東京って最高
花粉症に対する怒りとルーシーが東京という街に感動するお話です。
「すごいですわ
…洗練された街並みにゴミ一つない道
そして何より超高層建築物の中に煉瓦でできた駅舎
完成された街を超えて国に匹敵する
これが日本…これこそが東京なのですね!!」
「「とっても初々しい反応最高!!」」
ルーシーは今日、大都会と言われる東京に来ていた。
練馬駐屯地の朝で朝食を軽く済ませ、朝の8時には門を抜けて東京は練馬の世界に足を運び入れていた。
軽い朝食といってもほとんど食べていないに等しいのには理由があった。
2人の女性自衛官からモーニングなる食事を体験してほしいというのを伝えられていたためだ。
「これがカフェ
これがモーニング
アルメリアにはない文化がここに!!
練馬ってすごい!」
「よかったねー!
いーっぱい食べていくんだよ
東京は広いから楽しまないと損だし!」
「そーだよ!
それに今日は東京駅の方に行くんだからね!
東京タワーに行ってみてもらいたいんだよ!」
「村上さん、天城さん
ありがとうございます!!」
「村上さんって言わないで!
千春って言ってよ!」
「天城さんって堅苦しくならないで
雪菜でいいよ」
「はい!
千春さん、雪菜さん」
むっふーと言いながらルーシーはモーニングプレートのほうれん草とサーモンのキッシュを頬張る。
ほうれん草の甘味が口いっぱい広がったかと思えば後からサーモンの円味が優しく包み込んで行く。
小麦本来の奥深さとバターの優しさによりすべての調和が整えられていた。
要するにうまいのである!
「うみゃみゃみゃみゃ」
「「うみゃいうみゃいうみゃいうみゃい」」
マスターがおかわりのコーヒーを持って3人のテーブルにやってきてコーヒーを注ぎ周る。
カップに注がれていたのは、店で有名なホットカフェラテ。
味わいながら嗜めば、コーヒーの苦味を優しく包みながらミルクの甘さがやってくる。
要するにうまいのである。
大事なことだからもう一度言おう。
要するにうまいのである!
「ルーシーさん、ここいいでしょ?
気に入ったでしょ?
田中1佐のお気に入りなの
というか私たちのチームはみんなここに来るの!」
「千春ねぇさん
気合い入りすぎですよ!
でも、私もしょっちゅう行くから
ルーシーも行きましょう!」
「はい!」
ルーシー達が店を出たのは9時半頃。
西武池袋線に乗り込み池袋買い物をし、日本で生活できる服を購入。
紙袋を持ったまま丸の内線に乗り、着いたのは鉄骨煉瓦作りで有名な東京駅だ。
「すごいですわ
…洗練された街並みにゴミ一つない道
そして何より超高層建築物の中に煉瓦でできた駅舎
完成された街を超えて国に匹敵する
これが日本…これこそが東京なのですね!!」
「「とっても初々しい反応最高!!」」
「アルメリアにはない文化の発展
新しい世界の中に古の建物が調和される
そして平和
東京って最高の場所ですね!」
ひらりと淡いクリーム色のワンピースがひらりと風に揺れる。
遠くから見れば女子旅3人組が東京の街を練り歩き、1人は海外からきた女の子が、東京に来てはしゃいでいるのだと街を歩く人々は思うだろう。
好奇な目でルーシー達を見るものは誰1人としていない。
のんびりと観光ができることに村上と天城はほっと胸を撫で下ろした。
「それじゃ、東京タワーに行きますか!
あそこも楽しいよ!」
「ぜひお願いします、村上さん!」
「めっちゃ元気だねぇ」
東京タワーを目指し三人は歩き始める。
アルメリアにはない車の往来を眺めながら、東京の街の忙しさをぼんやりと見つめていた。
ルーシーが歩く歩道と車道の間に青い服を着た人が立っているのに気がつき、危ないのになぁと思っていた時だった。
歩道を睨みつけたと思った瞬間、青い服の人間はガードレールを乗り越えてルーシーに近づく。
「あの…」
「瑠香ちゃん…瑠香ちゃんだよね!
