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八話 みくちゃんの恋心

日間ランキングに乗ることが出来ました!

評価、ブクマ、ありがとうございます!!

「野ばら保育園の説明…ですか」

「ええ。そうよ!」


俺も1年間のここでお手伝いさせてもらっているので多少は園内を理解しているはずだ。


「分かりました。みくちゃんに色々と教えてあげようと思います」

「色々と…」


校長がポっと顔を赤くする。

大の大人が何を考えているんだ…


「それじゃあ、行ってきますね」

「えっ、ええ。お願いするわ!」


俺は軽く頭を下げ職員室を出る。

さて、みくちゃんがいるクラスは…


野ばら保育園ではクラスを動物で分けている。ひよこ、うさぎ、パンダ、ぞう、きりん、くま組の六つある。

ひよこからクマにかけて歳が多くなる。


みくちゃんはパンダ組になったらしい。

パンダ組の教室に向かう。


ガラガラガラッ


「みんなー、こんにちはー!」


俺はパンダ組のみんなに元気よく挨拶をする。


「あ!はるとおにーしゃん!」

「きたな!はるとにーちゃん!」

「はるとお兄ちゃんだー!」


みんなクレヨンでお絵かき中にも関わらず走ってやって来る。


「だっこしてだっこー!」

「きょうこそはおれとあそぶんだぞ!」

「わたしとお絵かきしよー?」


パンダ組のみんなが俺を囲って群がってくる。俺をよく慕ってくれるのだ。

その気持ちは本当に嬉しいが、今日はみくちゃんを園内の案内をしなくてはならない。


「ごめんね、みんな。今日はみくちゃんにここの案内をしようと思うから、また今度遊ぼうね。」


「わかったー!」

「しょうがねぇな!またこんどにしてやる」

「わかりました!」


本当にこの子達は物分りも良くて可愛い。


集まったみんなの中のちょっと後ろの方に、下を向いて俯いているみくちゃんがいた。

俺はみくちゃんに手を差し伸べる。


「みくちゃん!行こう!」

「はっ、はい!」


みくちゃんは伸ばした俺の手を掴んだ。


ーーー


まっ、またお兄さんに会えた…嬉しいっ!!

でも、すぐに会えるってどうしてだったんだろう。


「お兄さんはどうして幼稚園にいるの?」

「僕はこの幼稚園を部活動の一環として活動させてもらってるんだ」


部活動…お姉ちゃんが高校にはあるんだよって言ってたやつだ。

お兄さんがすぐに会えるって言ってたのはその部活動があるからだったんだ…


「それじゃあ案内するんだけど……手はこのまま?」

「はい!このままがいいですっ!」


出来ればこのままずっと手を繋いでたい。

お兄さんの手は大きくて温かい。

私は離さないようにギュッとお兄さんの手を握った。


するとお兄さんも優しく手を握り返して、私を見て笑った。


なっなんか頭が熱い。ぼぉっとする。

私…どうしたんだろう…


ボーッとしてるといつの間にか外に出ていた。ブランコや滑り台などの遊具がいっぱいある。


「野ばら広場、たくさんの遊具があってね、あそこにブランコ、あっちの方にはうんていがあってね……って大丈夫か?」


お兄さんはわたしが心配になって、しゃがんで目線を合わせてくれた。

もう頭がボーッとして何も考えられない…


「おっ、お兄さんっ!!」


ガバッ

私は抱きつきたい衝動にかられて抱きついてしまった。


「おっとぉ」


お兄さんは少しよろけてしまったが、構わずガシッと抱きつく。


するとフワッと頭に何かが乗っかった。

少し見上げると、お兄さんの手が頭に乗っているのが見えた。

お兄さんは私を撫でてくれてるんだ。

気持ちいい…私はそのままお兄さんに身を委ねる。


ーー撫でてもらってしばらく経った


「みくちゃん…この格好はちょっと恥ずかしいからどいてもらっていいかな…?」


この格好?

私は瞑っていた目を開け、自分の体勢を見る。

すると私は、地面に座っているお兄さんの足と足の間に入って、抱きついていた。


「ーーっ!!今すぐどきますっ!」

「あぁ、焦らないで大丈夫だから」


私はワタワタしていると、声が聞こえた。


「みくちゃーん!!」


あ、この声はお姉ちゃんだ!


読んでくださってありがとうございます!

よかったら評価、ブクマ、よろしくお願いします

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