に酔いしれている。


 しかし、男にとって予期せぬ出来事が起こった。


 「マーースーーターーー♪」


あと少しで地面に脚がつきそうなところを金髪の女の子に飛び抱き付かれ一気に重さが増えた。

 その影響でバランスを失った結果、男は頭から地面に叩きつけられた。さらに頭に当たる部分には固く尖った石があり、頭に直撃ダイレクトに直撃した。


 「ウッギャ(グシャ)」

 

 嫌な音が聞こえた。固く尖った石が男の頭にクリティカルに命中した。マスターと呼ばれた男はダメージ計算的には145800のダメージを受けた。


 金髪の少女はマスターと呼ばれる男に強く抱き締めていた。普通の場合は彼女の豊満な二つの膨らみに抱き付かれ当てられた男の人は心臓がドキドキしていただろうが、今抱き付かれている人は頭から血を流し、違う意味で心臓がドキドキと脈を打っていた。


 それを遠くから見ていた金髪の少年は呆れた様子でまずはどうするべきか考えていた。




――――――――――――――――――――――




 「さて、お前達も今日で16歳になる」

 

 頭に包帯を巻いたマスターと呼ばれる男はさっき起こった出来事をなかったことにしたいのか真面目に話をしだした。


 「前にも言ったが魔法使いは16歳になると旅をして自らの魔術を昇華させなければならない。それにお前達も世界に見聞を広め、自分のやりたいことを見付けなければならない。ただ魔法使いになるのではなく、どんな魔法使いになりたいか自分自身で考え自分だけの魔法を掴み取らなければ真の魔法使いとは言えない」


 「「はい、マスター」」


 「よし、いい返事だ」


 そして、マスターは彼らの前に近づく。


 「レン・フェミリオン」


 「はい!」


 「お前の攻撃魔法の威力はかなり高い。お前がその気になれば街ははおろか国さえ破壊することも不可能ではない。だからこそ魔法の扱いには気を付けろよ。魔力制御を怠ればすぐに魔法が暴発あるいは魔力切れを起こす。……自身の魔法に喰われないように努力しろ」


 「はい、わかりました」


 レンは頭を下げ、マスターの言葉を心に留めた。


 「レイナ・フェミリオン」


 「は~い」


 「お前の“魔法”は独創性が高い。例えば氷の魔法を使う時にはただ飛ばすのではなく、生物の真似て飛ばしたりと面白い戦い方をする。しかし集中力が続かなかったり、一回の魔力の出力が高くなかったりと弱点がある。その辺を課題して自分の戦い方を掴み取れ!」


 「は~い、マスター。レイナ頑張ってきます」


 レイナはお気楽に返事をした。レイナ以外の二人はかなり心配になってきた。マスターとレンはお互いに視線を交わし「レイナを頼むぞ」「わかりました」とアイコンタクトで言葉を交わした。


 「さて、今日はお前達の誕生日だからな。マスターからのお前達にプレゼントだ」


 そしてマスターの手から小さな箱が二つ出された。それを一つずつレンとレイナに渡された。


 「わぁーー、マスターありがとう」


 「すいません、マスター有り難く受け取ります」


 中には宝石の付いた指輪が入っていた。レンは藍色の、レイナには青色に輝く宝石だった。


 「綺麗……ありがとうマスター。マスター大好き!」


 「綺麗な指輪ですね。何らかの魔法付与がある指輪のようですが、どんな効果あるんですか?」


 レイナはマスターに抱き付き、マスターはレイナに悪戦苦闘している(色々当たるからである)。レンは指輪をじっと見て、貰った指輪の効果を聞いてきた。


 「別に何かあるって…わけじゃない。ただお守りだが……簡単に無くしたり壊したりする…なよ…結構高価な…品なんだからな……ってレイナいい加減に俺から離れろ! あと外に出てからその抱き付き癖も直して来い!!」


