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赤子の誕生
オギャー、オギャー
赤子の大きな泣き声が屋敷に響いた。
屋敷にいた人達は生まれた赤子を見に部屋に集まってくる。
そこへ割って入ってきた無精髭の男が、赤子を抱いた女に近付き、
「良くやった。後は休め」
と女に言った。その男は赤子を見たが、抱くことはなく、その場を去った。
時代は江戸時代
世間は妖怪のブーム、新しい妖怪による化かしあいがそこらじゅうにうようよしている。
その中に生まれたぬらりひょんの子ども。ぬらりひょんとは、人の家に上がり込んでお茶を飲んで去っていく。ぬらりくらりとしていて、つかむことが出来ず、ひょんと出てくる。妖怪の総大将と呼ばれている。