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出国

瑠香たちが掃除したテントの妖精が加わり旅が本格的に始まります。





「あれここは?」





体を起こし周りを見渡した瑠香。

いつの間にか自分が寝こけていたのに気が付かずぼーっと辺りを見渡す。

外はまだ薄暗く、人が活動している様には感じ取れない。

ふと昨日のことを思い出し自分の置かれた状況を精査した。



「目が覚めた?」


「おはようティナ

ごめん起こしたかな?」


「ううん、大丈夫

私も目が覚めたところ」




うぅんと体を揺り起こすものがもう1人。

尻尾をピクンと立てて寝ぼけ眼を擦り、2人の顔をじっと見やる。

ふぁぁとあくびを一つし、2人の顔を見つめる様にニコルは背を伸ばす。





「2人とも早いね…おはよう」


「ニコルもおはよう

起こしちゃったかな?」


「私も今起きたから問題ないよ

ふたりとももう出発する?」


「早いけど行こうか…

ねぇこのガウンはこの宿のやつ?

そういえば私お風呂入ってないわ!」


「大丈夫、体を綺麗にする魔法を瑠香と忍にかけたから

忍にはメモに残してあるから問題ないよ」





よかったというと同時に瑠香は体をベットに預ける様に倒れ込んだ。

ふっと息を吐き出しら3人は部屋を出るために準備を始める。

体感的には朝の5時前頃だろう。

周りの寝静まっていたであろう空気が少しずつ目覚めさせていく経過を窓からぼんやりと見やった。

身支度を整えてフロントに向かう。




「おはようみんな…早いね」


「忍さん、おはようございます」


「忍おはよう」


「おはよ、忍!」



客室からフロントに下る階段に3人が降りてくるのを予知していたかの様に忍が立っていた。

その肩には淡い紫色とも言えるボディに薄いピンクと薄い紫色の間の色の羽を生やした妖精とも言えるふわふわとした生き物が乗っていた。



「おはよう、ティナ・ニコル・そして瑠香!

俺っちはウルム、あのテントの中にいた妖精だ

忍から色々と聞いてるんだ

よろしくな!」



「「「よろしく」」」




「宿の主には俺たちの事を話してある

料金もまぁ、あの方が持ってくださったとの事だ

まだ、街は寝ているから早めに出立してしまおうか」




宿のオーナーに別れを告げ5人は一路外へと通ずるベテル関所へと向かう。

この関所を越えれば出国扱いとなる。

朝日はまだ登らず薄暗い道を歩く5人。

朝の少し冷えた空気が心地よく足取りも軽くさせ、気がつけば5人は関所のメインゲートの前に立っていた。

関所の壁には中央府(ポラリシア)ベテル関所と彫られている。



「貴方達は…

我々の代わりによろしくお願いします」



門に立つ衛兵の隊長であろう男が深々と頭を下げて、瑠香達の出発を見送る。

門内で警備していたであろう衛兵も同じ様に深々と頭を下げていた。

堪らず瑠香は右肩に掛けていた銃のおい紐を、左手で握る様に持ち右手はきっちりと敬礼をする。

ふっと笑った忍も腰に下げていた軍刀を抜き刀の腹を見せるように右手に持ち構える。

これが敬礼だと気がついた隊長は、今いる門番達の数人を呼び横一列に並んだかと思うと腰に下げていた剣を抜き斜め上へと掲げた。

これが彼らのいう敬礼なのだろう。




「どうか道中お気をつけて

またここでお会いしましょう」


「ありがとうございます

行ってきます」





互いに敬礼を終えて5人は歩き出す。

少しずつ太陽が登り始めると同時に街が少しずつ小さくなっていく。

門をでて小高い丘のてっぺんに立った頃改めてこの場所の大きさに驚きを覚えた。

街並みは均等に並び整えられている。




「しばらくはこの景色は見れないだろうね

…瑠香、どうしたの?」



「なまら綺麗な街並みだべ

()の生まれた千葉と比べてgdhrjsgsjfhjxjsmdhjsksべや」



「えっ?

えっ?

え?」




ティナが混乱しニコルも何かを言おうとしたが、瑠香の話す言語についていけず忍の方を見た。

忍ですら困惑してしまい堪らずウルムがふわふわと飛び瑠香の頭に乗り掛かる。

それに気がつき瑠香は後ろを歩く3人の顔を見渡し、やってしまったと頭を抱えてしまった。



「瑠香の生まれた所の言葉なんだろうけど、俺っち達はわからないんだ」



「ごめんなさい」



今から向かう最初の自治州、龍生府(ラードーシア)まで総距離40キロ。

5人の旅は始まったばかり。

これからが本題です。

無事に出国できたみたいですが5人の旅路はなかなかに激しくなると思います。


次回もよろしくお願いします

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