二十六話 お勉強しよう!
お風呂会です!(/ω\)
状況自体は少しエッチですが、描写はあまり細かく書いていない(書けないの間違えでは?)なので大丈夫でしょう!
「あ、あのお兄ちゃん…あんまり恥ずかしいから見ないで欲しい…です…」
「あ…すまない!」
俺は琴音とは逆向きにバスチェアに座る。いや、おかしい。なぜお風呂に琴音がいるんだ?
「あのね…母さんがお勉強するならお兄ちゃんには学ぶ方がいいって。いい教材になるから、とかなんとかで…」
「あんのやろぉ…」
見事、俺に性教育を押し付けた挙句、ちゃっかりと問題を起こしていく。年頃の女の子は兄に裸を見られるのは嫌だろうに。
「琴音。母さんの言うこと聞かなくていいから上がって待ってなさい」
「す、少し恥ずかしいけど…大丈夫だよ?お兄ちゃんなら。それに少し前まで一緒にお風呂入ってたもん」
「少し前っていつの話だ…」
俺が小学五年生の時に小っ恥ずかしくなってやめたから…6年も前のことだぞ?
「と、とにかく!母さんが言うにおせっせを知らないのは恥ずかしいことだからしっかりと教えてもらいなさい。あわよくばしちまえ。らしいです!」
は、はぁ!?実の子に何を言っているんだ!?母さんの性格を考えると冗談なのは確かなんだが、さすがにイタズラが過ぎるぞ母さん…
「お、お兄ちゃん…寒くなってきた」
「そ、そうか。ほらシャワー」
俺は前を見ながらシャワーを手に取り後ろへやる。するとシャワーに手が触れる感覚がしたので感覚がしたので手を離す。
春斗の耳にはしばらく琴音の体に当たったお湯がお風呂場の床に流れる音が聞こえていた。
◇
は、はっ、、は…、、恥ずかしい…!!
私は下に俯いたままシャワーを胸に当てる。チラッと前を見るとお兄ちゃんのそこまで筋肉のついているわけではない、だけどしっかりとしている肩がみえる。
きゃ…きゃぁぁああ!!幸せぇ………はっ!
私今すごくだらしない顔になってた。
母さんがお兄ちゃんのお風呂に侵入しちゃいなさいと聞いた時はドキドキしてしまって強ばってしまったけど、いざ入るともう心臓飛び出そう…
「な、なぁ琴音。俺のシャンプーが乾いてきたから悪いけどシャワー返してくれないか?」
落ち着こう。すぅ…はぁ…すぅ…はぁ…深呼吸……って!お兄ちゃんの空気を吸ってるみたいになってる!?
「あのぉ…琴音さん?聞いてます?」
「えっ!えっ!な、なに!?」
「シャワーを早くよこして!」
「あ!はっ、はい!!」
そこで普通に渡せればよかった。気が動転していた私は勢い余って前に差し出すつもりのシャワーと一緒に身体もつんのめってしまったのだ。そんなことある!?
そして私は勢い良く後ろからお兄ちゃんに抱きつく。それはもうピッタリと。そして思考が停止した。頭が働かないとはこういうことを言うのだろう。
「……琴音。大丈夫だ。落ち着いて離れるんだ」
「ぅぅ…ぅん」
お兄ちゃんに促されてゆっくりと抱擁を解く。し…死ぬかと思った…
◇
琴音が抱きついてきたことにはびっくりしたが、動けないでプシューと湯気を出している琴音を見ていると逆にこちらが落ち着いてきた。
どうせ兄妹だ。意識すること自体がおかしい!
そう思って吹っ切ることが出来た。
琴音の決して大きいとは言えない小ぶりのお胸の感触を背中に感じながら、俺は琴音を落ち着かせようとする。
「……琴音。大丈夫だ。落ち着いて離れるんだ」
「ぅぅ…ぅん」
琴音がゆっくりと離れていく。そこで俺は琴音に見られないように素早く立ち上がり、浴槽に入った。琴音は下を向いてたから大丈夫だったはずだ。
「琴音も入るか?」
「ふぁ…ふぁいっ!?」
琴音は顔を真っ赤にして凝視してくる。……恥部を隠していた手も忘れるくらい必死に。
「バスタオルとかあれば…いいかな?」
「りょっ…了解でありますっ!」
琴音はドタバタと風呂の扉を開きバスタオルを取ってきた。取ってくると肩で息をして仁王立ちしている。手にバスタオルを持ったまま。
「……まず…隠そうよ」
「ひゃ…ひゃい」
もうなんて言うか…可愛い妹だな、としか感じられなくなった。
「ほら、おいで琴音」
「うん…」
バスタオルを体にまいて落ち着きを取り戻した琴音は俺の足の間に入ってくる。懐かしい感覚がする。琴音は少し迷いながらも俺の胸に頭を預けた。
「お、お兄ちゃん…ごめん。私舞い上がっちゃって…」
「いいや、俺も動揺しちゃったし。妹なのにな」
「いや…それはそれで…」
琴音は口元を少しお湯に入れてブクブクと音を立てる。ん?何が不満なんだろうか。
「こうやってまた琴音と一緒にお風呂に入れるとは思わなかったよ」
「うん、私も!母さんのおかげだね」
琴音はいつもの調子を取り戻したようで俺を見上げて笑った。
「あと…おせっせ!」
「ちょ…琴音!?それは言ってはいけません!」
「え?そうなの?じゃあどういう意味なの?」
琴音が純粋無垢な顔で聞いてくる。んぐっ…説明しにくい…今の状況と言い、これって兄妹で話し合うものでもないと思うのだが。
「そうだな…琴音。子供の出来方は知ってるか?」
「う、うん…知ってるよ」
琴音が恥じらいながら頷く。お?これは説明しなくても済むのでは?
「そのことだよ!だからあんまり口に出して言うのは外聞に良くないだろ?」
「そうかも…ってことは母さんはお兄ちゃんとキスしろって言ってたの!?」
…………は?
「えっと…琴音?子供の出来方って…」
「え?…キスでしょ?母さんったら琴音たちに何を言ってるのかしら~」
琴音は顔を手で隠して体をくねらせている。
俺はここでため息をひとつ。
琴音に教えることを諦め、母さんに任せることにして今は琴音と一緒に風呂に入って疲れを癒した。
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次の日の朝、母さんとお勉強した琴音は赤くなった顔でプルプル震えながら、しっかりと土下座してきた。
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