やり直しルート開始〜今回こそは自由に生きるぞ〜
ロリ…目覚めます…
ーーー20年…もう充分過ぎるほど生きた、次こそはもっと自由に、いろんな世界を見て回りたい…
びっしょりと汗をかいて起きるとそこはなんてことない自分の寝所だった
「なんだ、夢か…」
と思うにはあまりにもリアル過ぎる
前世のことを思い出すのはこんな感じなのか…と幼い寝ぼけた頭で考えて思わずハッとした
そうだ、"わたし"は帝の妃の内のひとりだった…
そう自覚した後はあまりにもスルスルと、前世の、過去の記憶が頭に流れてきた
ロリコンだと噂の今の帝、そんな帝に貴族達はこぞって幼い娘を差し出した
歳を重ねれば可能性がなくなってしまう、と我が家からも当たり前のように12歳になった途端、後宮へと奉公に出された
それなりに裕福な商家で、蝶よ花よと甘やかされて育った私はなぜ後宮へ行かねばならないのかとそれはそれは泣いて駄々をこねた
後宮で働けば少しでも帝に見初めていただける可能性があるから、と、お姫様に(お妃様に)なれる可能性があるんだよ、と幼い私は両親に上手く言いくるめられ後宮へと送られた
その後、幸運にも後宮で働く私にもその"時"はきた
どうやら帝がロリコンとの噂は本当だったらしい
めでたいことに帝のお手つきとなり、上級妃には及ばないもののそれなりの裕福な商家の出ということもあり、それなりの妃の地位を獲得した
最初は幸せだった
念願のお姫様(お妃様)として、誇らしい気持ちでいっぱいだった
だが、男性の気持ちとは移ろいやすいものである
私は同年代の女の子たちから比べると多少の大人びるのが早かったのかもしれない
あっという間に他の女性に目移りし、私など眼中にも入らなくなってしまった
いくら大人びているとはいえまだ10代の何も知らない少女なのだ
なぜ帝が相手にしてくれないのかわからないままひたすら待った
覚悟を決めて帝にお目通りを、とお願いしたこともあった
しかし妃は帝の通いを待つのみ、とお目通りが叶う日は来なかった
さらに、それなりの地位の妃、また帝のお手つきという事実から後宮を出ることは許されなかった
そんな中、20歳の誕生日を迎えた私は人生に諦め、身を投げたのだ
走馬灯のように、記憶が蘇り、あまりの情報量に頭が痛くなってきた
そこでようやく現実へと引き戻された
さて、今は…
幸運なことに私はまだ11歳であり、後宮へと送られる前である
残念ながら、このご時世で後宮に行かないという選択肢はとれないだろう
幼いながらにそこは理解している
しかし、後宮で働いたとしても、帝のお手つきにさえならなければ、目立たず働いていれば良いのだ
そしていつかは後宮を出て自由に暮らそう
今回こそは、と強い決心を胸に11歳の少女の人生が始まったーーー
読んでいただきありがとうございます
不慣れですが、書いてみようかと思いますので今後もご贔屓に、どうぞよろしくお願いいたします