第94話
「ぶはははは!!まったく!!お前は本当に……いい趣味してるなぁ!!!」
がっちりとした体格で、いかにも堅気じゃありませんって感じの厳つい男が、豪快に笑う。
そいつは超豪華なソファの真ん中にふてぶてしく座り、両隣には俺達より際どい服を着させられた女性が座らされている。……あの衣装見ると、今の俺達の衣装がマシに見える……。具体的にどんな衣装なのかは言えないけど……。
ここはマフィア、ラ・ロー……なんちゃらこうちゃらの本拠地?みたいで、そのマフィアのボスがこの男らしい。
「まったく、叔父上。私がめぼしい奴隷を手に入れたらすぐに呼び出すの、やめてくれないかい?お陰で早速調教しようって時に水を差されたんだがね?」
不満げに言うクロスだが………ん?叔父上??
つまりこの男、クロスのおじさんなのか??クロスはマフィアの仲間だって言ってたけど、仲間所か身内じゃねぇか!!
「わりぃわりぃ!!それにしても……本当にいいねぇ……。今や超希少種のエルフに……白銀のドラゴン!!!さいっこうじゃねぇか!!」
「ふふふ!だろう!?彼女達を手に入れられた、私にとっても今年一番の幸運だよ!!」
俺達にとっては今年一番の不運だよ!!!
「ほんとに羨ましいぜぇ……。俺も手下にあのオークションでいとめをつけんなって言ってたのに、お前の金額にブルっちまった様でなぁ……ったく!!つかえねぇ奴だぜ!!」
「はははは!!!私と張り合うのはやめたまえよ!!」
「くくく。なぁクロス?お前の後でいいから、少し味見させてくれねぇか?特に白銀のドラゴンなんて……一生に一度は味わっておきたいぜぇ」
やめろやめろ!!この小説はR15なんですーーー!!
R18になりそうな事言わないでくれますか!!?まぁ調教調教言ってる時点でR15か怪しいけどなぁ!!!
「うーーん。本当は嫌だが……他でもない叔父上の頼みだ……。少しだけなら貸してあげてもいい!!」
「おお!!ありがとなぁ!!クロス!!」
穴兄弟やめーや。
はぁ……。マジでどうにかなんないかな?こいつら。
今、王都であった爆発事件がまた起きてくれることを切に願うよ。この屋敷諸共全て爆発四散してくれないかな??……まぁあの魔族は死んだし、そんな事あったらソフィアが巻き込まれるからダメだけど……。
「さて……君達二人に紹介しておこう。私の友人にして、叔父にあたる人物。ラ・ローザ・ネーラのボスでもある……」
「ラザロ・ディ・モルテだ!!よろしくなぁ?二人とも!!」
よろしくしたくない。
その想いを籠めて俺はラザロを睨みつける。
そんな俺の視線に、満足げに頷くとラザロは言った。
「くくく!流石は白銀のドラゴン!!簡単には折れねぇみたいだなぁ?」
「ふはは!!そう来なくてはね?本当に調教するのが楽しみで楽しみでならないよ!!」
「だなぁ?こいつが今度俺と会った時に、跪いて自分から俺の足を舐めるのが楽しみだぜぇ!!」
………ごめん。正直この会話聞くだけで、もう俺の心は折れそうです……。
もうほんとにヤダ。そうなってる自分を想像するのもヤダ。吐きそう。
早く終わんないかな……こいつらの会話及び命。
「ふははは!!……さて!!この二人を紹介する為だけに、ここに呼んだわけではないのだろう?叔父上?要件はなんだい?」
「っはは!!お前はホントに察しが良くて助かるよ!……実はなあ?スラムの方でうちの連中が皆殺しにされちまってなぁ?」
「ほう?皆殺しとは穏やかじゃあないね?」
そうかな?俺としては胸がすく話だけど……。
「そいつは赤毛の女で、剣を持って雷の魔法を使うらしい」
「!!!!」
その特徴を聞くだけで、俺の心臓は大きく跳ねた!!
