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この世界の廃神様 第一神実  作者: ZAB
第二章 〜《魔力武闘会》〜
43/82

第43話 【人ヲ殺ス目】

挿絵(By みてみん)

 大型円形闘技場(コロシアム)の控え室で私...豊野二千花は、試合開始の時刻まで暇を潰している。

 Myパネルをいじっている最中に私はあることに気づく。


 「あれ?常立君の連絡先が消えてる?」


 なんと、常立一重の連絡先がMyパネルから消えていたのだ。

 これは...いわゆる音信不通ってやつだな。


 「何気にこんなの初めてかも...」


 一見、落ち着いているように見えるが内心ではとても焦っている。

 そりゃ、友人がいなくなったら誰でも焦る。


 「まあでも、なんとかなるでしょ!」


 私は開き直って、試合に集中することに力を注ぐ。

 彼について悩むのはその後でも遅く無いはずだ...。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 北側の入り口から私は入場する。

 正面...すなわち南側の入り口からは、今回の私の対戦相手の

石川(イシカワ) (ハナ)が入場してくる。

 彼女は私と同じく、杖を持っている。

 ということは、彼女は魔法を専門として扱うのか...。

 なんだか勝てそうな気がしてきた!

 所定の位置につくと彼女が、


 「あなたは、何のためにここに来たの...?」


 と、尋ねてくる。

 どういう意味だろうか...?

 とりあえず私は適当に答えてみる。


 「何のためって...この大会で優勝するためだけど?」


 「じゃあ、あなた...この大会の優勝賞品は知ってる?」


 「それは......知らないけど...」


 「あっそ...じゃあさ.........」


 彼女はそう言いながら杖を私に向ける。

 彼女は一体、何がしたかったのだろう?


 「死んで──」


 彼女がそういうのと同時に私は頭を少し左に傾ける。

 すると、私の頭のすぐ右を電気を帯びた矢が通り過ぎる。


 「あとは...大旋風(トルネード)


 そう私が唱えると、私の周囲に小さな竜巻が起こり、頭上から降ってくる矢を吹き飛ばす。

 竜巻が収まると、彼女の顔がよく見える。

 図星を突かれたような滑稽な顔だ。


 「その程度の攻撃、私が察知できないとでも?この程度、目を(つむ)っていても見抜けるわ。」


 私はその言葉で彼女に(とど)めをさす。


 「な...なるほど、流石は試験でSランクの魔物を討伐しただけのことはあるわね。いいわ、ご褒美(ほうび)にこの大会の優勝賞品についてのウワサを教えてあげる。」


 やけに態度がでかいな...。

 ま、いいか。


 「じゃあ、お願いできる?」


 「ええ。この大会の優勝賞品...それは、圧倒的な魔力よ!」


 「......ん?」


 えぇ...。

 そのウワサ、本当?

 なんかふんわりし過ぎじゃない?

 てか、それが本当だったらこの大会、ますます怪しいじゃん...。


 「圧倒的な魔力があればどんな人間もイチコロよ‼︎」


 彼女は無理矢理、話し続ける。

 こいつ...メディアリテラシーって奴が微塵もねえ...。


 「そのためだったら...私は何でもやってやる‼︎」


 彼女の目つきが突然変わる。

 この目は、人を殺す目だ。

 これはマズイ...


 「やめろ!それは危険......」


 「これで終わらす‼︎‼︎喰らえ、へr.........」


 彼女はそこまで唱えると、意識を失い倒れてしまう。

 私はすぐ彼女に近づき、彼女の状態を確認する。

 状態は...魔力欠乏による反動で倒れたってところか...。

 とりあえず無事でよかった...。

 しばらくすると、スタッフらしき人が担架と一緒にこちらにやってくる。

 そして、石川花は担架に乗せられて運ばれていく。

 そういえば、この大会のスタッフって初めて見たかも...。



 ――――――――――



 特別観客室にて、僕...河谷灯也はすぐ隣で試合を観ている德川家常に喋りかける。


 「勝ちましたね...豊野二千花。」


 「ああ、そうだな...。」


 「あまり、興味がなさそうですね。」


 「興味がない...というよりは、もっと面白いものが見れたのでな。」


 「と言うと?」


 僕は薄々分かっていながら、聞いてみる。


 「彼女の対戦相手の石川花が使用しかけた魔術......あれが少し気になってね...。」


 「なるほど...。徳川様はあの魔術、使えそうですか?」


 僕がそう尋ねると室内に沈黙が走る。

 この質問はマズかったか...?


 「使うよ...」


 僕が焦っている最中に、彼が突然そう言う。

 そして彼は続けて、


 「それが必要になったらね...」


 と優しく言う。

 一体いつ、彼にとってその魔術が必要になるのだろう...。

もし、「面白い!」と感じて頂けたら『いいね』や『⭐︎』などで応援してもらえるとありがたいです‼︎

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