表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/56

特訓開始

アリシアや近衛騎士団が強くなろうと瑠香達に特訓をつけてもらう回です。




「理由はわかりました

なら後は煮るも焼かれるも、皆様方次第

…くっふふふふ

敵襲(せんとう)だぁぁぁぁ!」




ニヤリと笑っていたかと思うと、声高らかに敵襲を宣告しどこに隠していたのか百式軽機関銃を取り出しぽかんと口を開け、呆けているアリシアに突撃する。



「団長を逃がせ!

指揮はリリア・ノーマンが…!」


「石になりその地に根を垂らせ

石膏植蔵(ヘルズストーン)

そしてそして、大地を巻き上げる風になれ

疾風連歌(ブローブースト)




アリシアを守ろうと騎士団が立ち上がり、横陣形を組んで迎え撃つ体制を取り、リリアが指揮を取ろうとしたのをティナは見逃さなかった。

いや、ティナじゃなきゃ見逃しちゃうね。

(リリア)を潰せば本丸(アリシア)が動かざるを得ない構図を作り上げ、その意図に気がついた忍がやるじゃなねぇかとニタリと笑う。

ふっと笑うティナが杖を構えて、向かってくる数人の騎士を突風を生み出し突き飛ばす!

悲鳴をあげる者や、お見事と褒め称える者と様々。




「後ろがガラ空き、慢心はダメですよ!

切り裂く風よ吹け

風乱(ブレアス)…ぎゃぁ!」





ヘレナや部下5人が背中から斬りかかろうと、動き始めていたが飛びかかる直前に青白い大きな影が立ちはだかり、疾風怒濤の風を起こし巨大な爪が全てを押さえつけた。

白銀の狼が騎士達の前に顕現し、遠吠えを一つ奏でると低く唸り声を上げる。




「危ない危ない

2人の背中が取られるところだった

私の得意な攻撃詠唱、御影白狼(シャドウウォルフ)が間に合ってよかった」




狼狽える騎士団をよそに次々に攻撃を仕掛ける4人。

戦局を記録して弱点になる要素を炙り出そうとするウルムとマリウスが気がついた。

瑠香がいないということに。




「瑠香がいないっちぃ…」


「ウルム兄さん、姉さんはあそこにいやすぜ」


「おぉぅ、見つけたぜマリウスの旦那ぁ」



「「あっ…」」






騎士に追いかけ回されたのかと心配をしていたが通常運転で何よりというべきか、それとも瑠香が前にテントでやっていた一発芸というものをやっているのか。

どちらにせよ騎士達が怖がる様をみてウルム達は忍を呼ぼうかと躊躇する。

それもそのはず。

瑠香の周りにいた10人ほどの若い騎士達は瑠香が繰り出す「習志野兵団変化術」に恐れ慄いて、剣を構えるどころか固まってアリシアのいる場所まで走って逃げようと言い出していた。

そんな姿を見た忍は、構えていた百式軽機関銃の銃口を下げ頭の上にはてなマークを飛ばす。







「いきますよー、いきますよ…いきますヨォ

習志野変化第三法…エグ⚪︎ディアァァァ!!!」




「びぃいぃゃぁあ!!」



「まだまだいきますよぉ!

第四法…エクソシ⚪︎⚪︎ぉぉぉおお!!」



「いぎゃぁぁぁあ!!!」



「じゃけん次いきましょうねぇ

第五法…ヤジュ」


「甘えるな、若き騎士たち!

ここで敵を打尽にする

魔術士(マジリスタ)とには対魔法士(アンチマジリス)で牽制しつつ、師匠(しのぶ)と隔離させろ!

詠唱士(アリアテスタ)には、魔術反発法(バウンダー)を使える騎士を据え置いて対処!

そして強戦士(ならしの)には、盾持士(ガード)と騎士で制圧!」



「やりますねぇ!」


「ティナ…瑠香がなんか

見覚えはあるけど見覚えのない男の人に見えてきた」


「それ獣だよ…先輩だよ

気にしたら負けだよ、ニコル」


「ようやく本星が動くか

いいぜ…楽しくなってきた!

蹴散らしてやる」


「やってやろうじゃん

そっちがその気なら…

気を引き締めていくぞぁぁぁ!!」






互いの意地がぶつかり騎士達の指揮が上がっていく感覚に忍はブルリと震えてる喜び勇む。

猿叫とも咆哮とも捉える声が響きわたり、次のステージに進むのではと傍観していたマリウスが興奮していた。

だがそんな宴は唐突にして終わりを迎える。





「そんな茶番はもうおよしになられて…

本日を持ってアリシア・ヴェロナーを近衛騎士団長から解任

そしてジャクソン・ヴェロナー侯爵に対する謀反と殺害を企てたとして拘束します

連れておいきなさい」





全員が氷の様に固まり声の主へと視線を向ける。

アリシアがいるグラウンドと庁舎をつなげる階段を上がったすぐ後ろに煌びやかな紅いドレスを身に纏い、顔をベールで隠し扇子を仰ぐクラリスが立っていた。

その周りには黒いマントを被りフードで顔を隠して従者らしい魔法使いが5人ほどクラリスを守る様に構えていた。

その異様な光景にリリアは、愕然としていた。



「今…なんとおっしゃいましたか?

ジャクソン侯爵に対する反逆罪と?」


「そうよ…リリア

連れてお行きなさい

この出来損ないの犯罪者」





ふざけるな!

そう誰かが叫び、騎士達がアリシアを守ろうと剣を抜こうとするが体は硬直して動かなくなる。

まずいと思った瑠香が咄嗟に足止めをしようと、銃を構えようとしたが膝から崩れ落ち地面に倒されてしまう。

やめろと声を荒げたアリシアですら、体を魔法で作られた鎖で拘束されてそのままどこかに連れ去られてしまった。




「やはり、俺の勘は当たっていた

アリシアは…真の聖女

図書館で見た伝記や文献が正しければ」





アリシアが殺される!

無茶苦茶な方法で瑠香達に特訓をつけてもらおうとするアリシア。

そんな無謀な方法でもついてこようとする近衛騎士団。

魔法や武器で攻撃しようとするのに対し、瑠香は変化?して攻撃しようとした。

汚いですが。


ですがそんな宴を妨害したのはクラリスです。

アリシアに反逆罪の疑いどころか、断定して連行していきました。

忍の勘とやらがあたりそうです。



次回もお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