いなくなったって聞いたから心配してたんだよ
あなた…瑠香ちゃんじゃない」
「あ…お久しぶり
元気してた?」
近づいてきて気がついた。
ヘルメットから束ねられた髪がなびき、男と思っていたが実は女性であったことに驚きどこか心配そうに近寄るのでルーシーは困惑する。
なんとも瑠香という名前を連呼されていたが、何かに気がつきごめんなさいと呟き俯いてしまった。
「元気ではありますけど、瑠香ちゃんが心配で…
見つかったと思ってしまいました
それにあなたはブロンズ髪
瑠香ちゃんは焦茶ですもんね」
村上や天城と楽しそうに話すが、女はどことなく元気がなく瑠香なる女性の身を心配し意気消沈とはいかないが辛そうな顔をする。
ルーシーは女に近づくいて、ポンと右肩に手を置き祈りを込めてキュアとつぶやいた。
「ルーシーさんどうしたの?」
「いやぁ、瑠香さんのことを心配されていたのでちょっと」
村上が不思議そうにみていたが天城はルーシーの手を凝視していた。
魔法を使ったなどと言えないため苦笑いを浮かべる。
女の顔はどこか血色が良くなり、肩をくるくると何度か回して驚いた顔をした。
「あなた…何者なの?
といっても私が名乗らないとあかんか
私は真田恵子です
東京で警察官…交通機動隊員をしてます
あなたは?」
「…私はルーシー・アストライオスと申します
真田恵子さん、よろしくお願いします」
青い服の女は警察官なる職務についているというのを覚えたルーシー。
仲良くなったのかなと安心した村上と天城だが、体をこわばらせすこぶる姿勢よく立ち始めた。
そんな様子にルーシーは疑問を抱き振り返った。
そしてルーシーも体をこわばらせ、田中から教わった気をつけの姿勢をとる。
「何をお前は油を売っている
何がしたい、真田」
「…たったったっ…隊長」
「皆さんご迷惑をおかけし…瑠香さん?
にしては背格好がどこか違う」
「ルーシー・アストライオスであります
た…た…隊長」
「そんなに怖がらないでください
村上さんも天城さんもお久しぶりです」
「「おはようございます
花岡隊長!」」
「だから俺はそんなに偉いわけじゃないですよ!
…真田お前は話が違うからな」
「…ひゃい」
チーム陸自の女の子の緊張は解けず、真田の引き攣った顔と一本の棒を彷彿とさせる姿にルーシー自身も消し飛ばされるのではと錯覚する。
というか消されないように気配を消そうと必死になっていた。
「ルーシーさん始めまして
自分は花岡康介、真田の上司です
部下が失礼なことをして申し訳ありません
謝れ真田」
「大変申し訳ありませんでした!」
「「「こちらこそ申し訳ありませんでした!!!」
「…なんで真田も陸自さんも必要以上に謝るの?」
「「「「隊長だからです!」」」」
「俺東京出身だけど言うよ?
なんでやねーん!」
街ゆく人たちがルーシー達をみて触らぬ神に祟り無しと言いたげに目を合わさず逃げていく。
物悲しげに真田達が乗っていた白バイが悲しげにエンジン音を立てていた。
楽しみにしていたはずの東京観光が潰れてしまった村上や天城と違い、ルーシーは真田の肩に触れた時に記憶が流れ込んでいた。
(普段はこの2人は怖い上司と部下の仲だけど
プライベートでは…ふふふ)
「「で、お二人はいつ結婚するんですか?」」
「「「ど直帰すぎない!?!?」」」
やはり東京観光は潰れたのである。
初めての日本、初めての東京に感動するルーシー。
練馬を味わい、池袋で買い物をして東京を楽しんでいたのです。
いたんですが警察に呼び止められました。
瑠香の友人の真田恵子と上司の花岡康介です。
瑠香のことを心配するがあまり俯いてしまったのですがルーシーのキュアによって心が少し軽くなったと思います。
でも鬼上司が来たら話は変わります。
村上達も警官2人にダル絡みしたみたいです。
ルーシーよがんばれ
次回も楽しみに




