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この世界の廃神様 第一神実  作者: ZAB
第二章 〜《魔力武闘会》〜
44/82

第44話 【努力デ完璧ヲ】

挿絵(By みてみん)

 魔力武闘会トーナメント2日目の1試合目が終わる。


 「勝者は河谷灯也...か。」


 私...豊野二千花はため息混じりにそう呟く。


 「まあ、彼はフリゾンを使えるからね...。ところで、次は香角さんの試合だよ。」


 私の隣で活田先生が言う。

 私はそれを聞いてトーナメント表を見る。

 次は香角先生と髙橋(タカハシ) 愛莉(アイリ)っていう女との試合だ。


 「そういえばこの前、町で香角先生に会ったんですけどその時あの人、何着てたと思います?」


 私は準備期間中のことを思い出しながら活田先生に問題を出す。


 「う〜ん...わざわざ聞くってことは、よほど印象的なものよね......。顔が見えない全身金装備...とか?...やっぱり分からないわ。答えは?」


 「はっぴ」


 「ン⁇⁇」


 「はっぴ です。」


 我慢できなくなった彼女は腹を抱えて笑う。


 「はっぴ ってwwおじさんかよww」


 そうして2分くらい笑い続けた彼女は


 「いや〜...あの人も随分、丸くなったね〜」


 と言う。

 私はその言葉に疑問を感じ、質問する。


 「活田先生は香角先生の過去のこと、知ってるんですか?」


 「私たち、実は高校の頃からずっと一緒なの。彼が覚えているかは分からないけど、彼は高校の頃は完璧な生徒だったのよ。」


 私は彼女の話を聞きながら、完璧な香角先生の姿を思い浮かべようとする......が、無理だった。


 「当時の私はそんな彼に憧れて、自分も完璧になろうとした。でも私は結局、周囲からの期待に耐えられなくなった。その時、気づいたの。私は彼に追いつけない...ってね。」


 と言う。

 そして彼女は続けて


 「彼には才能がある。だから才能のない私では追いつけないって...ずっと思ってた。でも、教員になって...教師としての彼を見て、やっと理解できた。」


 と言う。

 その時、選手の2人が入場して来る。


 「彼は()()()()()()()()()()()んだって...。」


 そう言う彼女は香角先生に祈るような眼差しを向けている。

 彼女から話を聞いたからだろうか、彼がいつもとは違って見える気がする...


 「5秒でけりをつけてやる‼︎」


 前言撤回だ。

 彼の今の言葉で見え方が戻った。

 やっぱりどう頑張っても今の彼は完璧に見えない。

 でも、どうやって5秒で終わらすのかは気になる。

 相手は盾を持っているから、攻撃しづらそうだけど...。


 「あっそ。お好きにどうぞ‼︎」


 相手の髙橋愛莉はそう言いながら一歩踏み出す。

 そして、二歩目から一気に彼との距離を詰める。

 最後に彼の首目掛けて短剣が振るわれた...と思ったその時、


 「言っただろう、5秒で終わらす...と。」


 目にも留まらぬ速さで彼女の背後をとった香角先生が、落ち着いた声で言う。

 彼は彼女の首をいつでも切れるよう、短刀を構えている。


 「なんで切らないの...首。」


 「主人公はレディーを傷つけないのさ。」


 彼は彼女の質問に対してキモさ100%の回答で返す。

 あんた、この前の鍛錬で私に容赦なく切りかかってきたよな...?


 「あとは......たとえ切ってもさ、何も生まれないだろ?」


 珍しく彼がまともな声で、まともなことを言う。

 まあ、私に切りかかってきたことは忘れるなよ?

 その時、髙橋愛莉が頬を少し赤らめたのを私は見逃さなかった。

 ああ、惚れちゃったんだな...()()()()()...。

 私は心の中でニヤニヤしながらその試合を観終えた。

もし、「面白い!」と感じて頂けたら『いいね』や『⭐︎』などで応援してもらえるとありがたいです‼︎

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