第25話 【創造ノ『チカラ』】
男は地面から剣を抜き、こちらへ走ってくる。
まるでアニメキャラの動きをそのままコピペしたかのような走りだ。
ただ、油断は禁物。
向こうの作戦は僕の隙を作ることかもしれない。
ここは気を抜かず...
「徹底的に──!」
僕はフリゾン弾を男に向かって撃つ。
それでも男は
「ムダムダムダーー!」
と言いながら弾を切り、こちらへ走ってくる。
「嘘だろ!?弾は切る物じゃなくて避ける物だぞ...!?」
僕は男との間にフリゾンウォールを作る。
とりあえずこれで距離を取らなければ...。
...と思った瞬間、凄まじい叫び声と共に剣が壁を貫く。
「え...?」
男は僕を壁ごと突いたのだ。
僕は背後の建物へと吹っ飛ばされる。
僕は急いで建物の壁にフリゾンクッションを生成する。
衝突時の衝撃をクッションで和らげる。
「なるほど...あの剣が何か関係しているようだな...。」
僕はできる限り硬度が高くなるようにフリゾンウォールを作ったはずだ。
それでも壁を破られた原因はきっとあの男の持っている剣にある。
理由は単純......あの剣からはとてつもない魔力を感じる......それだけだ。
僕は建物の壁に立つ。
男はもうすでに次の攻撃に向けて構えている。
「仕方ない...。」
僕はフリゾンソードを右手から生み出し、左手で持つ。
次の瞬間、男は僕に向かって一直線に突っ込んでくる。
僕は左手に持ったフリゾンソードを振り上げ、男の剣目掛けて勢いよく振り下ろす。
男の剣はいとも簡単に両手から離れ道路の方へ飛んでいく。
そして男は真下へ落ちていく。
男はなんとか無傷で着地するが、彼にもう武器はない。
僕は彼に近づき、フリゾンソードを彼の首に近づける。
「さあ...決着はついた...。今度こそ、君の名を聞こうか...。」
男は黙り、俯いている。
10秒程経って、ようやく男が口を開く。
「まだだ...。まだ......ここからだ──!!」
その言葉と同時に正面にある建物の上に巨大な魔法陣が描かれる。
そして...
「行け‼︎噴火──‼︎」
という詠唱と共に、魔法陣から凄まじいスピードで溶岩が噴射される。
僕は咄嗟にフリゾンウォールを生成し、向かってくる溶岩をなんとか防ぐ。
だが、溶岩の噴射はまだ続いているようだ。
少しでも気を抜けば押し負けてしまいそうだ。
僕はフリゾンウォールの維持に集中する。
溶岩の噴射は10秒ほどで収まった。
「流石にこれは僕でも辛かったな...。まさか魔法陣なんてものがあるなんて今まで知らなかっ...」
そこまで僕が喋ったところで何かが腹部に刺さる。
僕はすぐに腹部を見る。
腹部には例の男が持っている剣が刺さっていた。
彼は僕の腹部から剣を抜くと、また僕との距離を取る。
おかしい...先程、彼は確かに武器を失ったはず...。
僕は道路の方を見る。
さっき男が落とした剣はまだそこにあった。
「...なるほど...ねぇ...。」
これでようやくはっきりした。
この男の能力は...『創造』だ。
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