それは……間違いなくミリヤだ!!!ミリヤは……やっぱり生きてたんだ!!!
よかった……!本当に良かった……!!
やばい泣きそう!!っていうか少し泣いちゃった……!
そして、そんな涙を流してしまった俺をクロスは面白くなさそうに見る。
「……へぇ?とすると……その女はエイシャご一行の一人かな……。あの時の女……まさかまだ生きてたんだねぇ?」
そしてクロスは俺の顎を片手で持つと、言葉を続ける。
「ふ……。そんな希望に満ちた目をするのはやめたまえよ。その女は……今度こそ私が確実に殺してあげるからね?」
「………貴方におねぇちゃんは殺せません……!絶対に……!!」
ミリヤを殺すって脅してくるクロスを、俺は精一杯睨みつけながら言う。
あとお前の顎クイはキモイだけなので早急に辞めて頂きたい。
「ふはは!!それは楽しみだねェ??……よし!!早く君たちの調教をしたいが……楽しみは後に取っておこう!!特にコウくんには、絶望を味わって貰った後に……たっぷりと楽しませて貰うとしよう……!そう……その女の死体を君の目の前に持ってくることを約束するよ!!」
「……!!ご自由に!!おねぇちゃんも……エイシャ様もマリィ様も……!!皆貴方みたいな人に殺されたりなんて……しません!!」
「ふはははははは!!!いいねぇ!!!本当に……楽しみでならないよ!!……叔父上!!安心したまえ!!今すぐ……その邪魔な女を殺してこようじゃないか!!!」
テンションマックスで声高らかに言うクロスに、ラザロは満足げに頷いて言った。
「頼むぜぇ?俺のシマで好き勝手されちゃあ、示しが付かねぇからな!!クロス……きっちり殺ってきてくれよ!?」
「ふあははは!!誰に言ってるんだい?叔父上!!任せ給えよ!!」
ふははは!!っと楽し気に嗤うクロスを精一杯睨みつける!
お前が例え剣の勇者だからって、簡単にミリヤ達を倒せると思うなよ!!!
その想いを籠めた俺の視線を、クロスは本当に楽しそうに受け止め……そして更に嗤うのであった……!!
◆
って訳で俺達だけ先に屋敷に帰され、今日はもう休んでいい事になった。
まぁその前に先輩たちや屋敷の人達に、ご主人様への態度がなってないと酷く叱られたが……知ったこっちゃないね!!マジで!!
俺とソフィアは二人で同じ部屋をあてがわれている。
正直他の奴隷の人達は、完全にクロスの味方なので二人部屋はありがたい。
俺達はクロスにとって高級奴隷らしいので、部屋はそこそこ豪華だった。
俺は着替えもせず、取り合えずベットに飛び込む。
正直……売り言葉に買い言葉しちゃったが、めっちゃミリヤが心配だ……!!でも……俺はミリヤを信じる事しか出来ない……!!
うーーーん。
やっぱりどうにかしてこの屋敷から抜け出さないと……。
クロスがミリヤを追ってこの屋敷に居ない今!!チャンスなのではないだろうか!!?
なんて思いながらベットから体を起こし窓を眺めていると、ソフィアが話しかけてきた。
「おねえさん……無事でよかったね……」
「ソフィ……うん!ありがとう!嬉しい!!」
「………そう……」
「??ソフィ??」
どうしたんだろ?突然ソフィアが暗くなった気が……?俺がなんかソフィアの気に障る事言っちゃったかな……?
そう思いソフィアに声を掛けようとした時……俺はソフィアに押し倒されていた………え!!?なんで!!!?
「ねぇコウ……他の人なんて……いるのかな……?」
「そ……ソフィ……??」
覆いかぶさり俺を見るソフィアの目は……酷く濁っている様に見えた……。
いやいやいや!!何この状況!!!?




