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終焉の大地

皇女様がなぜいなくなってしまったのか。

その元凶となる場所の説明を受けております。




「話は聞かせてもらったぞ

あの場所に行くって言うなら、それ相応の覚悟がいる

赤い大地…アルメリア人だけじゃないが、嫌がるんだよあそこはな」





不毛の地であり、終焉の大地だ



「どう言うことですか?

ゴルドゥマスター…あなたは!」


「昨日の戦闘ぶりですね瑠香さん

皆さん、我が団長が…オスカー・ロイル団長が申し訳ありませんでした」


「なんで、マリウス・ルベルト副団長が?

なるほど俺っち、わかったぞ

…よくわからないってことが!」





ウルムの渾身のボケなのか、それとも瑠香達の意見を代弁したか。

頭に浮かべたハテナマークをはっきりと言い切った瞬間に、場の空気が同情とほんの少しのしらけた何かを醸しだしていく。

力強く発言したものの、寒々しい空気がウルムの心にダイレクトアタックし、恥ずかしさのあまりニコルの頭に載ったと思えば泣き始める。




「聞かなかったことにしてくれっちぃ」


「無理な話ですね

みんな聞いてたから」


「あの、話を戻すがいいか?」



「ゴルドゥマスター…ごめんなさい」




何千年前とはるか昔、アルメリア皇国や諸外国。

そもそも国と呼ばれる概念がない頃、神話とも言える時代の話。

人と獣人や精霊に魔族と神は別々の世界を生きていた。

それぞれの時間軸に、それぞれと生活圏を作り上げて互いを尊重し侵略も何もない平和がそこにあった。



「わたし、聞いたことあるかも?」


「そうなのニコル?」


「うん」




やがて小さな村が出来上がり、一つの国となった頃。

人間の住む国で王ができ、束ねていくが平和が崩れてしまい人々は悪政と重税に苦しむ事になる。

見かねた魔族やありとあらゆる種族が、王を止めに入るも聞き入ることはしなかった。

さらには魔族や獣人といった多種族にも、重税や過重労働を強いる結果となった。




「それが…戦争に繋がり赤い大地ができる原因だったんだ」


「小さな反乱が戦争に」


「そうだよ、瑠香さん」




国民は王に反乱を起こし、そこに多くの種族が結託していった。

魔神様もその1人だ。

反乱を起こし、最初のうちは王が圧倒的に有利になっていった。

やがて反乱軍が優勢になり、人々が求める自由な国ができるのではと思った頃。

ある神がその王を助け、やってはならない事をした。

激戦地となったその場所に降らせてはならない何かを落とした。

それが爆発し…反乱軍も王の軍勢も皆全て蒸発し残ったのが




「終焉の大地…赤い大地という事ですか?」


「そうです忍さん

赤い大地は元は一つの国と伝承であります

高等魔法よりさらに秀でた魔法を使う種族がいたのです

ですが…」


「巻き込まれた挙句、戦場は浄化されたということか

ティナ、大丈夫かい?

顔色が悪いけど?」





ベットの近くに腰掛けていたティナだが、表情はどこか強張っていて不審に思いながら何度か頭を撫でる忍。

それに気が付き、その手を両手で覆いもっと撫でてと催促する。

羨ましいと言う目で訴えるニコルとウルムに、ドヤ顔をかまして重い口を開いた。




「魔法士達もその伝承を知ってるの…

まさか赤い大地と伝承に繋がりがあるって考えなかったから」


「そう言うこと?

って言うふうに俺も捉えるけど…

こっちはこっちで偉く考えてるね

俺のひ孫はすぐに考える」


「あっごめん…

そのことも踏まえてオスカーさんのことも考えてた

なんか、彼は彼なりに皇女様と赤い大地の両方を探ろうとしてたんだろうね

名誉挽回とか何か知らないけど」


「あながち間違いじゃないかもですよ

同じ白騎士団の中にはオスカー団長のことを不審に思っている騎士(ナイト)もいますし」





和やかに弾む会話だが、瑠香と忍は互いに目配せして答えを導き出していた。

のんびり諸外国を回っていられるほどの余裕はなく、この国の人々が抱える呪いそのものと皇女の救助。

最悪の想定として、敵対国家との軽微な戦闘が発生しかねないことを。

次に向かう海星府(アンフィートリス)までの距離は、王凌府(ヘラクシス)から北西に50キロほど離れている。




「3日後には物資を集めて出ないと…

無事でいてくれればいいけどね」




不穏な言葉が、その場にいた人間の心に暗い影を落としていた。

自分たちのいく旅路が円滑に進まないことをまるで予知しているかのように。

そして何かを思い詰めているような顔をしているルベルトの表情をゴルドゥやニコルは決して見逃さなかった。



終焉の大地。

赤い大地とも呼ばれているみたいです。

神話時代の大戦争のせいで赤い土壌になってしまい、再生しない場所になってしまったそうです。

元々あった国も一つ滅んでしまったとか。


ティナが嫌そうな顔をしていたのも気になります。

そして皇女の行方も…。

オスカーがなぜ、固執していたのか垣間見えましたね。

瑠香が言うように名誉挽回が挙げられたのです。


話は難しくなってしまいますが、よろしくお願いします

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