案内する気がないような案内する気はある人達
今回文字数少なめです
体調不良が続いているのでご勘弁ください。
練馬駐屯地観光スタートします。
「皆、仕事の途中で悪いなぁ
今日、どこかからふわりとやってきた新しい仲間
ルーシー・アストライオスさんだ」
「皆様、ご機嫌麗しく…
ルーシー・アストライオスと申します
以後お見知り置きを」
腰付近の甲冑の隙間から深い紺色のスカートの裾を摘み上げ、軽く会釈をする姿を見てそこにいた兵士達が口をポカーンと開けて固まる。
顔を上げて何かしてしまったのではないかと、ルーシーは困惑して田中の方を見て焦りを浮かべる。
田中も面目ないと言いたげに困ったような笑顔を見せてる。
再び兵士たちの方を向き合った時、なぜか兵士達は全員頭を下げて右手を前に出しギリギリと音を立て田中の方へと視線を向ける。
「案内させてたいのだな?
…瑠香に似ている彼女を見て感化されたのかぁ
1人ずつ聞いていくから元の姿勢に戻らねばね」
「「「「「「「嫌です」」」」」」」」
「仕事あるでしょ?」
「「「「「「「ないです」」」」」」」」
いかにも仕事はありますと顔には書いているが、体を起こして田中と視線を合わせようとしない。
口実を作ろうと必死になっているようだが、田中は全員を座わる様に支持する前に彼らは皆、自分の席に座り言い訳ができたという顔をする。
「1人ずつ言い訳を聞いていってあげるから
ルーシーさんは、そこのソファに座っていてください
さて、1人目は沖田!」
「仕事終わりました!
演習の計画も終わりました!」
「決定打に欠ける、ダメ!
はい、次…三好さん!」
「もうやだぁわ!」
「…仕事の一休みです」
「さっきタバコ蒸してたの見てましたよ」
(うぐ!)
「次…佐藤渉」
「終わりました!」
「沖田以上に決定打に欠けるからダメだ!
次…小野亘!」
「演習の計画の補佐及び、演習の計画、終了しました!」
「いつの演習の計画を立ててるんだ?
ダメ…次は飯島!」
「お薬手帳の更新及び猫と戯れ終わりました!」
「もう仕事してねぇじゃねぇかよ!
だめだ次は、村かみ…千春聞いてるの?」
「モーマンタイであります!」
「答えになっていない!
ダメだダメだ、次は向井さん!」
「お母さんは娘を守る義務があります!」
「だがら、みんな答えになってない答えが生まれてるんだべ!
最後にちゃんとした答えを頼むぞ
天城…雪菜…雪菜さん?」
「激アツ盛りぃぃ!」
だから答えになってないって言ってるでしょうがぁぁぁあ!!
部屋中に広がる田中の絶望の混じった絶叫に、ルーシーはたまらず吹き出していた。
そしてタチが悪い事に、なぜ田中が怒っているのか全く理解せず口をポカーンと開けている姿にさらにルーシーはむせるほどに笑ってしまった。
頭をかかえてその場にうずくまり、どうしてなんだよぉと苦しむ姿を見てこの場にいる兵士たちは何かを話し合う。
「なんでみんな答えに正当性がないの?!
一つとして理由になってないよ!
おじいちゃんはそんなこと教えたつもりはないよ!」
「「「「「「自分でおじいちゃんって言った」」」」」」
「そういうことじゃなぁい!」
もっと見ていたなぁと、変な笑いを堪えきれずにいると開けっぱなしのドアから財前が、笑いを堪えておいでと手招きをする。
こっそりと部屋を出て行き、財前の後を追いかける。
「すまないね
田中さんの変なスイッチが入ったところを見せてしまって」
「いえ、とても面白かったです
私の師匠と部下の方との会話を思い出しまして」
「君のお師匠様を変なスイッチ入る人だったのか!
これは面白いねぇ!」
喧騒が遠くから聞こえてくるのを、もう少し見ていたいという寂しさと、目の前にいる父親に似ている財前の優しさに甘えながら外へと出る。
練馬駐屯地は広大な面積を誇り、関東と言われる地域では最強と言われている。
と財前誠は話し出す。
目の前に見えてきたのは兵士たちの胃袋を支える食堂と幹部食堂なる建物が現れた。
「美味しそうな匂いが…
あっ!」
「はっはっは!
…おっ」
美味しそうな匂いに誘われてお腹がぐぅぅと音を立てる。
今日のご飯はなんだろう?
アルメリアでは嗅いだことのない美味しそうな匂い。
とルーシーは目を輝かせて、機会があれば食べて見たいと願わずにはいられない。
そんな姿を財前は、愛娘である瑠香と被らせて見つめていた。
「さぁ、もっと見て回るよ!
おじさんについておいで!」
「はい、おじさま!」
練馬駐屯地観光がスタートした。
田中の部下が田中に説教されていましたね。
瑠香に似た女の子が来て嬉しさ半分、寂しさ半分なのだと思います。
なぜここまでルーシーや瑠香に固執しているのかは次回に!
練馬駐屯地観光が終わったら東京観光がスタートします。
ルーシーが異世界日本をどう見ていくのかをお楽しみに。
次回もお願いします




