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第61話 伝説の始まり(とあるアイドルファン&ミリヤ視点)

 私はその日の事を一生忘れないと思う。


 言っては何だが、私は結成当時からのLumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)のファンである。そこら辺のにわかファンとは応援してきた年季が違うのだ!


 だから……今日という日が待ち遠しくもあり、怖くもあった。


 今日はLumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)の復活ライブ。

 センターのアイスちゃんと中心メンバーのイリヤちゃんが抜けたLumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)。その二人の変わりに新しいメンバーを加入したらしいのだが……果たした私は……私達はその子たちを受け入れる事が出来るのだろうか?


「うーーん。グループの再開は嬉しいけど……ちょっと早すぎるんじゃないかなぁ?」

「やっぱり?私もそう思うわ……」


「アイスちゃんが居ないLumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)なんて、最早クリームの無い、シュークリーム!炭酸の無い、コーラみたいなものですな!!」

「アイスちゃんやイリヤちゃんの変わりなんて誰にも出来ないと思うが……さて……お手並み拝見だね……!」


 周りもファンたちも不安を口にする。私だって同じ気持ちだ。


 そして……運命の時間がやっていた。


「皆さま!!長らくお待たせいたしました!!只今よりLumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)の復活ライブを行いたいと思います!!」


 ファンたちの不安を余所に、ついにLumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)の復活ライブが幕を開けたのだ。

 

 司会の人が長々と、お詫びとこれからの事についてを説明しているが、そんな事正直どうだっていい。


 早く……早く……!!でも……やっぱり見たくもない!!


 私は揺れ動く二つの感情で、心臓が張り裂けそうなほどに鳴っていた!!


「それでは……登場して頂きましょう!!新制Lumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)の皆さまです!!」


 きた!!!!


「みんなーーーー!!お待たせしてごめんね!!そして待っててくれてありがとう!!アイスとイリヤがあんなことになって……私達も胸が張り裂けそうだけど、二人の分まで私達が全力で頑張るから!!また応援よろしくねーーー!!!」


 リーダーのラビルちゃんが開口一番に皆に声を掛ける!!

 やっぱりラビルちゃんはかわいい!!私はLumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)の箱推しなのでメンバー皆が大好きなのだ!!


「そして……皆も気になってると思う新しいメンバーを紹介するね!!まずは……クルミ!!」

「はーーい!!」


 ラビルちゃんに呼ばれて、ピンク髪の美少女が皆の前に立つ。

 なるほど……この子は……紛れもなく美少女だ!!正統派って感じの美少女の登場に会場も騒めく。


「皆さんこんにちは!!私の名前はクルミって言います!!抜けたメンバーの分まで……全力で頑張りますので、皆さんどうか応援よろしくお願いしまーす!!」


 少し緊張しているのか声が上ずっているが、まぁそれは許容範囲!!彼女は紛れもなく……アイドルとしてのレベルは高いと見た!!


 私は少し安心していた。

 アイスちゃんやイリヤちゃん程ではないにしても、彼女を含めたLumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)は前と同様ぐらいのパフォーマンスは出来るのではないだろうか?


 そんな私の幻想は……次の瞬間粉々に打ち砕かれるのである……。


「うんうん!!皆!!クルミを宜しくね!!……じゃあ、もう一人のメンバーにも登場してもらうよ!!コウ!!よろしく!!」


 ラビルちゃんの呼びかけと共に、メンバーの奥から現れた少女を見た瞬間……騒めいていた会場が一気にシーンとなった……。


 美しい銀髪は会場の光に合わせて輝いて見える。

 誰よりも整った容姿は、見る者を虜にさせる力を持っていた。

 そして何より、その深く青い瞳……その瞳に会場は魅入られていた……。

 

 どうしよう……。どうしたらいいんだろう?

 

 私達が動揺して、息を飲んでいると……彼女はそんな私達を安心させるかのようにニコリと笑った。

 その瞬間私の心臓は彼女に鷲掴みにされた様に感じた!!


「皆さん……。初めまして!私はコウです!」


 彼女が口を開いた瞬間、会場のスフィアが輝いた様な気がした。

 

 彼女達が胸元に着けている、宝石型の魔道具は会場の魔道具スフィアを通じて声をより遠くまで響かせることが出来る。

 そしてそのスフィアは、音楽や歌に合わせて美しく光り輝くのだが……逆に言えば基本的に話してるだけでは声を響かす効果しかなく、決してスフィアが輝くことは無いのだ……無い筈なのだ……!!


「今日から皆に笑顔を届けられるよう頑張ります!皆さん応援よろしくお願いします……!」


 決して声を張り上げている訳ではないのに、その澄んだ声は会場の隅々まで通っていただろう。


 一瞬の静寂の後、会場から歓声が上がる!!まだ一曲も披露していないの……もう会場のボルテージは最高潮だ!!!


「それでは聞いて……下さい!『ルミナス・コード』!」


 最高潮のボルテージのまま、Lumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)の復活ライブが始まった!!!

 私達はもう既に彼女達の……彼女の虜だった!!!


 未だかつて私は此処まで熱狂していただろうか??

 

 始まる前の不安も何処へやら、私達はもう新制Lumi(ルミ)Twinkle(トゥインクル)に夢中になっているのだった……!!!



「ああああ!!コウ!!コウ!!!なんて……なんて神々しいの!!?」


 私は止まらない涙を拭うことも出来ずに、唯々ライブに夢中になっていた!!


 始まる前は不安だったのだ。

 コウは恥ずかしがり屋だし、少し引っ込み思案な所もある。


 そんなコウが人前で、歌って踊る事なんで出来るのだろうか?……と。


 でもそんな不安は杞憂だった!!

 

 会場で皆に笑顔を振りまきながら……時には無邪気に、時には美しく……皆を魅了していくコウに、私は言葉に出来ない程の感動を味わっていた!!


 この場に来れないマリィとキーちゃんは本当に可哀そうである!!(エイシャはざまぁ!!)

 

 それ程までに……コウは神がかっていたのだ!!

 まさかコウの天職がアイドルだったなんて……!!


「コウはすごいですね……。私でも、デビューであれ程素晴らしいパフォーマンスは出来なかったと思います……」


 私はライブに熱中していると、いつの間にか隣にカノンさんが立っていた。


「カノンさん!」

「コウさんを私に預けてくれて本当にありがとう……。ミリヤさん。私は絶対にあの子を……歴史に残るトップアイドルにして見せるわ!!」

「カノンさん……!!コウを……よろしくお願いします……!!」

「ええ!!ミリヤさん……!!こちらこそよろしくお願いします……!!」


 私はカノンさんの両手を強く握りしめてコウを託す。それに答える様にまたカノンさんも強く手を握り返してくれた……!!


 そして私は当初の目的……勇者ギーツの勧誘の事など完全に忘れて、唯々ひたすら会場で踊るコウに夢中になっているのであった……!!

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