プロローグ
初投稿です。よろしければご意見お待ちしてます。
プロローグだけでかなり長く書いてしました(^_^;)
それは今から約1000年前のある異世界のおとぎ話が始まる少し前。その世界には剣や魔法などファンタジーに溢れ、様々な生物が住む異世界だった。
この世界には一つの大陸と幾つかの小さな島があった。大陸には多種多様の生物が生まれ暮らしていた。
生物は、人間、妖精、獣人、竜人、翼人は勿論のことその他にも不思議な生物がいた。多種多様な生物達だが、そのほとんど者が他者を助け合い、命を次の世代に繋ぎ、平和を愛する者達ばかりであった。
しかし…中には例外もいた……。
無意味に生命を奪い、大地を汚し、平和な世界を破滅へと誘う者……
それは魔物と呼ばれる存在へとなった。
魔物と呼ばれた生物達は徐々に数や力を付けていき、徐々に大陸中に勢力を伸ばした。気が付けば、大陸の半分が魔物が住むようになった。魔物は様々な生物達を殺し回り、他の生物を圧倒していく日々が始まった。
しかし他の生物達も魔物のやり方に黙ってはいなかった。他の生物達は自分の命と仲間を守るために武器を手に取り、魔法の力を使い、他の種族と連携し、魔物の軍勢に立ち向かった。
これがこの世界で最初の大きな戦いであった。
世界の命運をかけた戦いは、時間が立つに連れ連合軍が優勢になった。魔物の軍勢徐々に力が弱まり、連合軍の勝利は目前まで近付いていた。
だが魔物の群れの中である“異質”な出来事が起こった。
魔物の上位の個体“魔族”の出現
その魔族の出現は他の生物にとっては…
最大の天敵であり
最強の化け物であり
最悪の存在へとなった。
片腕を軽く振れば大地を引き裂き、剣を振り上げれば天を裂く程の戦闘能力。
見ただけで相手を絶望的にする程の圧倒的な魔力、その魔力を使って発生させる神話クラスの魔術を放った。
他の生物がどんな才能 や血の滲むのような努力をした所でけして届くことが出来ない“力”を使い、“魔族”は他の生物の生命を多く奪い、幾重ある未来を破滅の未来以外全て壊した。 そして他の生物達は思い知らされた。
―○○○を殺せる者はこの世界にいない―
この時魔族は“魔族”と言う古き名捨て、新たな名を手に入れた……
“魔王”というけして抗えない者に……
魔王の存在は他の生物達を絶望させた。
魔物の襲撃の日々に叫び声を上げ、毎日仲間の死ぬ姿を見て涙を流し、破滅の未来が来ることに怯え暮らしていた。殆ど者達はいつもこう思っていた。
―この世界はもう終わる……―
だが…生物達の全てが諦めた訳ではなかった。最後に残った生物達が必死になって、魔王の軍勢に立ち向かった。しかし、どんなに策を張ろうが、どんな魔術を行使しようが、魔王を止めることが出来なかった。
そして生物達は、最後にある秘策を考え出した。それは「この世界の者に魔王を倒すことが出来ない」のなら「この世界以外から魔王を倒す者を呼ぶ」というものだった。
違う世界の者を呼ぶことが出来るかも分からない上、もし呼べたとしてもその者があの“魔王”を倒せるのかも分からなかったが、これしか方法がなかった。
そして、急ぎ異世界へと繋ぐための召喚魔法陣を造り上げ、召喚に必要な巫女を揃えた。巫女は召喚に必要な言霊を練り、繋ぎ合わせ異世界から勇者を呼んだ。
しかし、いくら待って魔法陣は何も反応しない。異世界者も来なかった。
だが巫女は諦めなかった。何回も言霊を紡ぎ、異世界者が来るを待った。水も食糧も必要最低限しか取らず、四六時中言霊を紡いだ。雨の日も、風の日も休むことなく……
そして七日七晩
周りの者達はもう諦めかけていた。一向に現れる様子がなく時間だけが過ぎていった。だが巫女はそれでも言霊を、言葉を、“願い”を心底から祈りを声に出した。
周りの者達は「これ以上は…」と思い、辞めさせようと近寄った
その時
周りの魔法陣が光だし、巫女の上の空間が突如ガラスのように空間が割れ、その空間から人が降りてきた。
人は男だった。身長は175センチあり、体格は細く見えたがそれは引き締まっているようにも見えた。黒髪黒目に顔立ちが整った顔、歳は若く16~7くらいに見えた。服装は白いシャツにネクタイを緩く首に引っ掛け、青いブレザーを、下には黒いズボン着ていた。
気になる部分は幾つかあるが、それらを無視させる程ものがあった。
彼の“目”である。
黒目は珍しかったがそれ以上に彼の目が鋭すぎた。その目を合わせることが出来ない程の威圧であった。まるで視線だけで生命を終わらせてしまう程の眼光であった。
魔王とは違った恐怖を帯びた視線であったため、誰もが彼と目を合わせず横にそらしてしまう。彼もそれが慣れているのか何も言わずに溜め息をついていた。
それが禍してか、彼は反応出来なかった。
彼の顔に食い入るように見ながら近づいて来る“巫女”に…
彼は巫女の行動に驚きを隠せなかった。巫女の綺麗な瞳は、彼の目線をそらすことはなかった。
巫女の真っ直ぐな目に彼は不覚にも身体を動かすことが出来なかった。そして巫女が彼の前に立つと、巫女は声が掠れていたが確かに笑顔でこう言った。
―ようこそ、私達の世界ステンシアへ、あなたを歓迎します―
今度こそ彼の時間は確実に止まった。その言葉は彼にとってはどれだけ貴重で、自分に相応しくない言葉だった。
待ちに待って耐えかねたのか巫女はこう質問した。
―お名前を教えて下さい―
彼はそれを聞くと深呼吸し身体を落ち着かせ、自身の名前を口した。
そして、ここから1000年も語り継がれるおとぎ話が始まった。
次から世界観がガラリと変わります。出来れば長い目でお願いします。