二十五話 休日の寺坂家
自分でも自然消滅するかなーと考えておりましたがちょこちょこ書いていきたいと思います。かなり不定期になると思います。ご了承ください。
ペンネームも改め 露橋 華蓮 にしたいと思います。
これからもご愛読のほどよろしくお願い致します。
今週も終わって日曜日になった。
あの後、園長が佐々木さんと和泉さんを猛説教し、タクシー代を分捕っていた。
しかしそんな彼女とは裏腹に、俺と目が合うと園長は顔を赤くしてぷいっと目を背けることが多くなった…というか毎度だ。本当は覚えていたのではないか?いやぁ…でも覚えてないって言ってるし…
「ねぇねぇーお兄ちゃんってヤンキーになっちゃったの?」
「琴音よ。いきなりどうした?」
俺がベットで寝っ転がっている横にいつの間に琴音も横になっていた。
俺は背後にいる琴音と向かい合わせるように向きを変える。すると琴音の顔が目の前に見えた。
「だって今週の水曜日にお兄ちゃん朝帰りしたじゃん!あれってヤンキーっていうんでしょ?」
「それ自体がヤンキーとは言えないけど…」
そこら辺の琴音の知識が曖昧だな。すると琴音が不安顔になる。
「お兄ちゃん…ヤンキーなんかになっちゃダメだよ?琴音いやだもん」
琴音が俺の服を掴んでくる。ああ、俺は本当に可愛い妹を持ったもんだな…幸せ者だ。
「ありがとう琴音。大丈夫だ。お兄ちゃんは変わらないし、いつまでも琴音のお兄ちゃんだからな!」
なんかこのセリフ…ブラコンっぽいけどまぁいいか。
俺は優しく琴音の頭を撫でる。琴音の顔を見ると気持ちよさそうに目を細めている。
何だこの生物は…!
改めて妹をの可愛さを認識した気がした。
「でもねー琴音ー。お兄ちゃんは大人の階段を登ってしまったの…その意味わかるわよね?」
「「!!母さん!?」」
いつの間にか俺の部屋に母さんが入り込んでいた。そのまま母さんは話し続ける。
「あぁ!可哀想な琴音!春斗はどこぞの誰と卒業してしまったというの…!」
芝居劇の悲劇のヒロインのように手を伸ばし、苦しそうな表情を浮かべ恍惚としている。……正直うざったい。
「あのなぁ…母さんには説明しただろ?ふざけるのも大概に…「大人の階段?卒業って何?お兄ちゃんまだ高二だよね?」……ん?」
「あらら?琴音ちゃん…おせっせ知らない?」
「おい母さん!直接的過ぎ…「おせっせ?なんかの踊り?」……お、おう」
まじか…ここまでとは思ってなかった。もしかして、中学二年生の女子はこんなものなのか?…基準がよくわからないからいくら考えても無駄だ。わかってたら分かってたで怖い。
「それじゃあ琴音ちゃん!今夜は楽しい楽しいお勉強よ!」
「うへぇ~。お勉強なんて楽しくないよぉ…」
「楽しいに決まってるじゃない!」
母さんはルンルンとしながら琴音を手を引っ張って下の階に行ってしまった。
これで琴音も一安心?だな。
◇
「「「いただきます」」」
寺坂一家は、休日は必ず家族全員で夕飯を摂るようになっている。母さんが決めた取り決めだ。今日の夕飯はハンバーグだった。
「んん!美味しいなハンバーグ。琴音もそう思うだろ?」
「う、うん…美味しいねハンバーグ…」
「どうしたんだ?体調でも悪いのか?」
琴音はモジモジとしてあまり箸が進んでいないようだった。琴音の大好物のハンバーグだ。いつも俺からせびるほどなのに。
「大丈夫よ春斗。琴音のことは気にしなくていいから」
「うん…気にしなくていいよお兄ちゃん」
「そうか…」
そこまで言われると追及できない。俺はハンバーグを味わいながら食べ進めていく。そして食べ終えるとご馳走様を言ってお皿を下げる。
「あー、春斗。お皿洗わなくていいから先にお風呂入っちゃって!」
「りょーかいー」
俺は自室に着替えを取りに行き、着替えを風呂場前のタオル置きの上に置く。
まずバスチェアに座りシャワーを頭に当て、シャンプーを使い髪を洗っていく。風呂場は感覚でシャワーの位置がわかる。俺は目をつぶったままシャワーを取ろうとする…があれ?シャワーがない。
「は、はい…お兄ちゃん、これシャワー」
「ああ。ありがとう琴音。……ことね?……はぁ!?」
「きゃあっ!」
俺はシャワーを落としてしまい水流の勢いでシャワーが暴れる。ガンガンと、音が響く。
俺は急いで手探りにシャワーを止めると、目がしみるの覚悟で目を開けるとそこには一糸まとわぬ琴音が内股になってペタンと座っていた。
「お、お勉強しに参りまひた…」
琴音は俯いて顔を真っ赤にしながら蚊が泣くような小さな声で、確かにそう言った。
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