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十二話 無慈悲

日間ランキング7位!!

みなさんありがとうございますっ!!


ーー結果的には適度に殺されている。

みくちゃんが俺の話をする度、視線でナイフを投げてくる。

その度俺の心のHPは削られて、もう赤いところまできている…


「そうして私ははるとお兄ちゃんにたすけられたんですっ!!」


俺たちは客人のためのソファに座って話していた。

座り方は俺と園長が、対面に東雲姉妹となっている。


「そうだったの…よかったわね、みく…」

「うんっ!」


満面の笑みで頷くみくちゃんを、優しい笑みで頭を撫でている。


その光景を見ていると本当にいい姉妹で、冷姫も見ていると冷たい性格でクールだというのが嘘みたい……ビクッ!

……一瞬殺気を感じた。


殺気の方向を向いてみると笑顔でみくちゃんを撫でている冷姫がいた。

…あれ?気の所為だったのかな…

ん?でもしっかりHPは削れてるぞ?


「ここらへんで私達は帰ります」

「えっ!?お姉ちゃんもう帰っちゃうの?」


みくちゃんが帰ってしまうのは寂しいが、冷姫が帰ってくれるのは正直有難い。


冷姫がスっと立ち上がる。

それに合わせて渋々みくちゃんも立ち上がる

二人は歩いてドアの前まで行く。


「では、さようなら」

「お兄さん、ばいばーい!」


冷姫は軽く頭を下げる。

俺は手を振ってくるみくちゃんに、手を振り返す。


ガラガラガラッ


冷姫がドアをあける。みくちゃんを先に外に出るよう促してあとに続き冷姫も外に出る。


ガラガラガラッ


はぁ~…死ぬかと思った…

俺はHPを1ドット残し生還した!

今日はもう疲れたし帰ろうかな…


俺は立ち上がろうとした瞬間

ーーゾクッ!!…殺気

恐る恐るドアの方を見ると

ーードアの隙間から冷姫の凍るような冷たい目が見えた…


ーーーピシャ


ドアが閉められた瞬間、俺のHPは0になり、崩れるようにソファーに倒れ込んだ。


「どっ、どうしたの!?」


焦ったような園長の声が聞こえる…


「さあ!今がチャンスです!園長!」

「春斗くんに襲いかかって既成事実を!」


…なんか言っているが意識が朦朧として聞き取れない…


あっ……逝くっ…


目の前が真っ暗になった。


ーーー


うっ…うぅ……

俺は、何をして…


「さあ!ここは私たちが止めておきます!」

「今しかないのです!園長ぉ!」

「させないぃぃい!!」

「え…えぇ!?でもぉ…」


何このカオス…

何故か向日葵が来ていて、その向日葵が二人の先生に抑えられている。

そしてその横で園長が、オロオロしている。


「あのぉ…どうしたんです?」


みんな俺に気づくと一斉に何もなかったかのように元の位置に戻る。


「春斗!来たよー!」


えっ?寸劇でもしてたの?

向日葵も何事も無かったかのように話しかけてくる。

変わり身が早すぎるんだけど。

仕方ないので俺も普通に返事をする。


「今日はもう帰ろうと思うんだ」

「そうなの?それじゃあ一緒に帰ろっ!」


向日葵が腕に抱きついてきて引っ張ってくる。


「ほら…だから…」

「園長先生!あれですよ、あれ!」

「……うぅぅ…」


なんか周りから聞こえてくる…

なにを話してるんだろう。


「私たち二人っきりで仲良く帰りますので…さようなら♪」


向日葵の言葉、なんか含みがあるような言い方っぽいが…よく分からない。


「そっ、そう。それはいいわね……本当にいいわね…」


なんか園長の元気がない。

俺は心配になって園長を覗き込む。


「園長、疲れてるんですか?」

「ふぇ?」


園長の額に手を当てて熱がないか確かめる。


「ひゃっ…ひゃあっ…」

「熱は無いようですね…でもお疲れのようでしたら休んでくださいね」

「はっ…はひぃ…」


先生の返事が変だ。それに向日葵が横っ腹を抓ってくるし……意味わからん!

知らんけど、それ地味に痛いから止めてっ!


俺たちは先生方にさようならを言い、職員室を出てそのまま二人で並んで帰る。


「そう言えば、さっき冷姫をみたよ!すっごい綺麗だから少し見とれちゃった!」

「あ、あぁ…なんか妹がこの保育園に通ってるらしいよ…」


俺はもう、冷姫=怖いやつ、になっている。

そんなやつが俺の隣とか、もう考えるだけで身震いする…

明日から憂鬱だなぁ…


ーーー

【冷姫side】


「さっきの人かわいかったねー」

「そうねー」


私たちは二人並んで歩いている。


先程、昼休みにあの男と乳くりあっていた女子生徒とすれ違った。


ーーあっ!いいこと思いついた…


昼休みの様子を見るとあの女子生徒はあの男の彼女なのだろう。


みくちゃんには悪いがこの事実を知ってもらう…

少し苦しい思いもするだろうが、そこは頑張って我慢してもらおう。


私は一番効果的なのはタイミングはないか考え始めた。


読んでくださってありがとうございます!

よかったら評価、ブクマよろしくお願いします!

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