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この世界の廃神様 第一神実  作者: ZAB
第二章 〜《魔力武闘会》〜
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第50話 【久シブリ】

 黒髪の男と睨み合う。


 「君...何者なんだい?」


 大型円形闘技場(コロシアム)の中心で、僕...常立一重は黒髪男に問う。


 「俺は楽滅者(らくめつしゃ)オクタ(octa)...んで、こいつが苦創者(くそうしゃ)ノナ(nona)だ。」


 黒髪男...オクタが答える。

 楽滅者に苦創者......この前戦った魂絶者の仲間か...?


 「デカを殺したのはお前だろ...廃神。」


 あ〜...ビンゴ。


 「君、彼の仲間だったの?だったらさぁ.........死ねよ」


 僕は右手の人差し指で彼の首の頸動脈を狙って、フリゾンの斬撃を飛ばす。

 その斬撃は狙い通り、彼の頸動脈を切り、そこから大量の血液が噴き出す。

 しかし、


 「ほう...会ってまだ数分だというのに......ずいぶんと好戦的だな...。」


 と、言う彼の首から傷跡が消えていく。

 なんだ...?

 回復(リカバリー)...にしては回復速度が速い。

 それに、回復(リカバリー)だったら噴き出る血液の圧力に負けて、皮膚に歪みができるはずだ。

 彼の首にあった傷は跡形もなく消えている。


 「特殊な魔術でも使ったのか?」


 「フッ...まあ、そういうところだな...。」


 「原理を話すつもりはないんだね...。」


 「それは、お前も同じだろ?廃神、なぜお前は神術(カミワザ)を使わない?まるで何かを守っているようだ。」


 僕は動揺する。


 「さ...さあね......。」


 「とぼけるか......まあいい。俺らの目的は廃神の殺害...。」


 そう言いながら彼は、小さな瓶を取り出す。

 瓶の中は真っ黒だ。

 フリゾン...じゃないよな?


 「だが、それはあくまで最終目的だ。それを達成できるなら過程はどうあろうと自由だ。」


 彼は、瓶を投げる。

 そして、その瓶が割れると、そこから噴水のように変な魔物が大量に湧き出てくる。


 「これはッ──⁉︎」


 「廃神、常立一重...俺たちを殺したければ、南北の闘技場に来い。まあ、来れればの話だがな...。」


 そう言うと、オクタとノナが南北に飛んでいく。

 どうする...?

 正直、奴らを放っておきたくないけど...だからと言って、この大量の魔物を放っておくのもマズイ。

 放っておくなら、せめて知性のある方だな。


 「さてと...」


 僕は、未だ湧き出続ける魔物たちを眺めながら呟く。

 魔物はバランスボールのような形•大きさの胴体と、4本足、そして豆粒くらいの大きさの顔を持つ。

 名前は...「バイン・マダニー」と言うらしい。


 「どうしようか...。」


 予定では、あの2人を追跡していた灯也と合流して3vs2でボコボコにする...はずだった。

 だが、灯也が帰ってこない‼︎

 その時、豊野が喋り出す。


 「常立君!これは神術を使うべきだよ‼︎なんでためらっているの?」


 「.........て...」


 「えーっと...なんて?」


 「......って......だって......だって...この円形闘技場(コロシアム)を壊したくないんだもん‼︎」


 「は?」


 「ま...まあ、とりあえず神術はマジのピンチに(おちい)るまでパスで...いまはどうするかを...」


 僕が、そこまで言うと、後ろの方から詠唱が聞こえてくる。


 「黄昏矢(トワイライトアローズ)──‼︎‼︎」


 その詠唱の直後、真上から何本かの矢が降ってくる。

 僕はギリギリで頭上にフリゾンウォールを展開する。

 降ってきた矢に当たった魔物は気付けば消えている。

 僕が声のした後ろの観客席のほうを振り返って見ると...


 「富地⁉︎それに...乃々華も⁉︎」


 そこには、僕の幼馴染であり、9年前に意識不明の重体となった双子兄妹...兄、五藤(ゴトウ) 富地(トミジ)と妹、五藤(ゴトウ) 乃々華(ノノカ)がいた。

 そして、2人は観客席からこちらに華麗なジャンプを決め...


 「ぐぇっっむぶふうお‼︎」


 られなかった。

 富地はきれいに着地したが、乃々華はなぜか空中で回転し、頭から落下していった。

 彼女は...異次元のドジだ!

 彼女は富地の手を借りてなんとか立ち上がる。

 そして、2人でこちらに歩いてくる。

 まず話し始めたのは、乃々華だった。


 「久しぶり!一重兄ちゃん!!」


 「ああ、本当に...久しぶりだ...。」


 9年前のあの日から、僕は罪悪感と共に生きていた。

 それから、僕は定期的にお見舞いに行っていた。

 僕は(魔力獲得前まで)ずっと、彼らを心配していたが、見た感じ、幸せそうでよかった...。

 本当に.........よかった......

 ...って、いまはそれどころじゃない!

 目の前の魔物をどうにかするには...。


 「2人とも、少し良いか?」


 「いいよ!...何?」


 「2人には、ここの魔物と戦い続けてほしいんだ。倒す必要はない、とりあえず僕が戻ってくるまで戦ってくれれば良い。」


 「了解‼︎ここは()()らに任せて‼︎!!」


 乃々華が自信満々に答える。

 彼女はもう、攻略法を見つけたのだろうか...

 少し不安だが、ここは信じよう...幼馴染の言葉を。

もし、「面白い!」と感じて頂けたら『いいね』や『⭐︎』などで応援してもらえるとありがたいです‼︎

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