真の魔物は姿を見せぬ
即興小説トレーニングで数年前に書いたものです。 お題:静かな魔物 時間:1時間
Twitterのアカウントは消してしまったけど、他の人のものをパクったとかではないので!
ここは気が風でそよぐ音しか聞こえない森の中。生き物の気配もない。
俺は一人、その静かな森の中にいた。近くの村人の話だと、ここには群れで行動している魔物が出るらしい。俺はそいつらの退治を頼まれた。
暫く歩いていると、風ではない別の物音がした。気づくのが遅かった、周りを魔物に囲まれた。
オレ達の仕事は魔物退治。また面倒な仕事を依頼された。大きな剣を持った一匹の魔物を退治しろ。まあ相手は一匹だ、取り囲んで袋叩きにしてやろう。
いたぞ、あれが魔物だ。さあ、計画通り取り囲んでやろう。
俺は剣を構えた。一対五、普通なら不利なのだろうが、俺の剣なら一振りで二三匹一度に倒せる。さあ、どこからでもかかってこい。
俺たちは剣の届かないくらいの間合いを保ちながら様子をうかがった。向こうから仕掛けてくる様子はない。仲間に合図を送り、一斉に飛びかかった。
俺はいつから魔物退治をするようになったのだろう。
オレ達はいつから魔物退治をするようになったのだろう。
こんな虚しい殺し合いはいつから始まったのだろう。そんなことはもう忘れてしまった。
俺は飛びかかってきた魔物に剣を一振りした。魔物が二匹、赤い血をまき散らし悲鳴を上げて飛んでいった。
オレの仲間が二人切られた。よくもと思い背中に刃を突き立てた。魔物は赤い血を流し、悲鳴を上げてうずくまった。
俺は残りの魔物に剣を振るった。
オレ達は残り三人で魔物に襲い掛かった。
俺は深手を負い、森から脱出した。
オレ達は全員負傷し、森の中へ逃げた。
俺達は何故戦っているのか。
オレの知らないところで誰かが笑った気がした。
「さあ、楽しい戦いを見せてちょうだい。私の魔力で操れないものはないわ。」
二つ目の投稿です。
この次はもっと長いものを目指しています。