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この世界の廃神様 第一神実  作者: ZAB
第二章 〜《魔力武闘会》〜
34/82

第34話 【豊野二千花ノ1日】

 目が覚める。

 もう朝か...。

 フリゾンで作られたベッドはとても寝心地が良くて、いつも寝過ぎてしまう。

 ベッドから出ながら青色のパネル...My(マイ)パネルを展開する。

 時間は...まだ7時か。

 今日は早く起きれた方だ。

 パジャマから外着に着替えて扉の方へ向かう。


 「よーし...今日も頑張るぞい!」


 そう言いながら私...豊野(トヨノ) 二千花(ニチカ)は、自分の部屋と廊下の間の扉を開く。

 廊下には誰もおらず、とても静かだった。


 「先生や先輩たちはもう行っちゃったか...。」


 そう独り言を呟きながら、一つ下の階に下りる。

 下の階に下りると、すぐ目の前に扉がある。

 その扉に近づき、コンコンとノックする。

 少しして扉が開く。

 扉の先にはそれなりにイケメンで高身長な赤髪男子...常立(トコダチ) 一重(ヒトエ)がいた。

 彼はちょうど1週間前、魂絶者のデカってやつを倒して日本の滅亡を防いだ人物......まあ、英雄...みたいな感じかな...。

 でも、彼が目指してるのは英雄じゃなくて『廃神』...つまり、最強らしい。

 そして、彼は謎多き物質...フリゾンの研究をするため、この1週間ずっと研究室にこもっている...それも徹夜で。

 彼が言うには回復魔法で眠気をなくせるらしい...。

 それでも一応、たまには寝た方がいいと彼に言っておいた。

 彼は研究の効率を重視しているだけなのか、それとも...眠るのが嫌なのか...。


 「あっ...そうだ...例のフリゾンのサンプル、完成したよ。」


 彼が突然、話題を変える。

 話を逸らすってことはやっぱり......ん?


 「えっ...本当⁉︎」


 脳みそが少し遅れて内容を理解する。


 「はい、これ...早速、訓練場で試してきてくれる?」


 そう言いながら彼はフリゾン入りのビーカーを渡してくる。

 これはついこの前、私でも使えるフリゾンを、と彼に頼んでいたものだ。

 まさかこんなにも早くサンプルができるなんて...。

 私はビーカーを受け取ると、急いで訓練場に向かう。


 「よし、これで私もフリゾンマスターだー!」


 廊下に響くような声でそう言った。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 訓練場に到着する。

 訓練場は学校の体育館くらいの大きさで、小規模の鍛錬なら大体ここでできる。

 私は早速、左手の上にサンプルのフリゾンを乗せる。


 「あとは...これに魔力を流すだけ...か。」


 私はフリゾンに少しだけ魔力を流す。

 すると、フリゾンの形が変形する。


 「これって......成功なんじゃない?」


 私がそう言って、喜ぼうとすると突然、フリゾンが白色になる。


 「へ?」


 そして、白くなったフリゾンが膨張し始める。

 ヤバイ。

 本能がそう言っている。

 でも、どうすることもできない。

 フリゾンは接着剤のように私の手のひらにくっついている。


 「あっ...おわった...。」


 全てを察した私は目を(つむ)る。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 町の中を歩き回りながら、私は独り言を呟く。


 「はあ...うまくいけば、今日からフリゾンボディスーツで散策できたんだけどな...。」


 あの後、膨張したフリゾンは破裂して私の服と訓練場に飛び散った。

 結局、私は夕方まで訓練場の掃除をやる羽目になった。


 「まあ、掃除が夕方までに終わったのが不幸中の幸い...か。」


 この1週間、私は毎日夕方に城下町を散策している。

 別にサボっているわけではない。

 一応、常立たちにはパトロールで外に出る、と伝えている。

 まあ、間違ってはないよね...。

 もし何か問題が起これば対処しようと思ってるし...。

 ...思ってるだけだけど...。


 「...あれ?ここら辺...昨日まで更地のままだったはずだけど...。」


 私はいつもの散策ルートで昨日まではなかった建造物を見つける。

 かなりでかい...円形の...。

 これって...


 「円形闘技場(コロシアム)⁉︎」


 私は慌ててもう一度、建造物をよく観察する。

 すると、一枚のチラシが私の目に()まる。

 チラシには、『魔力武闘会』という大きな見出しと、その下に期間・参加条件等が書かれている。

 開始は5日後...。

 チラシを見て私はさらに慌てる。


 「これはマズイ...かも。」


 私は何も考えずに、とにかく城に向かって走った。

もし、「面白い!」と感じて頂けたら『いいね』や『⭐︎』などで応援してもらえるとありがたいです‼︎

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