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第70話

 ギーツと約束した日からあっという間に二週間が過ぎ……セントラルステージ本番一日前になった。

 

 その日は本番に備え、会場に入りリハーサルを行う事になっていた。

  

 そしてリハーサルの為に入ったセントラルステージの会場は……想像を絶するほどの広さと、豪華さを誇っていた!!すごい!!

  明日はここで俺達が自分たちの成果を披露するんだ……!!そう思うと、緊張と期待で居ても立ってもいられない!!


 ギーツから聞いたマフィアの事が頭の片隅にあるが……それはひとまず置いておきます!!だって俺じゃあどうしようも無いし!!

 それよりも俺達がここで最高のパフォーマンスをする事が……何より大事なのだ!!だからマフィアの事はギーツに丸投げで!

 いや……黒騎士に変身してお前がどうにかしろよって思う人もいるかもしれないけど、この時の俺はそんな事、全然思い至っても無かったのである(ただの阿呆)!!


 それと……俺がこの三カ月で行っていた、とある事。

 カノンさんとリーダーのラビルにだけは教えていたLumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)最大のサプライズ……。本当は今日ぐらいには間に合いそうだったのだが……どうやらダメっぽいなー。

 もし今日間に合えば、明日最高の本番を迎えられると思ってたんだけど……現実はそう上手くはいかない様だ……。

 まぁ二人も明日には間に合わせるって言ってたから……大丈夫かな?多分!


 もしこれが上手くいけば……俺の力も捨てたもんじゃあ無いって事になるから、俺自身非常に楽しみだ!


「明日はこの会場で……君と全力で戦えるんだね……!」

「!!……アヤネさん……」


 俺が会場をボーっと眺めていると、後ろからFlora(フローラ) Kiss(キッス)のアヤネさんが声を掛けてきた。


「ふふ……楽しみだよ。君との頂上決戦が……ね!」

「……負けません……!」

「その意気だよ。ああ……本当に楽しみだ……!」


「随分と盛り上がってるじゃねぇか!!二人で勝手になぁ!!」


 俺とアヤネさんが闘志を燃やしていると、Devil's(デビル) Wink(ウインク)のセンターであり、リーダーでもある赤髪少女、アリヨクが割り込んできた。彼女はセントラリア・ルミナフェス以降何かと絡んでくる困ったさんなのだ。


「アリヨクさん……」

「あんた達にゃ悪いが、明日優勝するのは……アタシたちDevil's(デビル) Wink(ウインク)さ!!」

「いや、それは無い」


 意気揚々と宣言するアリヨクを、アヤネはバッサリと切り捨てる。


「ああん!!なんでってこの!!」

「君達じゃあ、僕達には勝てないよ?アリヨク。それは君が一番よく解ってるんじゃないのかい?」

「どうだかねぇ!!やって見なきゃわかんねぇよ、アヤネ!!もう勝った気になるのは早いんじゃないのかい!!?」

「はぁ……実力差も解らないのかい?キミは……」

「あんだってぇ!!言わせておけば調子に乗って、このぉ!!」


 バチバチとアリヨクとアヤネが火花を散らす。


 ちょっと二人の間に入っていけなくなった俺は、二人から一歩離れて様子を伺う事にした。


「コウーーー!ミーティングの時間よーーー!!」


 どーしよっかなーと二人を眺めていると、手を振りながらクルミが俺を呼ぶ。


 ナイスタイミングだ!!

 俺は火花を散らす二人に、ペコリとお辞儀をして言った。


「じゃあお二人とも、明日は全力で頑張りましょう!」

「ふん!!あたりまえさ!!……コウ!!全力で叩き潰してやるよ!!」

「ふふ。明日が楽しみでたまらないね?コウ……。またね」


 二人の言葉を受け、俺はまたペコリとお辞儀をすると、クルミの方へ走っていく。

 途中振り返れば、アヤネは微笑んでひらひらと、アリヨクはふんっと鼻を鳴らして小さく手を上げた。

 そんな二人に俺も笑顔で手を振ると、今度こそクルミ達の待つ楽屋へ走っていく。


 やっぱりグループは違えど、俺達は同じアイドルだ!目指すべき場所が同じライバルだが、志は恐らく一緒なんだろうと、そう思うと俺は嬉しくなって心が温かくなるのであった。



「貴女達……本当に、本当に素敵なアイドル達よ!もう私が貴女達に言う事はひとつ……。明日は全力で楽しんでらっしゃい!!全力で楽しんだものが……一番強いのよ!!」


「「「「「はい!!!」」」」」


 カノンさんの激励に、俺達は声を揃えて答える。


 こうして最後のミーティングを終えた俺達は、各々岐路に着くわけなのだが……俺はクルミともう少しセントラルステージを見て回る事にした。クルミがまだセントラルステージを見たりないらしい。


 それにミリヤが迎えに来るまでにはまだ暫く時間がありそうなので……暫くここで待ってなきゃいけないのも事実だし、俺に断る理由は無かった。


 二人でぶらぶらと、談笑しながらセントラルステージ周りを見ていると、不意にクルミは口を噤んだ。


「……?どうしたの?クルミ……」

「……あんたさ……セントラルステージが終わったら……どーすんの?」

「うーーん。ギーツさんは仲間になってくれるそうだから……どうするかはまだ決めてないけど……」

「だったら……!アイドル続けなさいよ!!」


 クルミは真剣な目で俺を射抜くように睨むと言葉を続ける。


「このまま勝ち逃げなんて許さないわ!前も言ったけど……私の目標はあんたを超える事なんだからね!!」

「クルミ……」

「それにグループには……私にはまだあんたが必要なのよ!!だから……無責任にアイドル辞めるなんて……許さないんだからね!!」


 真剣な眼差しを俺を射抜くクルミの熱い思いが胸に沁みる。

 正直な事を言うと……俺も迷っていたのだ。セントラルステージの後の事を。


 そりゃ俺はエイシャ一行なんだから、セントラルステージ後は勇者パーティーに戻るのが普通だ。


 でも……だからといってこの四カ月苦楽を共にしたクルミを……Lumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)の皆をこのまま置き去りしてこの街を離れられるのか?俺は……。


 それに……俺を応援してくれているファンの皆も……俺は放って行けるのか……?


 今、無敵のアイドルモードなので、メンバーの皆……そしてファンの皆の事を思うと……どうしても後ろ髪を引かれる思いになってしまう。


 実はこの事はミリヤとも相談していたんだ……これからどうするべきか。

 答えは結局決まらなかったけど、どんな答えを出したとしてもミリヤは応援してくれると言っていた。

 

 なら……!!


「うん!私アイドルを……続けるよ!クルミ!……できるところまで……やりたいよ!」

「コウ……!!……ふん!!当たり前でしょ!!」

「ふふ……。クルミ……ありがと……」

「……ふん!!」


 クルミのおかげで決意は決まった!!俺はこの街でアイドルを続ける!!

 とりあえず明日のセントラルステージ……全力で頑張るぞ!!


 照れ臭そうにそっぽを向いてしまったクルミに、笑顔で手を差し出す。クルミはそれを拒むことはせず……二人で硬く手を結ぶ。

 


 だが結局このクルミとの誓は……残念ながら守られる事は無かった。

 何故なら明日のセントラルステージが、俺のアイドルとしての最後の舞台になってしまったからだ。


 こうして舞台は冒頭(第53話)、感動と悲劇のセントラルステージ本番に戻るのである……。

 

 ………いや回想長いな!!?

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