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この世界の廃神様 第一神実  作者: ZAB
第一章 〜《国家崩壊》〜
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第17話 【『廃神』ニ成ル為ニ】

 眩しい...。

 僕は目を開ける。


 「ここは...教室か...」


 僕は教室の席に座っていた。

 そして僕の目の前には2人の生徒...。

 どちらも顔が黒く塗りつぶされていて誰だかわからない。

 その2人の生徒のうちの1人がいきなり殴りかかってくる。

 僕は突然のことに理解が追いつかない...。

 なんでこんな生徒がたくさんいるところで殴るんだ?


 「こんなの他の生徒に止められるに決まっ...て...」


 僕は周りを見て驚愕する。

 僕の周りの生徒は誰も止めようとしない。

 むしろ、僕の方を見てケラケラ笑っている。

 そいつらの顔も黒く塗りつぶされていてうまく見れない。


 「そうか...」


 どうせこいつらは自分には関係のない他人事として僕を見ているのだ。

 ある生徒が僕の方を指さして


 「気持ちワリィィ...」


 と言う。

 黙れ......この出来事を安置から見て感想を言うことしかできないお前の方が気持ち悪い...。

 さっきの生徒の一言を皮切りに教室中から次々と罵声が飛び交う。

 キモイ,消えろ,吐き気がする,死ね,生きる価値ない...

 そんな言葉を僕は殴られながらぶつけられる。

 耐えられない...。

 死にたい...。

 僕の耳には暴言だけが響いている。

 僕が何をしたんだ...。

 暴言が僕を取り巻く。

 黙れ...黙れよ...黙ってくれよ.........




 「黙れ!!」


 目が覚めると僕がいたのはシングルベッドの上だった...。


 「なんだ...夢か......。」


 外はまだ暗い。

 Myパネルを展開し、時刻を確認する。


 「時刻は...まだ1時半か...。」


 昨日ベッドに入ったのは23時半だったから、まだ2時間しか寝ていないことになる。


 「二度寝は...したくないな...」


 あんな悪夢を見たのだから当然だ。

 僕は部屋を出る。

 僕は今、2階にいる。

 ここからどうにかして1階に降りたい。

 ただ...ここから階段まで行くには豊野の寝ている部屋の前を通る必要がある。

 こんな時間に豊野を起こしたくはない。

 僕はしゃがんで、右手を床につける。

 そして、階段までの道のりにフリゾンを敷く。

 僕はフリゾンの上を音を立てず優雅に歩き、階段の前まで行くと、


 「戻れ」


 と小声で言い、フリゾンを回収する。

 やっぱりこれは便利だな。

 階段で1階まで下がり、庭に出る。

 庭には2脚の椅子と焚き火してくださいと言わんばかりに木が組まれていた。

 僕は椅子に座り、指をパチンッと鳴らし、その木に火をつける。


 「うんうん...やっぱり『廃神』なら魔力はこれくらいスタイリッシュに使えなきゃね...。無詠唱の精度の低さはこれから少しずつ克服していこう...。」


 次に僕はボディスーツのように体に纏わせていたフリゾンの形を変えてまた戻す。


 「あと、フリゾンの扱いにも慣れておかないとな...。」


 やることは山積みだ。

 ただ、それを一つずつ着実にこなしていく...


 「全ては『廃神』になるために...!」


 「ハイ...ジン......?」


 「――!?」


 突如、後ろから声が聞こえて僕は振り返る。

 僕の視線の先には、窓のそばからこちらを見ている豊野がいた。

 長い茶髪と独特の青い瞳が焚き火に照らされる...

 豊野は焚き火に近づき、椅子に座る。


 「ハイジンって何?」


 と豊野が聞いてくる。

 そういえば豊野にはまだ話してなかったなと今更気づく。



 僕は豊野に昨日届いた謎のメールと『廃神』について話す。


 「じゃあ、その3冊の書物を見つけるのが常立君の次の目標ってこと?」


 「まあ、そうなるかな...。」


 「いいじゃん...。なんか面白そう!」


 豊野はそう言い、青い瞳を輝かせる。


 「私も一緒についていってもいい?」


 「もちろん...全然いいよ。」


 現段階、彼女の魔力に対する知識は僕を上回っている。

 それに、きっとこれから1人では切り抜けられない状況にも遭遇するだろう。

 それを考えれば、彼女を連れて行くのは最善の選択だと言える。

 僕はハッと思い出して豊野にある質問をする。


 「そういえば、豊野さんってなんであんなに魔力について詳しかったの?」


 「ああ...あれは...私の弟が調べたものだから...」


 「弟って...海外にいる?」


 「そう...その弟...。」


 へぇ...流石に海外の学校に通うくらいには頭いいんだな...。

 僕はいきなりその豊野の弟に会ってみたいと思った。

 だが、今の目的は『廃神』になること...


 「じゃあ、電車が復旧するまで僕に魔力について色々教えてくれる?」


 「えっ...私でよければ全然...」


 豊野が珍しく照れた顔をする。

 その美しさに思わず目を逸らしてしまう...。


 「じ...じゃあ、明日...っていうか今日から早速始めよう!」


 こうして、僕と豊野による魔力鍛練が始まった...。

もし、「面白い!」と感じて頂けたら『いいね』や『⭐︎』などで応援してもらえるとありがたいです‼︎

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