 「ええぇーー嫌です。これからもマスターやレンに抱きつきたいし、一緒に寝ます!」


 マスターら愕然と落ち込んでいた。その表情から「育て方間違えたかな…」と読み取れた。

 

 レイナは他者とのスキンシップが激し過ぎる。昔から一人でいることを極度に嫌がるため、マスターやレンが片時も離れずに食事をする時も寝る時も一緒にいたのが原因だった。


 そのため今でも何処かに行く時はマスターかレンが居なくなると泣き喚く。そのため寝る時もレンと一緒に(同じベッドで)寝ている。

 たまにマスターのベッドに潜り込み、朝マスターが血だらけの状態でベッドで発見される光景は珍しくなかった


 最近ではやっと一人で入浴、着替えが出来るようになったがまだまだ人との触れ合いが離れなれない。

 一番凄かったのは風呂上がりにバスタオル一枚でマスターの背中に抱き付いた時のマスターの慌てようは今でもレンの忘れられない一つの思い出である。


 (俺もあいつと双子だから別に変な気を起こすことはないけど……やっぱり目の毒だな)


 日に日にレイナの二つの膨らみが大きくなるにつれ、いくら双子でもレンは目のやり場に困ったりする。

 マスターがやっとの思いでレイナを離す。


 「はい、マスターとして言うことはもうないから早く旅に出ろ。早くしないと日が沈む前に迷いの森を抜けられないぞ。最悪あの森で野宿することになるぞ」


 「それはやだな。レイナ、行くぞ」


 「あ、待ってよ、レン」


 二人は急いで森への出口に向かった。そして二人同時に振り向いた。

 マスターは「どうしたのか?」と思って見る。



 「「マスター、行って来ます」」


 

 双子は手を振って別れの挨拶をして迷いの森を入った。

 古き巣から飛び立つツバメのように自身の故郷を出ていった。



――――――――――――――――――――――




 そんな双子を見ながらマスターは呟いた。


 「16……か。子供の成長は早いな。あれからもう何年たったことか…」


 思い出してみれば、あれから10年という月日が流れた。

 男は目を閉じると、当時のことを少しだけ思い出した。


 双子の体には擦り傷、火傷の痕、痣が至るところにあった。折角の金色の髪がくすみ、瞳は生気がないようで虚ろだった。六歳の子供には余りにも無惨な姿だった。


 「あれから10年。色々あったがちゃんと巣だって良かった」


 右手を懐に入れ、何か手帳のような物を取り出した。その手帳を広げると中にはいくつもの思い出が詰まっていた。


 泥だらけで部屋の中を汚す双子


 魔法の失敗で水浸しになったマスターと双子


 好物を奪い合いマスターから好物を奪った双子


 雪遊びをして凍りついたマスターと双子


 風邪を引いて看病される双子


 いくつもの思い出があるが、それら全て思い出には双子達は“笑っていた”。


 「レン、レイナ。俺に見せてくれ。俺がお前達を育てたことは正しかったと、俺がお前達に教えたきたことは間違ってなかったと……俺に証明してくれ」


 マスターは優しそうな、どこか悲しそうな目で双子達の旅の無事を祈っていた。“彼”はそう遠くない未来で決断しなければならないことがある。


 仲間達のためにも


 あいつのためにも


 そして…



 「じゃあねーーー、マスターー! 帰ってきたらまたレンと一緒にお風呂入ろうねーー♪」



 そんな暗い気持ちをしていたが、すぐにそんな気持ちはなくなった。双子の一人がそんな気持ちをぶち壊した。


 「…………」


 マスターは手と膝を大地をつけ本気で思った。



 「……やっぱり育て方を間違えたな」





意外なまでにレイナ可愛いです。

適当に作った子ですが作者のお気に入りです。


レンは未だにキャラが定まっていないので何とかしなけはれば。


次の話はまた新しいキャラを出す予定だったのですが双子のプロローグ的な話がまだ終わってないので3.5的な話しになると思います。


けしてレイナが気に入って話を書くのではありません。……たぶん(´・ω・`)

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