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幸福課税社会

「すべての人間は平等であるべきである。ゆえに平均よりも幸福な人間には税金をかけるべきである」


 どのような議論の末にそのような法律が通ったのか、その議論に参加したのは果たして誰だったのか、いまとなっては誰にも分からない。

 一つだけ確かなことは狂うことも間違えることもない完璧な機械がすべての人間を監視し、平均よりも幸福であると判断された人間すべてから税金を徴収していることである。


 その税金を免れるために、今日も街には「平均的な幸福」よりも下であろうとする様々な人が溢れ返っている。

 家を捨てる者、家族を捨てる者、友達と縁を切る者、返せるはずもない借金を自ら背負う者、自らの手足を切り落とす者……。



 税金を払いに来た青年は街の様子を眺めてこう呟く。


「まさか五体満足でいるだけで幸福だと判断される日が来るなんてな」

 

 税金を払い終えたあとの彼には一月生きていくのにギリギリな金しか残っていなかった。

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