表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/113

第86話 これから(クルミ視点)

 結果から言うと私達Lumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)は、セントラルステージで………優勝する事が出来た!!!


 でもこの優勝は数々の要因が重なった結果であって、私達だけの力じゃないと思っている。

 

 まず、いきなり体調不良で倒れてしまったコウへの同情、そしてアイスとイリヤの劇的復活……さらには、コウが倒れた事による動揺でFlora(フローラ) Kiss(キッス)のアヤネが万全なパフォーマンスが出来なかった事も要因の一つだと思う。


 セントラルステージの決勝で、コウと全力で戦う事を楽しみにしていたアヤネは、コウが倒れた事が思った以上にショックだった様で、そのショックを隠し切れなかったみたいだ。


「別にコウのせいじゃない……。何があっても心を乱されない完璧なアイドルに、僕はまだ至れてなかっただけさ……。それより……君には完敗だよ、クルミ。あんな事があった後なのに君は……いや、あんな事があった後だからかな……?僕はどうやら君の事を……見誤っていたみたいだね……!」


 と、ステージが終わった後のアヤネに言われた。


 私としては……結果的に良かったのだが、やはりまだ心のどこかで納得できていない部分がある。

 ステージの上では……自分は無敵のアイドルだと言い聞かせて全力でパフォーマンスをしたが、ステージから降りると、あれでよかったのか?自分は完璧に出来ていたのか?と不安になる。


 つまり私は……まだ胸を張って、自分がセンターだと、センターに相応しいと思えていないのだと思う。


 やっぱり今年の……私達Lumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)センターは……コウだ!!

 

 でもそんなコウは……病室に横たわって目を覚まさないでいた……。


 吐血して、病室に運ばれたコウは……何故かあの後全身から血を吹き出して……もっと酷い事になってしまったらしい。

 聖女様のお陰で外見はもう傷が無いが……それでも意識が戻らないまま、もう二週間がたった。


 コウがこんな事になった原因は結局誰も教えてはくれなかったが……聖女様と勇者様の会話を少し盗み聞きしてしまった時に知ったのだが、どうやらコウは……誰か外部的な人間の手によって毒を撃たれてしまったみたいだ!!

 やはりアイスやイリヤ同様に私達Lumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)のセンターを狙って誰かヒットマンが潜んでいたんだ!!


 私は居ても立っても居られず、隠れるのを止めて勇者様に問い詰めた。

 コウをこんな目に合わせた犯人は何処の誰なのか!!ヒットマンはまだコウを狙っているのか!!


 勇者様に対して非常に失礼な態度を取ってしまった私だが……寛大な勇者様はそんな事を気にせず、ため息をついて教えてくれた。


 勇者様の話によると、ヒットマンはもうこの街にはおらず、全て勇者様達が退治してくれたみたいだ。……だったらもっと早く……コウがこんな事になる前に退治してほしかったが……流石にそんな事は言えなかった。


 ともかくこの街にもうヒットマンは居ない。なら……後はコウが目を覚ますのを待つだけだ!!


 だから……早く目を覚ましなさいよ……!コウ……!!



 そうそう!

 私のパパとママが、なんでこの街に居たのかということだが……どうやらカノン社長が私に内緒で、私の身元とかを調べて、連絡を取ってくれていた様だ。そしてこのセントラルステージへ招待してくれたらしい。


 久しぶりにパパとママに会った私は……当然怒られると思っていたのだが……何故か二人に謝られてしまった。私の夢を応援する事が出来なかった自分たちを許してくれ……と。


 そんな両親に私は……本当に申し訳なくなった。悪いのは……勝手に家を飛び出した私だ!パパとママは悪くない!!


 結局私は泣きながら両親に謝り、両親もそれを許してくれた。

 そして……このままアイドルを続けてもいい、自分たちも当然応援すると約束してくれたのだ!


 こうして私はこの街で、アイドルを続ける事が出来る様になったのだ!!

 

 だから……後はコウが目を覚まして、今度はアイスもイリヤも含めて皆で……今度こそ最強のLumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)として来年更に飛躍するだけだ!!………そう思っていた、この時までは……。



 二週間たって遂に目を覚ましたコウに私は……人目もくれず抱き着いてしまった。でも仕方ないでしょ?……本当に……嬉しかったんだから!!


「コウ!!本当にもう大丈夫なのよね!!?」

「ふふ……。うん。体のあちこちまだ痛いけど……大丈夫だよ……」


 よかった……。本当によかった……!!


 体の傷とかは聖女様が癒してくれたみたいだし、後はゆっくり回復していけば……またコウと一緒にステージに上がれる!!

 親友でライバルで……この街でいっちばん輝いてるトップアイドルのコウとまた……!!


 と、本気で思っていた。でも………。



 コウは今回の怪我の後遺症で、もうアイドルを続ける事は出来なくなってしまったのだ……。



「………………え?」

「右手がね……上手く上がらないんだ……。ゆっくりなら何とか……上げれるんだけど……。あとね……元々無かった体力が……ね……」


 コウの怪我の後遺症は、思った以上に酷かった。


 まず体力が極端に落ちてしまった。

 元々無かったスタミナだが、少し走るだけで、ちょっと激しい運動をするだけで息が切れてしまう様になってしまった。


 もう一曲通して踊る体力は完全に無いらしい。

 しかも……もしかしたら、もう体力が戻る事は無いかも知れないそうだ……。


 そして何より悪いのが……右腕。

 コウの利き手である右腕は、見た目は何も悪く見えないのだが、思う様に動かせなくなってしまったらしい。コウの意思に反して中々動いてくれない右腕に、コウ自身諦めの笑みを浮かべて苦笑いしていた。


 しかもこの二つだけは……聖女様でももうどうする事も出来ないそうだ。


 なんて事なの……。これじゃもうコウは……アイドルを続ける事なんて出来ないじゃない……!!


 私はそれを聞いて、愕然と目の前が真っ暗になるのを感じた……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