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立つ鳥跡を濁す

鍛治府(ヘパイースト)最終回です。

この町でも波乱は治らないみたいです。




「まさかこうなるとはねぇ」


「…セドさんもこんなことは初めてですか?」


「何年とここの組合長(ギルドマスター)を、やらせてもらっているけどこんな被害報告は聞いたことがない

まさかここまで来るとは

1番驚いたのは彼自身だろうなぁ」





瑠香達がキリとの籠城戦を制して2日後。

忍とセドは組合長(ギルドマスター)執務室にて今回の被害報告で知り得た情報を交換していた。

瑠香やアリシアは食材の買い出し。

ティナとニコルは魔法道具の購入。

ウルムとマリウスは、薪の追加購入とそれぞれ役割を分派して街に繰り出していた。




「僕たちも皆さんが温泉にっている時に、ルーシーさんの行方を知るために情報をかき集めてみました

やはり、門の一族に会いに出発して以降は…」





窓の外に映る遠くの空を睨んでセドと被害報告に頭を抱える忍。

キリに対する討伐法が確立されていない中で、なんとか呑まれることなくまたセド達と出会えたと言うのに言葉が重たくなる。

無理もない。

キリにやられた被害者は商人の中でもベテラン格の男。

何度も国から国へ街から街へと渡り歩き、キリに対してももちろん対策は万全になされていた。

万全な対策をしていたはずなのだが。



「しかしキリは彼を攻撃した

見せしめのようなものですか」


「キリにそんな知能があると思わないよ

でも…やりかねないさ

みんなが撃退したことに、腹を立てたのかもしれないし」


「生者ではなく

死者ともわからない何かに目をつけられたみたいですね

なんともできないのが…」


「それだけじゃないんだよ」




実はと言ったものの歯切れが悪そうに、まごつくセドに嫌な予感を覚え視線を机に移すとそこにはドス黒い木の板が置かれて何かが纏わりつくような気を纏っていた。

幼少期の頃に忍も似た類のような物を見たことがあり、父親に何度も見るなと怒られた事を思い出す。



「察しがいいですね

そうです…司法局の浄化魔法を使える魔法士(マジリスタ)に鑑定してみてもらいました」


「刺客が送り込んだ呪いの類ですか」


「そうです

これをおいて行ったのはキリであり、この紋章を調べると」


「敵性国家、エストラゴ共和国の刻印ですか」


「…恐ろしいですよ

どうしてここまでのことをやろうとするのか

理解ができてません」





明らかに相手は戦争をふっかけてきている。

キリはあくまで前哨戦であり、本気を出せば一国など滅ぼせると言いたげに、エストラゴ共和国は挑戦的にアルメリア皇国を見ていたのだ。

証が目の前にあると思い知らされ、2人は落胆せざるを得ない。

だが、高度な防御魔法陣を形成したものの襲撃を受けて倒れたティナのことを思えばどこか合点がつく。




「相手は神かその類か

ティナほど優れた魔法士(マジリスタ)でも太刀打ちできないとなると…」


「あれほど完璧な魔法陣が破れていたのです

それでも向こうの小手調べの範囲だと思うと…

なんだか外が騒がしいなぁ」





ドタドタと複数人が走って執務室に向かってくる足音が聞こえ、咄嗟に忍は懐刀ではなく懐テラ銃を、構えてドアに照準を定める。

勢いよくドアが開け放たれ、攻撃しようとした瞬間、傾れ込むようにティナとニコルが乱暴に突入してきた。

呆気に取られる2人が下敷きになる瑠香とアリシアを何度か引き摺り出そうとした。




「まずいっちぃ!

忍、もう今すぐここを出ようぜ!」


「何かやったのかい

ウルムまさかお前さん」


「この街の人たちが俺たちを見た途端に出ていくなってバリケードを作り始めたっちぃ!」


「あの…セドさん

どうなってるんですか?」


「その言葉の通りです」




やばいやばいとアリシアが窓の外を見つめ、泣きながら出国を早めようと懇願するマリウス。

全員で外を見た時、鍛治府(ヘパイースト)の住人達が組合(ギルド)の建物を囲うように、出国反対のプラカードを、掲げて退路を塞ぎ始めた。



「わや、もうこれはもうわやだわ!

したっけ、早く次の国に行かねば!」


「アルティメット道産子やめ!

さてどうしたもの」






ずんと重たく空気がのしかかる。

息をすることも許されないかのような、真綿で少しずつ首を絞めていくような感覚がその場にいた全員を襲う。

全員が地面に頭を擦り付け、ただひれ伏すしかできない。

体感にして10秒ほどだったが、まるで1時間も2時間も平伏させられているような感覚に襲われていた。





「…っくそ!」









その感覚はアルメリア皇国を通り越えて練馬駐屯地だけではなく、瑠香の安否報告を今か今かと朝霞駐屯地で待つ、財前誠も同じように頭を下げて平伏させられている感覚に陥っていた。




「今のは…一体なんだ?」





感覚が消え、財前のデスクに直結するホットラインが鳴り響き、汗を拭ってその電話に出る。

相手は瑠香にとって最高の上司である田中源一郎だ。




「財前陸将、お忙しいところもうしわけありません

今、とてつもなく嫌な感覚を覚えた物で!」


「田中さんもですか!?

まさか、ルーシーさんが言っていたアルメリア皇国で何かあったのでは?」


「ルーシーさんに何かが起きたというよりも!」


「アルメリア皇国に派遣した4人が心配だ…

何がどうなっている」




その時を同じくして、警視庁月島警察署でも同じことが起きていた。

休憩中、ルーシーとの思い出話に花を咲かせる真田と花岡、その話を聞いていた同僚の樋口がまるで土下座をするように体に重苦しい圧を受けて脂汗をかく。



「今のって何?」


「ルーシーさんは無事か?

樋口、真田…怪我はないか!」


「隊長こそ、無事ですか?

真田は…顔色悪くなってるな」





そして時を同じくして、アルメリア皇国に向けて野原を前進するルーシーと瑠香捜索任務を任された村上・天城・室戸・沖田は高機動車を止めて、ドアを開けて地面に倒れ込んだ。

あまりにも心臓が飛び出るほどに痛く脈をうち、失神するのではないかと息も絶え絶えになる。



「なに…これ」


「みんな無事?

沖ちゃんに報告して!」



「村上異常なし!」


「天城異常なし!」


「室戸も同じく!

ルーシーさん…おい、ルーシー返事しろ!」


「目覚めかけてる、あれが私達を誘い込んだ張本人が」







マーガナルムが手ぐすね引いて誘い込もうとしてる。


キリによって死者が出ました。

キリによる腹いせかそれとも見せしめか。

セドのいうように腹いせだと思うのですが、エストラゴ共和国が絡んできているのでただ攻撃をしているわけではないみたいです。

明らかに知能のある何かが攻撃してきています。


そんな事態が起きているにも関わらず鍛治府(ヘパイースト)の住人は瑠香達を大切に思っているのか。

出て行かないでコールをしていたみたいですね。


でも最後の最後でルーシーが言うように諸悪の根源ことマーガナルムが目を覚まそうと封印を破るような行動を起こしました。

次回から新幕です

よろしくおねがいします

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