表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/67

残虐劇

身体中が異なる動物や魔獣の継接ぎ化け物キメラと人間やめた忍の一騎打ちです。





「ようやく見つけたぞ鳥頭野郎

俺の愛娘によくも呪いなんぞかけてくれたなぁ?

代わりに俺がお礼に来てやったぞ

ありがたく思えよゴラァ!」



『人間風情が…

我が餌に取るに足らぬわ

燃やして切り刻んでやるわぁぁぁぁぁぁ!!!』






動物の威嚇する鳴き声とモスキート音の様なものが混ざり合った声が響き渡る。

それに反応してか、体から切り裂かれたわけでもないのにじわりと血が流れ始め焼かれる様に身体中から熱を発する。

そんな光景を見ていたキメラだが、この時からすでに何か違和感の様なものを感じていた。

迷宮(ダンジョン)から這い出て対敵していた冒険者と比べて目の前にいる人間から感じる得体の知れない何かにゾッとしていた。



(こいつ…よもや人間ではないのか?

そんなバカな話があるか!!

だか、あの女狐とも我が王とも違う

根底から感じる恐怖はなんだ?)




「気を抜くなよ馬鹿鳥!」










その頃、瑠香達は療養院を出発しティナに頼んで魔力生成してもらったあるものに乗り込んでいた。

のんびりしていたら忍の命に関わると、冒険者を集結させて討伐などと言える猶予は全くと言ってない。

無茶をしようとする瑠香に重力詠唱を唱えて行動抑制したニコルでも、内心は落ち着いてなどいられなかった。




『そこまでいうなら、無理はしないことを約束して

俺は、君が倒れたら嫌だよ!』


『ありがとう、でもそれはできない

[殊に臨んでは危険を顧みず、身を持って責務の完遂に努める]って先約があるから!

…っていたぁ!』


『大丈夫…瑠香の姉御が暴れ始めたら

ティナ特製の座薬入れてあげるから』





暴れたら鎮静剤を強制投与という確約のもと、瑠香率いるチーム親父お助け隊は、セドやマッスル5人組を従えてある場所に向かって走り始めていた。




「それにしても…馬より足が速い乗り物?

初めてかも?

ティナねぇ、死にかけてるけど大丈夫?」


「思ったより早くて…うぇ

ニコルは…強いね」


「死にかけてるじゃん

ニコは平気だよ

アリシアパイセンは目がキラキラしてる

後ろから自動追走でついてきてる6人は平気かなぁ?」



「だってすごいじゃん!

コウキドウシャだっけ?

ハンドルっていうのと、アクセルっていうのは見たことない

アルメリアで広げれば…マリウスどうしたの?

ウルムさんと首傾げて」




後部座席で騒ぐアリシアとニコルは助手席に座るマリウスを凝視する。

マリウスの膝の上で座るウルムや、当のマリウスはどこか呆けた顔して何かを注意深く探っている様な顔を見せる。

その疑問は後ろを走るセド号に載せていた無線機の声で気付かされた。




『おーい、聞こえているか?

後ろを、ついてきているボリスだ』


「ボリス…あぁ、オーガのボリスさん

ごめん…ウルム

私運転中だから、無線交話してもらってもいい?」


「おん、わかったっちぃ

どうしたんだっちぃボリスさーん」


『その声は妖精のウルムだな?

高機動車って言うんだよなぁ?

