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第67話

「いやーwwwオウフwww薄々感じてたんでござるよwwwあれ?拙者忘れられてね?ってねwww」


 道端ではなんだと、場所を移して喫茶店へ。

 

 ここはかつてカノンさんとお話した時も来た喫茶店だが、なんだろ?あの時はすごくお洒落な感じの喫茶店って感じたけど、ギーツ(この人)がいるとなんだか喫茶店の雰囲気まで壊れてしまっている様な気がする……。ギーツには非常に失礼だけど……。


「デュフフwwwそれにしてもコウたんの快進撃は目を見張るものがありますな!拙者素直に敬礼!」


 そう言って敬礼するギーツに普通にイラつく。

 なんだろ?この人、言動全てが人をおちょくってるように感じるんだよね……。


「はあ?あんたそんな事言う為にわざわざ私達をここに連れてきたの?違うでしょ!?言いたいことがあんならさっさと言いなさいよ!」


 俺以上にイラついているであろうミリヤが、声を荒げながらギーツに問う。


「ドゥフwwwサーセンwwwでわwwwコウたん!!」

「は……はい!」

「実は拙者、コウたんにお願いがあって来たのでござるよ!」

「お……お願い……ですか……?」

「そうでござるwww実は……」


 なんだろ?ギーツが俺にお願いなんて……。正直碌な事じゃない気がする。


「コウたんは本当に最高のアイドルですなwww拙者本当に感激したでござるwwwその輝きは、拙者の押しのアヤネちゃそに勝るとも劣らない……ドゥフwww「いいからさっさと言いなさいよ!!」フヒヒwwwサーセンwww……では……」


 なんで一回はぐらかしたんだ?この人……。


「セントラルステージ……コウたんには辞退して欲しいんでござる!!」

「………へ??」


 じ……辞退しろだと!!?

 何言ってんだこいつ!!大体にしてお前が仲間になる条件として、俺はセントラルステージ目指してたんだぞ!!?最初は!!!それを辞退しろだなんて……馬鹿にするにも程がある!!!


「な……なんで……ですか……?」

「あんた……まさか自分の好きなグループが、コウたちに負けそうだからって……辞退しろって言ってんじゃなんでしょうね!!?」

「チョwwwモチツケwww」


 ミリヤが声を更に荒げて、今にも胸倉を掴む勢いでギーツに怒鳴る。

 ミリヤの怒声に、周りのお客さん達も何事かと俺達に注目していた。


「お……お姉ちゃん!落ち着いて……!店内ですよ……!」

「あ!!ご……ごめんね……。えっと、皆さんも申し訳ありません……」


 ミリヤは周りのお客たちに謝り、声を落ち着かせて改めてギーツに問った。


「どういうつもりなの!?返答次第じゃあ……!!」

「拙者そんなつまらん横やりは入れんでござるよ!そもそもアヤネちゃそは好敵手を求めていたのでござる……。せっかくのし上がってきたコウたんを、わざわざ拙者が邪魔するなんて……それは絶対に無いでござるぅ!!」

「じゃあ……なんでよ……!?」


 力を籠めて言ったギーツの答えに、ミリヤは困惑しつつ更に問う。

 

 確かにアヤネはライバルを求めてるっぽかった。それをギーツが解っていたのなら、尚更俺をセントラルステージへ行かせたい筈だ。……じゃあ本当になんで??


「実は……拙者こう見えてもこの街の事をよく知っておりましてなwww実はずっととある事件を追ってたのでありますよwww」

「ある……事件?」

「左様wwwそれはLumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)の元センターアイスちゃその魔道具の暴走による事故、そしてイリヤたんの失踪と言う名の誘拐……これらの影にはマフィアによる非合法賭博がからんでいるのでござる」


 こう言っちゃなんだけど、いきなり真面目な……かなりやばい話になって来たな!!マフィアに非合法賭博だなんて!!


「マフィアによる賭博……ですって!?」

「嘆かわしい事にそんなんでござるよぉ」

「アンタが元締めじゃ無くて!?」

「ちょwww唇裂wwwなるほどそう来ますかwwwですが拙者は犯人ではござらんwww」


 その後のギーツの話によるとこういう事らしい。


 アイスの事故やイリヤを襲ったのは、ラ・ローザ・ネーラと言うこの国最大のマフィア組織らしい。

 何でもそいつらは、セントラルステージでどのグループが優勝するか、非合法の賭けをしている元締めらしく、そして……自分たちが賭けているグループを負かす可能性のあるグループのメンバーに手を出していたらしい。


 今まではアイドルに近寄り、家族などを人質に脅していたそうだが……アイスやイリヤは身寄りの無い子供達。脅しにも屈さなかった二人をそいつらは……直接手を掛けたそうだ……!!


 ギーツはそんな裏で暗躍している組織を、ドル活をしながら探っていたらしいのだが……奴らは逃げ隠れるのがとても上手かったそうだ。

 ギーツという抑止力……つまり勇者と直接やり合っても得にならない事を彼らも重々承知だったみたいで、本当に尻尾を捕まえるのが難しかったそうだ。


 故にギーツはとある作戦に出た。

 それは……聖斧を手放す事。


 それにより、ギーツは勇者としての力を失い、マフィアの連中にとっても脅威では無くなる。

 あと普通にお金も欲しかったらしいが……。


 そうすれば今まで以上にマフィアの連中は派手な動きを始めるだろうし、実際奴らは……そうしてアイスやイリヤを手にかけたのだ!!


「アイスちゃそとイリヤたんの件は……本当に申し訳無かったと思っているでござる……。まさか拙者が聖斧を手放したとはいえ、あそこまで派手な事をするとは……」


 意気消沈して言うギーツは本当にこの街を……というかアイドル達を守ろうとしてたんだな、と思う。


 だがそれでも……そこまで派手な動きをされても、ギーツはマフィア達を捕まえる事は出来なかったそうだ。


「じゃあなんでそんな危険と解っていながら!!コウをアイドルに……セントラルステージに立たせようとしたの!!?」


 確かにそうだ。

 この人俺を生贄にでもしようとしてたんだろうか?


「それは……まさか本当にアイドル出来るとは思って無かったござるwwwだって普通あのタイミングで事務所からスカウト来ることある!?知らんけどwwwつまり……何が言いたいかと言うと……サーセンwww」

「こいつ……!!!」

「それにエイシャ殿がいるから大丈夫かなーなんて思ってたのも事実ですな!でも肝心のエイシャ殿いねーじゃんwww\(^o^)/オワタ」

「こ……この!!」

「だから……コウたんにはひじょーに悪いんですけど……アイドル……辞めて貰っていいでござるかね?あ!!でも拙者!!コウたんには感動しましてなwww故にセントラルステージを優勝しなくても、拙者もエイシャご一行に入って「いやです」ファーーーwww」


 あ!タイミングが被った。


 別にギーツが仲間になるのが嫌な訳じゃない。ただ……。


「私……まだアイドル辞めません。セントラルステージも……辞退しません!」

「コウ……」


 ミリヤが心配そうに俺を見つめるが……これだけは譲れない!


 だって辞められないのだ、今更!

 ここまで皆で頑張ってきて、わが身可愛さに俺だけ抜けるなんて……そんなの絶対に出来ない!!!


「いやしかしですな……」

「じゃあ守ってください!」

「ファ!?」

「貴方が私達を……アイドル皆を……全力で守ってください!!」


 俺の言葉にギーツは、驚き目を見開くのであった……!

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