ジュン
その日はJR大阪城公園駅で待ち合わせをした
天気は晴天で気温も暖かく、花見客で賑わうのか改札口も混雑している
約束の5分前に行くと彼女はすでに着いていた
あの日と同じGジャンと手にはバスケット
「お弁当作って来たから、食べよう」
そう言って笑う彼女に
「ありがとう、じゃあ向こうでビールでも買おうか」
そう言って、お城に向かう
公園には沢山の人、そして屋台
オデンとビールを買うと、日当たりの良い芝生の上に座ってお弁当を広げる
オニギリに唐揚げ、ウインナー、卵焼き
定番過ぎるでしょう、そう言って笑う彼女と2人で食べる
その日は場所を何回か変えながら、色んな話をした
彼女は海外の雑貨を輸入している会社の事務で、主な商品はゲーセンの景品らしい
社長は趣味で、テディベアを輸入していて
「あれって色んな作品があるから作者で仕上がりが違うの」
そんな話をしながら海外の話をすると
彼女はワーホリで一年留学していたらしい
「牛乳の低脂肪が白い水みたいな味で、不味すぎて吐きそうになった」
次の買い物について行って、普通の牛乳を指差して、買ってもらったらしい
「不味すぎてこっちも必死だったわ〜
まだ、英語もそんなに話せないし」
そんな話をお互いにする
俺は地元の家電の倉庫に勤めていた
残業はほぼ毎日あって、古い倉庫だから鳩が住み着いている
「あれって毎年巣作りに来るのな」
そしてそこら辺に糞をして商品を汚損させる
「ウチの所長がさ、倉庫の中をママチャリで移動する時に、エアガンをチャリの前かごに入れて、鳩を見たらかご から出して撃つの」
ヤクザみたいな顔してエアガン持って巡回してる、そう言うと彼女は爆笑して
「お腹痛い〜、ヤクザ映画見たい」
その日に次は映画を観に行こう
そう約束して駅の改札で別れた