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この世界の廃神様 第一神実  作者: ZAB
第一章 〜《国家崩壊》〜
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第24話 【『アレキサンドライト』ノ指輪】


 「初めて聞いたよ...そんな話...。」


 しばらく続いた静寂の中、先に喋ったのは豊野の方だった。

 僕はそれに続くように


 「警察から口外するなと言われていたからな。」


 と返す。

 彼女は納得いかないのか、黙り込んでいる。


 「重流さんは中学卒業まで僕の代わりにこの部屋の家賃を払ってくれていた。ただ...それと中学の転校の手続き以外で彼と関わることは殆どなかった。」


 「えっ...じゃあ、あの時に転校してきたのって...」


 「重流さんが上手く手を回してくれていたんだ。」


 「そうだったんだ...。」


 どうやら彼女の中で気持ちの整理ができたようだ。


 「ところで常立君は今、何を探しているの?」


 「ちょっと待ってて......確かここに...あった!」


 僕は箪笥の中にある箱から指輪の入った容器を2つ取り出し、豊野に見せる。


 「これって...何?」


 「指輪だよ。父さんによると常立家で代々受け継がれてきたものらしいよ。使われているのは『アレキサンドライト』っていう宝石らしい...。」


 僕は赤と青の2つの容器のうち、青い方を豊野に渡す。


 「えっ...。これもらって良いの...?」


 「せっかく2つあるんだから良いでしょ?」


 豊野は戸惑いながらも容器を開ける。

 中には赤色の宝石の指輪が入っていた。

 豊野が指輪をはめるのを見ながら僕も容器を開けて指輪をはめる。

 僕の指輪も赤色だった。


 「私、本物の宝石を生で見るの初めてかも...。」


 「確かに...僕もこの宝石を生で見たのは初めてだな......ん?」


 僕は指輪の背景から箪笥の中にある()()に気づく。


 「これは......巻物...?」


 僕がその目に捉えた()()はなんと巻物であった。

 それに絶対古いやつ!

 僕はそっと巻物を手に取り、それを展開する。


 「えーっと...(てん)......(べつ)...(なな)...(じゅつ).........神術(しんじゅつ)......。んん?」


 僕は巻物に書いてあった読める字をそのまま読み上げる。

 しかし、巻物に書いてあった字のほとんどが掠れてしまっていて判読できなかった。


 「......だめだ...。これだけじゃ何もわからない...。」


 「まあ...ここに保管しておけば?今後、何かの役に立つかもしれないし...。」


 「そうするか...。」


 僕は何故かこの巻物にとてつもなく重要なことが記してある気がしてならなかった。



 部屋を後にした僕らはマンションのフロントの自動ドアを通って外に出る。

 すると、豊野が


 「あっ...常立君...指輪が...」


 と言う。

 僕はすぐに指輪を見る。


 「なっ...。指輪が...青色に...?」


 なんと、僕らのはめているアレキサンドライトの指輪の色が赤から青に変色していたのだ。


 「へぇー。アレキサンドライトは、日光に当たると青色に、ロウソクなどの炎の光に当たると赤色に変色するらしいよ。」


 豊野がMyパネルで調べたことを読み上げてくれる。

 まさかこのアレキサンドライトの指輪にそんな仕組みが隠されているだなんて気づかなかった。


 「よし!じゃあ、次の目的地は日本の中心...東京だ。とりあえず、駅まで行こう。」




 僕たちは横浜駅西口のバスロータリーまで辿り着いた。

 そこで僕がどうやって東京まで行こうか考えていると、豊野が


 「あっ......常立君の家に忘れ物しちゃった...。」


 と言い出した。

 彼女は僕の方を見つめてる。


 「流石に僕はついていかないよ?もし取りに行くんだったら鍵貸すよ。」


 「だよね...。じゃあ行ってくるね!」


 鍵を受け取った彼女はそう言いながら急いで僕の家へ向かった。

 そういえばこういう時、瞬間移動ができれば便利だな...。

 魔力を駆使すればできなくはなさそうだけど...。

 これも一段落したら調べてみるか...。


 「それはそれとして...今はどうやって東京に行くかだけど...。そもそも、具体的に東京のどこに行くか決めてなかったな...。まずはそこから決めないと......ん?」


 僕が独り言を喋っていると背後から何かを感じた。

 これは.........


 「魔力!?」


 僕はそれを感知したと同時にフリゾンのローブと仮面を身につけ、背後から突っ込んで来る何かをジャンプで華麗に避ける。

 直後、僕のいた場所からガラガラとコンクリートの砕ける音が聞こえた。

 そちらをみると、そこでは男らしき体格のものが剣を地面に深く刺していた。


 「僕の不意をつくとは...君の名を聞こうか...。」


 「この不審者め!貴様...さっきの少女と何を話していたんだ!」


 あれ...この声...どこかで聞いたこと...あるような...ないような...。

 いや、それより...質問に対して質問で返す人って本当にいるんだな...。

 てっきりゲームの中にしかいないと思っていた。

 それに質問の内容的に不審者はそっちだ...。


 「僕の質問に答えられないのならば...力ずくにでも答えさせるまでだ...!」


 僕はフリゾンの弾を周囲に浮かせる。

 ちょうど1ヶ月間の鍛錬の癖で、今日も戦いたくなっていたところだ。


 「さてと......戦闘開始だ...!」

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