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十一話 東雲姉妹

日間ランキング7位に入りました!!

ありがとうございますっ!!

【春斗side】


そこには東雲 冬華が立っていた。

はあ!?冷姫っ!?

どうしてここに!?


「おねーちゃーん!」


みくちゃんが冷姫に向かって手を振る。

お姉ちゃん!?みくちゃんのお姉ちゃんだって言うのか!?


2人の顔を見てみる。

……悪いが全然似てない。

みくちゃんは目がぱっちりしていて、顔が丸っこくて可愛い。

それに対して冷姫は、目が鋭く、鼻梁もスっとしていて可愛いと言うより美人だ。

まぁ共通点といえば二人ともモテそうだという所くらいだろうか。


……ん?

冷姫が俺をゴミでも見るような目で見ている気がするんだが…気の所為だろうか。

俺そんな恨まれるようなことした覚えはないんだけど。


「お姉ちゃん!この人は春斗お兄さんっていうの!」


みくちゃんがニコニコ笑顔で冷姫に俺を紹介した。


すると、冷姫は一瞬でさっきまで表情を一瞬で霧散させて笑顔になった。

こっ、怖っ!!

人間ってあんなに表情を変えられるもんなのか!?


「それはそれは、ありがとうみくちゃん。春斗お兄さん…春斗お兄さんって言うのねー。へぇー…」


…なんだろう…笑顔なのにすっげぇ怖い。

みくちゃんは気づかないのか、元気よく返事をする。


「それはそうと…みくちゃん?その体勢はどうしたのかしら?」

「たいせい?」


俺も言われてみて見てみる。


はっ!こっ、この体勢はまずい…

みくちゃんは座っている俺の足と足の間にすっぽりと入っていて、俺の胸に背中を預けている。


みくちゃんも気づいたらしく、顔を赤くして必死になって弁解する。


「こっこれは…私が悪いの!わっ…私がいきなりお兄さんに抱きついたから…」


みくちゃんの顔がさらに真っ赤になる。

みくちゃんから、うっ…うぅぅ…という唸り声が聞こえる。


「へっ…へぇ。みくちゃんから抱きついたのね…」


今度は冷姫の目が死んだようになる。

表情が毎回百八十度変わる。

もう一種の芸ではないだろうか…


「……分かったわ。最初はあなたに感謝していましたが…私の敵だったようですね…」


……なんのことです??

みくちゃんもはてなという顔をしている。

だけど何か変なことに巻き込まれているのだけは分かった。


ーーー

【冷姫side】


みっ、みくちゃんが…寺坂 春斗のことを好き……


これはもう確信的だ。


だってぇ…あの顔みたぁ!?

言い訳する時の顔!

何あれっ!?あんなに顔を真っ赤にして…

あんなに…可愛い顔みたことない!

あの目は恋する乙女の目だった。


あんな男に私のみくちゃんが惚れたと!?

いいや…違うっ!

あの男がみくちゃんを誑かしたに違いない…

絶対に許さないっ!!

みくちゃんには目を覚ましてもらわなくちゃ…


これからどうしましょうか。

なるべくみくちゃんをあの男に近づけないのはもちろん、どうやってあの男を忘れさせようか。

あの様子のみくちゃんを見るとかなりあの男を好いている。

でもまだ、小さいからか自分があの男を恋愛的に好きだということは自覚してないっぽい…

ナチュラルに甘えている。


本当にあの男はみくちゃんに何をしたというの…

何をしたら私にあのような可愛い顔を見せてくれるのだろう…

…うっ…羨ましいっ…

抱きつかれてあんな顔されたら、私キュン死する自信があるわっ!

それをあの男ときたら…あんなにみくちゃんが好意を示しているのに…


死んで生き返ってからまた死ねっ!!

私はあの男を睨みつけた。


ーーー

【春斗side】


俺は今、冷姫を職員室に案内している。

俺とみくちゃんが先頭を歩き、冷姫が後ろをついてきている。


ブルブルブルッ!

おおぉお…寒気が…

なんか後ろから突き刺さるような視線を感じる。やばい…なんか視線で刺されて殺されそう…


「お兄さん、どうしたんです?」

「いいや、なんともないよ」


心配になって覗き込んでくるみくちゃんに笑顔を無理矢理つくって答える。


ひぃいいっ!一段と寒くなった。


ーーいつの間にか職員室に着いていた。

たっ、助かったぁ~

早くこの場から逃げたい。


「ここが職員室だから!それじゃあ俺はここで」

「ええ…助かったわ」


冷姫はニッコリ笑顔でお礼を言ってくる。

目が笑っていない…

俺は頭を下げて颯爽と逃げようとする。


「え、お兄さん行っちゃうんですか…?」


みくちゃんは目をうるうるさせる。

今日はちょっとそんな顔されても無理かなー

ほら、お兄さん逝っちゃうから。


ーーガラガラガラッ


そんな時、職員室のドアが開いた。


「あら、みくちゃんの保護者の方ですか?」


職員室から園長先生が出てきた。

ナイスタイミング!!

これで俺は逃げられる!


「ええ。ご挨拶にと」


冷姫は焦ることなく、軽く会釈する。

冷姫の美しく流れる黒髪が頭を軽く下げるのに合わせてスラリと動く。


……綺麗だ…

俺は軽く、その仕草に目を奪われてしまった。

園長も少し見とれてしまっているようだった。


「そっそうですか。では立ち話もなんですし、中で話しましょう」


園長は冷姫を職員室に入るよう促す。


よしっ!俺の役目は終わった。

それじゃあ、園児たちと遊んで刺されまくってボロボロの心を癒してもらおう。


「あ、春斗くんも一応来て。朝の件で説明して欲しいことあるかもだから」


……僕…逝きたくないです…

冷姫はみくちゃんにゾッコンですからねー


読んでくださってありがとうございます!

よかったら評価、ブクマよろしくお願いします!

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