十五話 身体測定
今回から投稿のペースを少し落とします。
(毎日投稿は難しかったので)
これからも「一緒に子供を育てませんか?」を
よろしくお願いします<(_ _)>
ーーそういえば、冷姫のこと忘れてた…
あー…学校行きたくない…
「お兄ちゃん!今日も一緒に学校行こ!」
今日も琴音は元気だ。
さっきまでは、落ち着きなかったけど。
「あぁ、いいぞ。一緒に行くか」
今日は俺も琴音と一緒にいて気分を紛らわしたい。
「「行ってきます」!」
俺たちは並んで学校に登校するのだった。
ーーー
俺は早めに高校に着いた。
昨日は学校初日だと言うのに遅刻したからな
さすがに今日は早めに着いていたい。
さらにもうひとつ理由があるが…
道中、琴音が「手…繋がない?」と言ってきたが、並んで歩いているだけでも視線が痛いのに、手を繋ぐとなるともっと視線が強くなるので遠慮した。
結局、手を繋がなくてむくれてしまった琴音のせいで、俺はさらに周りから凄い視線で見られることになった。
どっちにしろ逃げられないじゃん…
まったく…自分が可愛くてモテることを自覚して欲しいものだ…
モテる人は好意に気づかないのか?
そんな、ラノベ主人公じゃあるまいし…
俺はそんなことを考えながら自分の席に着く。
……よかった、まだ冷姫は来ていないようだ…
それもそのはず、早すぎてまだ誰も教室にいないくらいだ。
俺はここで寝ているふりをして過ごす!
これが俺が早く学校に来たもう一つの理由だ。
寝る前に、俺はリュックから教科書など取り出し机の中に入れていく。
授業の準備はしとかないとね。
ーーーガラガラガラッ
早いな…こんな時間に…
誰だろうと顔を上げると、
そこにいたのは冷姫だった。
ーーうわぁぁああ!!最悪だぁぁ!!
こんなことあります!?
冷姫を避けようと行動したら、教室で二人っきりになるなんて…
やばいじゃん!寝たフリできないじゃん!
バッチシ目を合わせちゃった!
冷姫は俺を一瞥すると興味が無いように視線を外し、歩いてきて俺の隣の席に座った。冷姫はバックを開けて、授業の準備を手早く済ます。
すると何故か顔をこっちに向けてジッとこっちを見てくる。
ひっ…ひゃあぁぁ!!
何をされるかわからない!
俺は机の中から引っ張り出した教科書を開き自分の顔を隠すように手に持つ。
言わずもかな中身なんて見ていない。
ーーガタッ
俺は冷姫が立つ音にビクッっとする。
冷姫は歩き出し、俺の席の前で止まる。
チラッと上を見上げると、腕を組んで仁王立ちの冷姫が見えた。
…こ…こわい。
「あなた、うちのみくを助けてくれたのは何故かしら?」
いきなりみくちゃんを助けた理由を聞いてきた。俺は戸惑いながら答える。
「か…可哀想だったから…?」
「…そう…あくまでもしらを切るつもりね」
へ?…なんで?
「分かったわ。そっちがその気ならこちらも遠慮なくいかせてもらいます」
冷姫は、そう言い放つと教室を出ていってしまった。
俺なにされるの!?
恐怖にブルブル震えていると、時間もたってきたのかクラスメイトがゾロゾロと登校してきた。
ひとまず、何で冷姫の怒りを買ってしまったのか考えてみる。
俺がしたのはみくちゃんを保育園に届けただけだ。それが恨まれる理由になるのか…?
あれこれ考えるが全く分からない。
そうこうしているうちに、隣には冷姫が戻ってきており、ホームルームが終わっていた。
ーーー
今日は身体測定をするらしい。
こういう日は男友達と身長を競ったり体重を馬鹿にしたりして、楽しいはずだが、
もちろんこのクラスでは友達0人!
…楽しくもなんともない。淡々とこなすだけだ。
身体測定のため、生徒たちは更衣室に移動する。もちろん男子は男子更衣室、女子は女子更衣室だ。
この学校の身体測定は体育館で全て行うため、一気に生徒が集まって混雑する。
さすがに全校生徒一斉にという訳ではなく、ちょこちょこ分けられてはいるが、たむろってしまうのは学生のさがというものだろう。
「あれ見て!冷姫」
「美しすぎる…」
「いいなー…あのプロポーション」
……何あれ?
人混みの中に、入ることが出来ないサークルが冷姫を中心に展開されているのだろうか。
しかしまぁ…体操服になったことによって、制服よりも胸の膨らみや、くびれが際立って見える。
今の彼女は、女子ですら魅了してしまうほどに扇情的だ。
俺も周りの人と同じように円の外から見ていると、背中をトントンとされた。
「はると!おはよ!」
「…向日葵か、おはよう」
振り向くと体操服姿の向日葵が右手を上げて元気に挨拶してきた。
すると何故か向日葵は急に不機嫌になって、
「冷姫を熱い視線で見つめちゃって!春斗も冷姫のように綺麗な人が好きなんだ!」
腕を組んで、ぷんっとそっぽ向いてしまった。
…この仕草が可愛いなんて思ったことは言ったらさらに怒るな。
「いや違うよ。すごい人気だなって見てただけだ。それに、俺は向日葵の方が好きだけどな…」
向日葵は、ぼふっと顔を赤くした。
恥ずかしがっているのだろう。
「な…なんで私の方がすっ…すき…なの?」
向日葵はさらに顔を真っ赤にさせて、俯きながら聞いてくる。
「そりゃあ…向日葵と一緒にいると楽しいし、向日葵の笑顔で俺も癒されるしな」
向日葵は顔から火が出るぐらい真っ赤にして、アワアワしている。
向日葵は普通に可愛い。すれ違った人が十中八九見入っていまうほど。
では何故三大美女に入れなかったというと、同じ学年にあの冷姫がいたからだ。
彼女とすれ違うならば、必ずその人は足を止めるくらい美しい。
三大美女は一学年に1人ずつという暗黙の了解がある。
それがなかったら、向日葵は三大美女に入れていただろう。
俺はあまり容姿に頓着しないし、普通に考えて今にも殺してきそうな冷姫と、仲の良い元気で明るい幼馴染みだったら皆さんどちらを選びます?
冷姫を選びますか…
ではどうぞ死んでください。
私は幼馴染みを選びますので。
「そうだ!向日葵、一緒にこないか?」
「えええっ!?そそそそれって告白!?」
……いや…なんで告白になるんだ?
「いいや、身体測定を一緒にまわっていこうと思ったんだけど…」
「いっいいよぉ!それじゃあ行こー!」
「あっ、ちょっと待てって!」
向日葵に引っ張られて躓きながらもついて行く。
そんな彼らを冷姫は密かに見ていた…
今回は東雲 冬華を載せました!
みくちゃんはまだ(仮)なのでそこまで気にしないでくれるとありがたいです。
身体測定の結果、身長は
春斗は175cm、向日葵は153cm
琴音は144cm、冷姫は164cm
だったそうです
読んでくださってありがとうございます。
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