初めての、空挺降下追体験(くうていこうかメモリアコード)
追体験魔法で大多数が苦しむ話です。
「1番機ぃー、行くぞ!」
「「「「おう!?!?」」」」
「行くぞ!」
「「「「おう!」」」」
「行くぞ!!!!」
「「「「おう!!」」」」
「立てぇ!!」
(どうしてこうなった?)
ティナは思った何かがとてもおかしいと。
自分の発動させた魔法によって、今からとてつもない何かを自分たちは追体験せざるを得ないと。
中央府で見た瑠香の記憶は、確かに常人にはできない事をやっている。
そんな能力やスキルを他者にひけらかさず、淡々とやっているという尊敬が勝っていた。
(くぅぅーん)
ニコルは思った何かがおかしいと。
自分がティナに頼んで発動してもらった追体験魔法。
瑠香の記憶に沿って自分たちも軽い気持ちで経験してみたいと願った。
故に、おかしな方向に進みだして止まることはない。
最後は自分達の口から放つ言葉とは到底思えない腹の底から言葉を大声で叫んでいた。
「降ぅ下5分前でぇす!
なんでこんなことにぃ!!!
レイラ様ぁぁぁ!」
「ココちゃん頑張って、貴女はとてもかっこいいわよ!」
「レイラ様ぁぁぁん!」
「ココさん、ごめんね
装具点検!」
飛ぶ順番は、ティナ・ニコル・ウルム・忍で最後は瑠香。
轟音が鳴り響く中、ほとんど全員が泣き顔になりながら流れるように数を数えて右手で装具を撫で確かめる。
次にまた数を数えながら後ろにいる人間が、また数を数えて確かめ始めた。
左手は天井に背中に背負う落下傘の開閉用カラビナと、ロープの結び目を握りしめて恐怖心に抗おうとする。
「降下1分前ー!!
瑠香さぁん、どうしたらいいのー!!
なんか私、勝手にドア開けちゃったヨォ!」
「ココさんはそのままでいてね!
この位置まで!」
ココがドアを開き瑠香が両手両足を伸ばして、誘導したかと思えば
前に来い
と言わんばかりに再び両足を開き両手で前に詰めるようにゼスチャーをする。
自然とティナの体がドアの淵ギリギリを立ち、手すりを握り込んで今にも飛び出そうとする。
涙目になるティナの背負う落下傘に、頑張れと背を押そうと瑠香はそっと右手を添える。
ドアの横に着いていた赤いランプから、青いランプに変わったと同時にけたたましい警報が鳴り響く!
「ちょっ…無理無理無理!」
「降下ぁ!」
背中を弾き飛ばすかのような衝撃に驚きながら、ティナの身体は空中に放り込まれ気がつけば魔法で変化したレイラとの距離がガンガン開いていく!
「びぃぃぁぁ!!」
「降下!」
「いやぁあぁあ!!」
「降下!」
「うおゎぁぅあ!!!」
「もう、品がないんだからぁ…
お父さんがお手本見せてあげる
1.2.3っ降下!!」
「早く行ってよ
はい、降下ぁ」
身体は勝手に反応して、ドアを蹴り出しティナの身体は宙を舞う。
やめてぇと叫んだニコル、失神寸前のウルムもティナの跡を追うようにドアから蹴り出し空の中にダイブする。
悪魔の笑いよろしくと下衆顔の忍が喜んで飛び出していくのを確認し、呆れながら瑠香は周りを見渡す。
「反対扉…機内よし…レイラさんとココさん
またどこかで会いましょう
あときちんとあれは受け取りました
皆さん、本当にお世話になりました
どうぞお元気で、降下ぁ!」
「「ぎゃぁぁぁ!!」」
5人を繋がぐ落下傘が空の中を花が咲いたとばかりに、空の中に五つの傘を咲かせる。
魔法で飛行機に一時的に返信していたレイラが白龍に戻り、大空を泳ぐようにタリタウス山へ向けて飛び立った。
その光景を馬上から白い鎧を纏い、剣を履いた騎士が空を見上げて驚愕していた。
そして心の中でこうも思ったのだ。
『あの日、魔神様の住まう城に来た人たち
王凌府に来てくださったのか』
「ルベルト、何をしている!
本部に戻るぞ!」
「はっ、ロイル様!
…それにしても早くに来てくださったのですね
空の神兵さん」
任務を終えた騎士団一行は瑠香達同様に王凌府に向けて馬を走らせた。
これから自分達の身に起きる事も知らずに。
瑠香達も着陸し、王凌府へと向かう。
いなくなってしまった皇女、ルーシー・アストライオスの手がかりを求めて。
文章だとわかりにくいところがあると思います。
もし空挺降下のことを知りたい方はyoutubeに公式かららアップされていますので、そちらを参考にしてみてください。
私も動画見ながら書いていましたので拙いですが。
ニコル・ティナ・ウルム「「「瑠香ってすごいね!」」」
瑠香「そうかな?」
忍(流石俺のひ孫娘!)
空挺降下を地上から見ていた騎士団がいたようですね。
王凌府の騎士団らしいですがどうやら、瑠香達のことを知っているようです。
次回もお願いします