初めて乗るからわからないんだが

こんなにキンコンキンコンって音が鳴るものなのか?』





ニコルは思い出してしまった。

ティナが高機動車を生成した時に、プラスで瑠香は何かを頼んでいた。

そのせいで何かおかしなことが起きているのではないかと。

あっと声を漏らして察知した瞬間、全てが遅かった。

ニヤリと笑う瑠香にマリウスの顔面が青白くなっていく。

運転席から見えるスピードメーターは100キロ以降に数字が振り切れていた。

その隣についているメーターの数字も10という数字よりも向こうを指している。

運転手である瑠香はハンドルから手を離し、アルメリアで有名な駄菓子であるスティックシュガーリを咥えて、呑気にあくびをする。





「「「「「ちょっと瑠香!?!?」」」」」



同乗者の制止も聞かず、渋いおっさん顔になったかと思えば、ウルムから無線機をもらうと飄々とは通話スイッチを押て何度かマイクチェックを始める。

後部座席で座るティナやニコルが窓から、後ろを突いて走る車を見つめる。

後ろからついてきているセド達は何が始まるんだという表情が見てとれ、慌てふためく2人の姿を見てアリシアはことの重大さに気がつき緊張が走る。





「えー…

今日も財前タクシーをご利用いただき誠にありがとうございます

当タクシーは緊急走行中のため100キロ巡航中です

シートベルトをしっかりと締め、口を閉じて腹に力をこめてください

一万一千回転きっちり回して行きます

公道最速自衛隊車両運転手とは私の事だぁあ!!」





「「「「「「「「「「「うぎゃぁぁぁぁぁあ!!!」」」」」」」」」」」














「そぉらぁ、食いやがれクソ鳥がぁぁぁあ!!」


『木の棒に何をくくりつけている?

この程度我の翼の前では無意味だぞ

笑わせるなぁぁぁあ!!』






旧神殿では忍とキメラの一騎打ちが続いていた。

空を悠々と飛び、羽ばたくと同時に落ちる羽はやがて業火へと変わり地面をメリメリと音を立てる様に燃え盛えていた!

一部が忍の体に触れ、切り裂き焼きつく!

だが忍とて馬鹿ではない。

落ちる羽根に触れようともギリギリのところで交わし、特製の武器をキメラに向かって投擲していた。




(この武器のこと知らねぇだろ

あの飛行機共(デカブツ)をぶっ壊してやったんだぜ!

久々に投げれると思えば愉快愉快!)



竹棒の先端に吸着式の爆薬を取り付け、重さなどど返しでキメラに向かって何度も投げつけた!

届かなくていい。

相手の体に触れれば、あるいは触れずとも先端から伸びる紐を引けば爆薬が炸裂してくれる!

対空兵器は弾を当てて落とすのではない。

破片を撒き散らしてエンジンや、機首を潰す。

今はキメラの頭か翼に破片が食い込めばいい!




『なんという下品な攻撃!

今までの勇者やら冒険者と違って、品性もないのか!

無我夢中とはお前のことを言うのだな!!

なら食らうといい!』




呪炎翼心忘(カースウィグニーアー)!!!




「なんのはったり…!?」



身体中から燃え上がる様に、血が焼け骨が沸き肉はドロリと溶ける感覚が忍を襲う。

キメラの叫び声があたりに響きわかったと思った瞬間、自分の体が体ではなくなり支配された様な、心臓が握りつぶされる様な感覚が襲う。

やがて口からは血が溢れて、喉は真綿で締め付けられ、立つことすらままならなくなる。

そもそも立っているのかすらわからなくなっていた。




『苦しいか人間よ

我が力を侮ったが故に、お前は苦しめられる

そうだ…その炎の味はどうだ?

身体中から我の羽が生えてきているぞ』


「あぁぁぁあがぁぁぁあ!!」


『苦しめ苦しめ…最後は死を望む様に叫ぶだろうなぁ?

これこそ、我が王の復活の狼煙となる残虐劇(グランギニョル)の始まりといえよう!』


「っふふふ…くっふふふふ!

くふははは!!!

何が始まりだ?

俺にとってはこんなもの…」




忍の身体中から火が吹き、辺りには血肉が焼ける匂いが広がる。

キメラが落とした羽根は瞬く間に炎に変わり、瞬く間に地獄絵図が完成していた。

さっきまで青々としていた木々や花は枯れ、小鳥や動物は逃げ出しさっきまで露店は見る影もなく全てが無に帰る。

まるで誰も足をふみれられない不毛地帯が目も前に広がっていた。

騒ぎを駆けつけた大勢の冒険者ですら、弓を外し構えていた剣を落とし、振るわれるはずの大楯は力無く地面に転がる。

魔法使い達が水を降らせようとするも、キメラの睨む全てのせいで脱力してしまい、泣き出すものすらいた。





『…なぜだ

冒険者共は立ち上がることを諦め、もう誰も我には向かわぬというのに!

