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第43話

 うーーーん……どうしたものか……。


 俺は目の前で優し気に話すフェネクス王子を見て困惑していた。


 なぜかと言うと……黒騎士サーチャーが最大限の警戒音を鳴らしているからだ。こういう時って大体碌な事がない。

 前の警告の時はミリヤが魔族に操られてたけど、この人もそうなのかな?だとすると、迂闊な事はできないなー。


「兄上がどういうつもりなのか解らないけど、とりあえず君たちを出してあげるよ!」

「本当ですか!?」


 俺が頭の中でうーんうーんと悩んでいると、フェネクス王子がリリーナ様に提案する。あ!一応俺にもか。でもなーーーー。


 多分だけどこの王子、今敵に操られてるんだろうな。だってめっちゃ不自然だし。

 大体にして王子が牢屋に来てるのに、護衛もつけずに来るなんて可笑しくないか?看守の人も全然来ないし。


 となるとここで俺達がフェネクス王子の言葉通りにこの牢屋から出ると、多分そこでアウト!!ってなるんだろう。命が!!


 どーしよ。

 ここはリスクを冒してでも黒騎士へ変身すべきなんだろうか?

 絶対に誰にもバレたくない俺の正体だが、正直それで命まで賭けるぜ!!ってなるとそこまででもない。だって普通に死にたくはないし。


 一番バレたくないミリヤは此処にはいないし、王都では俺の街ほど黒騎士が有名じゃないから後でリリーナ様とかと口裏合わせとけば何とか皆にはバレずに済むかなー。


「さ!すぐに鍵を開けてあげるね!」

「はい!……でも本当に大丈夫なんですの?わたくし達が勝手に「私は牢屋に残ります!!」っつ!コウ様!?」


 リリーナ様の言葉を遮る様に言った俺の言葉に、リリーナ様が驚く。


「私達、何も悪い事はしていないので……すぐに出れると思います!」

「コウ様……」

「フェネクス様には申し訳ありませんが……。リリーナ様!ここで抜け出したら……悪いって認めちゃってる事になりますよ!」

「……コウ様……」


 取り合えず適当に理由でっち上げて牢屋(ここ)に残る事にした。

 多分だけどエイシャやミリヤが助けてくれるだろうし、何より真実さえ明るみに出れば俺達は晴れて牢屋から出て行けるんだ。無理に今出て行く必要はない。やっぱ黒騎士だとバレたくもないし!


 そもそもなんでフェネクス王子が牢屋の鍵持ってんだよ!?怪しすぎんだろ!!


「大丈夫だよ!コウちゃん!王族の僕が出してあげるんだから……それは罪にはならないよ?」

「でも……私達どちらにしろ悪い事してないし……お姉ちゃんやエイシャ様……マリィ様がきっと私達を此処から出してくれます!」

「……僕が信用できないの?」

「違います……でも……私、お姉ちゃん達を信じてます!」

「コウ様……!!」


 牢屋(ここ)から出ない為の口八丁なのだが、何かいい感じにノってきた!!


「だから……きっと第一王子もエイシャ様達が元に戻してくれます!!リリーナ様も信じて下さい!」

「…………はい……!!」


 よし!!これで取り合えずフェネクス王子の誘惑からリリーナ様も耐えられるかな?

 俺は少し俯いているフェネクス王子に向きなおると言った。


「だから「あああああああ!!!本当にうざいなぁ!!!」えええぇぇ……?」


 この人本性現すの早くない?そんなもん?

 俺の言葉を遮る様にフェネクス王子は言葉を発すると、酷く濁った瞳で俺を睨みつけた。


「人が下手に出てりゃつけ上がりやがってこのアバズレがぁ!!」

「ふぇ……フェネクス王子……?」

「ああん?キミは少し黙っててくれるかな?人間。僕は今その白銀の(エンシェント)ドラゴンと話してるんだよ……。……それにしても君は本当にキモイね?存在って言うか…そのものが!本当はもう少し君を油断させてって思ってたけど……もういいや。君と話してると吐き気がしてくるんだよ!!もう死んでくれる?そこの人間と二人仲良くさ?」


 えええええ……。

 何かこの人操られてるっていうより、これが素っぽいけどどうなんだろ?


 フェネクス王子は右腕を高く上げると指を鳴らす。すると、どこから現れたのか魔族と魔物がうようよと湧き出始めた。


「さ。黒騎士とか召喚されたら面倒だし、さっさと死んで?」


 フェネクス王子の号令と共に、一斉に魔族達が俺達に向かって牙を向く。

 魔族の一体が剣を振るうと、牢屋の鉄格子が裂かれてしまった。そこからぞろぞろと俺達の牢屋に魔族達が侵入してくる。


 こりゃもうだめだな……黒騎士に変身しよ。


 そう思い、変身しようとしたその時!!


「キーーーーーー!!!」


 甲高い鳴き声と共に、キーちゃんが牢屋の窓から侵入してきた!!

 今日はパーティなので流石にペットを連れて行ってはダメだろうと、ホテルでお留守番してもらっていた訳だが、まさか俺のピンチに駆けつけてくれるなんて……!!

 

 そしてキーちゃんは息を大きく吸うと、次の瞬間黒い煙幕の様なものを吐き出したのだ!!


 なんて……なんて出来る子なんだキーちゃん!!!

 俺を助ける為に咄嗟にした行動なんだろうけど、まさにベストタイミング!!!


 俺はその煙幕に乗じて瞬時に黒騎士に変身する!!


 その後瞬時に分身(コウ)を作り、(黒騎士)自身は体を霧状に変えて一旦牢屋の窓から外に出る。


 そして……


「くくくく。あの阿呆娘が捕まったと聞いて胸躍っていたが、流石に放置している間に殺されてはつまらん。此処は俺と遊んでくれるかな?魔族共……」


 外から壁をぶち破って、牢屋に侵入するのであった!!

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