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こんな始まり方ある?

性懲りも無く始まりました。

お前どんだけじぇー大好きなん?

えっ?

って言われそうな作品です


草木も眠りから目覚めそうな朝。

まだ世間は眠りについている家庭が大半だろうがこの場にいる人間たちはそうもいかなかった。

ここは千葉県船橋市と習志野市の近傍にまたがる習志野駐屯地。

またを第一空挺団の本山と言われる場所。

学校の体育館ほどの広さに、50人くらいの男の群れに

1人小柄な人間がいる。


「あいつは…瑠香嬢か

どうせモンエナ決めてんだろ」


(モンエナ決めて何が悪い、こちとらの血液ぞ!)


早速エナジードリンクを決めている女性隊員が大荷物を背負い渡された武器である89式小銃に肩紐を通して肩に下げる。

頭にヘルメットも被り、体にのしかかる100キロの荷物を飄々と持ち上げると出立前に軽く首を回す。




「ふぅっ」


「いつも準備万端だね、めんこいねぇるっちゃん!」


「あっ…ありがとう…ございます方面総監」


「もぅ、お父さんって言っしょうや!」






るっちゃんと呼ばれたこの女性。

名前を財前瑠香と言い、年齢は19歳とどこかあどけない顔つきをしているが、100キロの大荷物を飄々と背負い、手渡された89式小銃の握りながら怪訝そうに立つ。

眼前にキモイくらいにニコニコと笑う、背丈185センチもある52歳の方面総監と呼ばれた男に対してちらと殺意を覚えていた。

理由は簡単だ。

目の前にいる男。

財前誠は瑠香の父親であり、この組織の中で最も権力の高い地位にいる人間でありながら、息子と娘のことが好きで好きで仕方がなく周りに呆れられるという親バカを発動している。





「今から90キロ行進だね

怪我なく頑張ってきてね」


「ありがとうございます方面総監」


「だからお父さんっていっしょうや!

陸将って階級も今は、課業中じゃないから関係ないっしょ?」


「…(三曹になって父親の側を離れたはずなのになぁ)」


「ちなみに修は助けてくれないからね?

あいつは久留米さ行って勉強してるから

もう少しで帰ってくるけど」





瑠香の兄である修は陸自の野戦特科隊員であり、彼は福岡県久留米市にある陸上自衛隊の幹部候補生学校が所在する場所にて勉強中。

つまり父親の暴利から救いの手を伸ばしてもらおうとも助けてもらえないのだ。

そしてなりよりもう一つの懸念事項がある。

それが一位タイと言ってもおかしくないくらいに面倒な相手である。



『行進かぁ、いいねぇ

今日は俺も一緒に歩くかな?

かわいい俺のひ孫娘が頑張るところを見たいし

いいでしょう、瑠香(ニャンコ)?」




瑠香たちがいる集団の近く。

こちらも大荷物を背負い、前掛けの胸元につられた大型の鞄のような物をつけ、現代には到底考えられない装備をする者。

鼠色で膝下以外の全身を覆う降下外皮と呼ばれる服を身に纏い脛にはゲートルを、安全靴に似た降下靴を履き、首から下を守るための布付きヘルメットは暑いからと左手で持つ。

彼の名は神前忍と言い、習志野駐屯地にいる隊員はこぞって彼を『空挺の神様』と呼び讃える。

残念だが彼は生者ではない。

死んでいるのだが生者のように生活を営んでいるのだ。

故に彼に出会った隊員は、幸運になると伝説があるため一種の神様扱いを受けているのだ。





『さて行こうよ、みんな待ってる…にゃあ?』





あとは猫好きだ。




「こんな始まり方あるかよ…

お願いだから助けに帰ってきてよお兄ちゃん」




頭の中でボーカロイドの曲をかけて気分を上げていこうにも二人の圧倒的世話好き父親パゥワーに負けてしまいそうで苦しい。

心中を察している周りの隊員たちは哀れなりと目線で送るだけだった。

前回書いていた物語のスピンオフというかそんなところです。

準備万端さぁ行くぞって時に妨害が2匹います。

旅の始まり始まり。

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