お前はなぜ立ち上がれる』


「化け物よぉ

テメェは本当の地獄を見たことがねぇ

そんなところで飛んでるだけ、魔法を使うだけ

弱い者がすることだ」


『なんだと!?!?』


「吠えていろ

本物の地獄を教えてやる

人を自分の手で殺しもしねぇで生ぬるく、生きていこうとしたやつの擦りもしねぇ屁みたいなもんだ

テメェなんぞ、営倉に突っ込むほどでもねぇ」


『さっきから何を言っている?!

…お前、まさか』


「一緒に地獄の底まで行こうや?

発動、雷撃演舞真式…嶽」





正気のない瞳がキメラを見つめる。

その瞬間、一気に音が聞こえなくなった。

何が起きているのかわからず、ただ羽ばたいていたキメラだが忍の目の違和感に気がつく。

白目の部分は異様に黒く、虹彩の部分にはそこが見えぬほど暗く蒼い世界が広がり、黒目の周りを囲う様に六芒星が朧げに光る。

あまりの気色悪さに、込み上がるものを感じ身震いを起こして地面に降り立った。



『何が起こっている?

なんだこれは?』



降り立つと同時に見た景色は、自分の作った炎獄(えんごく)ではなかった。

真っ黒な地面が広がり、空気は皮膚を突き刺す様な湿気に覆われ嫌な暑さが体を包み込む。

喉がひりつき、水を探そうともそこにはなくあるのは無機質な空間。



「おい…てめぇ、どこ見てやがる

俺はここだ…逃げたりしねぇよ」


『なぁ!?』



落ちろ




キメラの足元に、見上げる様に忍が立ており逃げようとした時には、体が動かず息だけが上がり恐怖が心を覆う。

忍の声が静かに響き、振り上げられていた手はすっと降ろされ羽根の中に埋もれていた爆弾の破片がぢりぢりと熱を持って弾け飛ぶ!

金切り声をあげて、のたうち回るキメラをよそに再び手を振り下ろす。

翼や足に雷が落ち、突き刺りそこから閃光をあげて貫かれた。

ひぃと聞こえぬ悲鳴をあげるが、目の前にいる鬼に逃げようと嘴を開けて炎を円球を生成する。



『我が炎を、我が呪いを受けてなぜ立ち上がれる人間め!

苦しめ苦しめ苦しめ!!

呪炎翼下(カースウィグ)…ぎゃあ!』




「助けに来たよ!

暑いの嫌いだから、氷瀑冷湖砲(アイスブレイズフォールキャノン!)」


「暑すぎ!

火事が起きるからダメダメ!

水の神よ、我らを呪炎から守りたまえ!

雨流癒風(ヒールズレインブロウ)




「この声…この賑やかな温もり

そしてこのドライビングテクニック

恐れ入ったよ我が子達

だけど他人を巻き込むのだけはダメだよ!!」



「遅くなったぜァァァ!!!

状況開始、カチコミの時間だゴラァァァ!!

忍をお助けする隊、全速前進!」





「「「「「「「「「おぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」」」」」」」」


身体中、バケモノで作られたキメラにお礼参りをする忍。

そう簡単に相手も引き下がるわけありません。

多くの冒険者達が戦いに挑んで、逃げてを繰り返しそんな中で忍がくらいついてます。

でも呪いの力で、身体中焼かれる痛みが走ります。

でも忍にはなんのことでもありません


むしろ懐かしんでいます。

そんな状態で戦うのですからキメラも怖がっているのだと思います。

そして魔法が使えない忍が謎の領域を発動しました。

呪術のアレとは違います。



またまたピンチの時、娘や仲間が駆けつけてくれました。

一万一千回転わしてます。

次回は一気に行きます


よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