歩
少女は探し物をしていました。大きくて、綺麗で、まるいのです。それが手にはいったら、どこへでも行ける気がしていました。けれどもそれは見つかりません。だから、少女はどこへも行けないのです。それでも少女は楽しんでいました。そんなに簡単ではつまらないからです。今日も、少女は歩きます。とんとんと、とんとんと。
ほんとうは、もう見つからないのかもしれません。
明日になったら急に見つかるのかもしれません。
実は、既に見つかっているのかもしれません。
さてはて、どうでしょう。
歩き終わったらおはなししましょうね。