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十九話 開始の挨拶

一週間が終わり、休日になった。


俺はいま妹と、近くのスーパーで昼食の買い物に来ている。今日は俺が昼ごはんを作ることになったからだ。


休みの日には、こうやって二人で買い物することが多々ある。

周りのご近所さんにはよく仲がいいわね、なんて言われるが、全く言ってその通りだと思う。

琴音のような年頃の女の子は、普通兄を邪険にするものだと思うのだが…

まぁ仲が良くて悪いことなんてないからいいけどね。


「琴音、昼何食べたい?」

「うーん…オムライスなんてどお?」


琴音はいつも迷った時はオムライスにする。琴音は卵料理が好物だ。


「またか?まぁいいけど」

「やった!!」


琴音は喜んで小躍りする。

…何それ可愛いんですけど。


確か卵はあまり無かったな…

沢山買っておくか。

今日はふわとろオムライスに挑戦してみようかな!


俺はあれこれ考えながらオムライスの材料をカゴに入れていく。


……ん?

不意にカゴの重さが増したような…

カゴの中を見てみるとお菓子が入っていた。

しかもかなり多く。

さては俺がカゴに入れる瞬間に入れて巧妙にお菓子を入れていたな?


「ふぃーふぃー」


琴音が出来ていない口笛をしながら、そっぽ向いている。


「琴音、早く戻してこないとオムライスなしにするぞ?」


琴音は、むむむ…としぶりながら、お菓子を持って戻しに行った。


たまに小さいお菓子だと気が付かないままそのまま会計してしまい、渋々買うことになったりするから油断ならない。


琴音がお菓子を戻している間に買い物を終わらせるか。

俺はケチャップを買うために移動する。


えーっと…いつものやつは…あった。

俺はケチャップを取ろうとすると、隣の人もちょうど取りたかったらしく手を出してきた。


「あ、すみません。先どうぞ」


俺は先を促し、手を出してきた人の顔を見る。その顔はよく知った顔だった。


「ありがとうございます……って春斗じゃん!」


そちらも気づいたらしく、口調が変わる。

その人は幼なじみの向日葵だった。

向日葵もちょうど買い物に来ていたらしい。


「何買いに来たの?」

「今日の昼ごはんと、あと色々と」

「そうなんだ!私はおつかいー」


向日葵はそう言うと俺の買い物カゴを覗いてきた。


「もしかしてオムライスつくるの?」

「ああ、琴音が食べたいって言ったからな」


すると向日葵は恐る恐る聞いてきた。


「それってもしかして…春斗が作るの?」

「うん、そうだけど?」


なんでそんなこと聞くのだろうか。

俺が料理ができることは知っているはずだが…


「琴音ちゃん…ずるい!私も一緒していい!?」


別にいいけど、何が琴音がずるい?

俺の料理が上手いって言ってくれてるのか!

それは素直に嬉しいな。


琴音がお菓子を戻して帰ってきた。

まずい!何故か琴音と向日葵は仲が悪いんだよな。


「あー!!何お兄ちゃんと一緒にいるんですか!」

「なに!私が春斗といちゃダメなの?」


あーまた始まったー

最近は二人が会うところを見ていなかったので久しぶりだ。


「私はお兄ちゃんと一緒にお買い物に来ているんですー。部外者は早くさよならしてくださいー」

「私これからお昼ご一緒するのー。しかも私は春斗の幼なじみだしー」


二人とも身長が小さくて喧嘩口調もなんか可愛らしいから、微笑ましいと思ってしまうことは内緒だ。


「お兄ちゃん!こんな人をうちに招くの!?」

「なによ!行ってもいいじゃない!」


二人はむむむーと唸りながら睨み合っている。


「こら、琴音。向日葵をこんな人なんて言っちゃいけないぞ。なんでそんなまた仲が悪いんだ?昔は良かったのに…」

「お兄ちゃん、それはね、向日葵さんがお兄ちゃんのことがす…モゴッ」


向日葵が琴音の口を必死になって塞ぐ。

俺のことがす?

なんだろう…?


「それなら私も言っちゃうもんね!琴音ちゃんはね!春斗のことがす…モゴッ」


今度は、琴音が必死に向日葵の口を塞ぐ。

なんなんだ?

二人揃って口を塞ぎあってモゴモゴしてる。

案外仲がいいのかもしれない。


「ハアハア…ここはひとつ、勝負して決着をつけましょう!」

「ハアハア…いいでしょう、お兄ちゃんに勝負内容を決めてもらいましょう」


え?ここで俺に振られるの?

えーと、んじゃ…


「料理対決なんてどうだ?これから作るし」



ーーー



「実況は私お母様、寺坂 葵と…「……はると」の二人でお送りしますっ!」


………なにこれっ!?

なんか家が改造されててあれなんですけど、食〇のソ〇マみたいになってるんですけど!?


「さてー!だれが春斗の胃袋を掴むのか!この戦いは重要なものになっていくでしょう!!」


てかなんでマイクあるの?家にあったっけ?

スピーカーまであるし…近所迷惑にならなきゃいいけど。


「さて!ここで選手を紹介します!こちらから出ますのは寺坂 琴音!!」


琴音がドアから出てくる。

ーープシュー!

……は!?

白い煙が出てるんだけど!?

ドライアイス用意してんの!?

クオリティ高すぎだろ!?


「彼女は寺坂家のマドンナ!学校でも可愛いと評判です!その小柄な体に秘められた力は凄まじいっ!!ちなみに料理はしたことないらしいです。はい」


よくそれでそんな自身満々な顔してられるな!

琴音は腰に手を当ててドヤってる。


ーープシュー!

「あちらからやってきます!春斗の幼なじみ、朝比奈 向日葵だあああ!!」


向日葵は腕を組んでふふんとドヤってる。


「彼女は幼稚園からの幼なじみ!実言う私もご近所だったのでかなり前からのママ友だぁ!」


なにそれ初耳!


「彼女の向日葵のような明るさ、作る料理はどのようなものになるのか!ちなみにこちらも料理はしたことないようです。はい」


……もうお前らドヤるな。


「両者、調理場に入りました!今回の料理のテーマはオムライス!春斗さん、今回の勝負どのように見ますか?」


ここで俺に振る!?

ツッコミに専念させてよ…

マイクを押し付けられる。


「えー、そうですね。二人は料理が初めてだと言うので、調理方法通りにしっかりと作って欲しいですね」

「春斗さんからアドバイスをもらいました!!最後に両者、意気込みをどうぞ!」


「お兄ちゃんの胃袋をつかみます!そして向日葵さんに勝ちますっ!!」

「ここで春斗にいいとこ見せます!琴音ちゃんには負けませんっ!」


おおぉ…すごい意気込みだ。


「それでは……食戟スタートです!!」


………………いや…だめだろぉおお!!

次は前々から言ってた短編書きます。


読んでくださってありがとうございます!

よかったら評価、ブクマよろしくお願いします!

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