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第一幕
皆さんは吸血鬼というものをご存知だろうか?
一般的には人の生き血を吸い、太陽を浴びると灰と化してしてしまう人外の存在と、今日まで語り継がれた不変の怪談。しかしこれが事実に基づく実話だとしたらどうだろう? これはそんな吸血鬼と呼ばれた男の話である。
その男は太陽を愛し、神を敬服していた。男は朝が来る度に日の下へ出て光を享受し悦んだ、その一方で夜が近づく度に沈む太陽を遠い目で眺め憂いた。
そんな彼の住む村は神から同じように愛され様々な庇護を受け生活していた、しかし人々はそれが当たり前だと思っていた、神が自分たち人間を創造したのだから面倒を見ることは当たり前だ、親が子の面倒を見ることは義務だと言わんばかりに、慕いこそせど感謝などしなかった。
そんな粗暴な扱いを受ければいかに優れた存在であれ、自分が創造した我が子を見放すだろう。
結果としてその村には鉛のように鈍く厚い雲が空を覆った。




