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この世界の廃神様 第一神実  作者: ZAB
第二章 〜《魔力武闘会》〜
39/82

第39話 【魔力戦闘適応試験(肆)】

 ピンチをチャンスに...とよく言うが、大ピンチを大チャンスに...と言う言葉は聞いたことがない。

 そう、チャンスにできるピンチには限度があるのだ。

 そして僕が今、向き合っているピンチは...


 「ちょっとムリかなぁ...。」


 僕がそう呟くと、目の前にいる2体の「スピードゴブリン」はそれぞれ異なる方向に走り出す。

 その直後、姿が消える...と言うより見えなくなると言ったほうがいいか。

 スピードゴブリンは非常に速い速度で移動ができる。

 だから当然、速すぎて姿が見えなくなる。

 だが、此奴らの厄介なところはそれだけじゃない...。

 僕は魔力で気配を探る。


 「......そこだ‼︎」


 僕は気配の近づいてくる方向を切る。

 すると、1体のゴブリンがそこに現れる...!

 ...が、僕の攻撃は当たらない...。

 そう、此奴らの背丈は幼稚園児くらい...だから、攻撃がほとんど当たらない。

 僕は一旦、ゴブリンとの距離を取る。


 「やっぱり、剣に何らかの魔法を纏わせたほうが良さ...」


 後ろ‼︎

 また僕の本能がそう叫ぶ。

 だが、


 「なっ...⁉︎うごけ...ない...。」


 僕の体は何かに縛られたように固まってしまう。

 もちろん、背後から近づくゴブリンの攻撃も避けれない。

 ゴブリンの攻撃は、僕の左太ももに大きな切り傷を残す。

 僕はあまりの痛みに倒れ、うずくまる。

 そこで僕は、あることに気づく。


 「あぁ、僕...攻撃食らったの、初めてか...。」


 僕は魔力を手にしてからこれまで、一度も攻撃を食らったことがなかった。

 僕は、戦うということのリスクを知らなかったのだ。

 常立と豊野は、1ヶ月の鍛錬で技術を磨いてきたらしい。

 宇地原と須田と活田さんも、僕と出会う前に多くの魔物と戦っていたらしい。

 対して僕はどうだ?

 魔力を手に入れ、たかが数回の戦闘で主人公気取りで...


 「僕が1番、主人公らしくないじゃないか...」


 会場は沈黙に包まれる。

 皆、僕の動きに注目している...。

 皆、僕に期待を寄せている。

 そう言えば、学生時代や教員時代もこんな感じだったな...。

 同級生や教師は皆、真面目な僕に大きな期待を寄せていた。

 僕はその期待に応えようと日々、努力していた。

 期待に押し潰されそうになった日もあった。

 でも僕は結局、その「期待」を動力源にしていたんだろう。


 「そうか...」


 今だって皆、僕に...いや、オレに期待を寄せている。

 学生時代や教員時代から何も変わっていないじゃないか。

 オレは...ただ、この期待に応える。

 それが、オレの目指す『主人公』だ!

 僕はゆっくり立ち上がる。

 初めて使う回復魔法で太ももの傷を癒す。

 そして、さっきまで使っていた剣を捨てて新たな剣を2本、創造する。

 僕はそれを両手に持って、構える。

 いわゆる二刀流ってやつだ。

 2匹のゴブリンは僕の視線の先で止まっている。

 僕は呟く。


 「いこうぜ...『主人公(オレ)』の極限───‼︎‼︎」


 その言葉と同時に、オレは手に持っている2本の剣をゴブリンに向かって思いっきり投げる。

 ゴブリンたちは余裕でそれを避け、目に見えない速度で移動し始める。

 そんなこと、わかっている。

 だから、オレは攻略法を創った。

 オレは壁に刺さった2本の剣の方に左手を伸ばし、


 「回れ」


 と唱える。

 すると壁に刺さった2本の剣は僕に近づき、ゴブリンよりも速い速度でオレの周りをそれぞれ反対方向に高速回転する。

 5秒くらいすると、背後で肉が剣に貫かれる音が聞こえる。

 後ろにはまんまとトラップに引っかかったゴブリンが1体。


 「あとは...」


 上だ‼︎

 また、本能が伝える。

 だが、もうそんなのわかっている。

 オレが2度も同じ過ちを繰り返すわけがないだろう。


 「今度は、お前の出番だ。」


 オレはそう言いながら先程捨てた1本の剣を指差す。

 すると剣はオレの頭上目掛けて飛んでいく。

 オレの頭上からまた、肉が剣に貫かれる音が聞こえる。

 オレの周囲には、2体のゴブリンの死体と3本の血まみれの剣が落ちている。

 オレは...僕は...


 「主人公...だ。」

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