第60話
運動音痴とダンスの上手さは無関係、いいね(戒め)。
はーい。絶賛アイドル道中まっしぐらのコウです!!
転生前でも転生後でもこんなに頑張ったことはあっただろうか?ってぐらいハチャメチャに頑張ってます。
なんでそこまで頑張る必要があるんだってクルミにも言われたけど……やっぱり俺もクルミに刺激されてんだろうなーて思う。なんだろ?本気でやってる人の隣でちんたら出来ないって言うか、そういう人の隣でいつまでも嫌だ嫌だ言ってるのはかっこ悪いなって思うのだ。
当たり前だけど、メンバー皆本気だ。本気でセントラルステージを目指して頑張ってるんだ。だから俺も………と思って頑張ってる!!でもきちぃ……。
ミュトス・プロダクションは身寄りの無い女の子たちを保護して、アイドルに育成している。だからLumi♡Twinkleのメンバーも、一部を除いて大体は身寄りのない女の子達らしい。
だからなのか、俺達が加入した当初はメンバーの当たりがけっこうきつかった。
彼女達的にはどこぞの馬の骨とも知らない奴らが、自分たちのテリトリーに土足で入って来たって感じなんだろう。それに今いない二人のメンバーの変わりにっていうのも、気に入らなかったんだと思う。
でも……地獄の一カ月を超える頃には、メンバー達とも大分打ち解けて、最初の頃の様にピリピリとした雰囲気は無くなってきた。
これも俺達が本気で頑張っていたからだと思し……リーダーのラビルが上手く俺達を取り持ってくれたからだと思う。ラビルは気づかいの達人なのだ。
そう!もう一カ月も経つのである!!
この一カ月、俺達はミュトス・プロダクションの寮に下宿していて、ミリヤと会う事は殆ど無かった。
エイシャは流石に一カ月もこの街でぼーっとしてる訳にはいかないので、俺の護衛をミリヤに任せて取り合えず国に戻って行った。
つまり今この街にいる勇者パーティーは俺とミリヤだけなのである!
初日はずっと一緒だったミリヤや一緒に寝ていたキーちゃんとかがいなくて寂しかったけど……正直練習とかがきつすぎて、三日経つ頃にはそれ所じゃ無くなってた!!まぁ……ある意味良かったかもしれないけど……。
そして月日は流れ……運命のLumi♡Twinkleの復活ライブの時が来たのであった……!!
◆
「いい?貴女達はもうステージに上がったら素人じゃ無いの!そりゃ二人は新人アイドルだし、グループにあんな事があった後だから、ファンの皆さんも温かく見守ってくれる人もいるかもしれない……。でも!!暖かく見守られる様なアイドルじゃだめなのよ!!それじゃセントラルステージなんて夢のまた夢!!貴女達はファンの度肝を抜く様なアイドルになるの!!いえ!!ファンだけじゃない!!まだファンじゃない人たち全員を魅了するほどのステージ……ブチかましてやりなさい!!!」
「「「「「はい!!!」」」」」
俺とクルミは当然、メンバー皆の声が木霊する。
カノンさんの激昂に、俺達のボルテージも最高潮だ!!
ライブ会場にもそこその客が入っており、元々のLumi♡Twinkleの人気も伺える。
……こんな大勢のファンの前で……俺は本当に歌えるんだろうか??………やばい!お腹痛くなってきた!!……そして……冷静になるな!!今自分がヒラヒラのアイドル衣装着てることを恥ずかしく思うな!!……嫌、無理……お腹痛いしハズイィィ……。
「コウ!!なんて顔してんのよ!!」
「クルミ……」
俺が緊張でお腹痛くて恥ずかしくて訳わかんなくなってきてると、クルミが俺の肩を掴んで言った。
「あんた……このあたしを差し置いて今回センター任されてるのよ!?だったら……胸張って頑張んなさいよ!!こんなとこで緊張して縮こまってんじゃないわよ!!」
クルミの激励が胸を突く。
この一カ月でクルミがどんだけアイドルをやりたかったか、どれだけアイドルに本気かが嫌というほど解った。……あと絶対この子記憶喪失じゃないのも……。
ともかく、そんなクルミだから、俺が今回センター任されたのは……本当は嫌だろう。自分がセンターしたかった筈だ……。でも……!!
「そうだよ!コウ!何があっても私達がフォローするから!一緒にがんばろ!!」
リーダーのラビルが笑顔で俺を勇気づけてくれる!
「そーだよー。コウちゃんがんばってぇー」
「そうですよ!アイスやイリヤの分まで私達が頑張らないと……期待してますよ?」
「いっちょやっちゃおうよ!ダメで元々!!かましてやろうよ!!」
他のメンバー達も口々に俺に激励をくれる……!!
そうだ!!
何一人で縮こまってたんだろう!!
俺は一人じゃない!!こんなに頼りになる仲間たちがいる!!
「少しはまともな顔になったわね!!……失敗するんじゃないわよ!!コウ!!」
「うん!ありがと……クルミ!」
「ばっ!!ばかね!……お礼なんていらないのよ!」
赤らめた顔を背けて、恥ずかしそうにするクルミに癒されながら俺は他のメンバーに言った。
「皆さんも……ありがとうございます!!私……全力で頑張ります!!」
「うんうん!!頑張ろうね!!コウ!!」
「よーーし、かましてやろうよ!!」
「ふふ……。いい顔になりましたね?」
そんな私達を見て、満足げに頷くとカノンさんは私達に言った。
「いい感じになってきたわね!!じゃあ後は……全部出し切るだけよ!!」
「「「「「はい!!!」」」」」
今度こそメンバー皆の気持ちは一つだ!
「それでは……登場して頂きましょう!!新制Lumi♡Twinkleの皆さまです!!」
丁度良く会場へ俺達が呼ばれる。
ラビルは皆を見て大きく頷くと、メンバー皆で円陣を組み言った。
「じゃあ皆!!行くよ!!Twinkle~~~~GoGo!!!」
その掛け声と共に、俺達はステージへと駆け出す!!
ここからが……俺達のステージだ!!!
イメージするのは常に最強の自分!!俺は……最強で無敵のアイドルなんだ!!!
俺はもう緊張も、恥ずかしさも無く、ただただ最強で無敵のアイドルになり切ってステージに向かうのであった……!!




